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人気者の君と一人ぼっちの僕  作者: 浅井天


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できることとできないこと


私はまた悩んでいます。木村君に直したらいいところを教えてほしいと相談され、解決するために今私の部屋にいるのですが直したらいいところを指摘するのは難しいです。人には必ずどこか欠点があり直したらいいところがあるものだと思います。しかし、それは個性でもありそこがいいという人もいるでしょう。結局は個人の感性なんだと思います。だからといって、わざわざ私の家に来てもらったのに今の木村君のままでいいよなんて的外れでしょう。

私は決めました。客観的に憧れられ理想とされるような人になるように指摘しましょう。



「えーとね、運動して少し筋肉をつけるとか髪型を少し変えてみるとかかな」

「なるほど、運動と髪型か。確かに大事かも」僕はそう答えた。

「コンタクトにしてみるとか勉強するとか自分に自信を持つとか」

木下さんはかなりいろんなところを指摘してきた。そんなに僕には直したところがあるのかと思いながらなぜか嫌な気持ちには全くならなかった。自分のことをこんなに見て考えてくれているのだとうれしくなった。

「勉強をするのは結構きついかもしれないです」僕は勉強がきらいだ。勉強と学校はセットみたいになってるのが嫌いだ。家でも勉強していたら家も学校になってしまいそうだから。

「でも、再来週は期末テストだし今年は受験もあるんだよ?」木下さんは優しい口調で言った。

「テストはいったん忘れて、僕、大学受験はしないつもりで就職しようかと考えています。だから、勉強はそこまでいいかなと」

「木村君は就職するんだ、でも、勉強赤点とらない程度にはがんばった方がいいよ。夏休み補習になるし」木下さんは勉強のする気のない僕を叱るわけでもなく赤点の心配までしてくれた。この時の僕は赤点なんてとるわけないと思っていた。

「直した方がいいところというかやってみたらいいことはそんな感じかな」

「ありがとうございます。とりあえず、ご指摘いただいたことを改善できるように精進してまいります。」

「企業と顧客みたいな関係になってる」木下さんは笑いながらつっこんでくれた。

そこからは他愛もない話を少しして気づいたら緊張なんて存在を忘れていた。お昼どきになったので帰ることにした。木下さんには食べていけばいいのにと言ってもらったがさすがに申し訳ないのでお断りした。

「じゃあ、また学校で。少しは勉強しなよ。」

「また学校で。気が向いたらします。」そう言って僕は木下さんの家を後にした。「公園まで送ろうか」と言ってもらったが僕は「大丈夫、道は覚えてるから」と言ってしまった。あまり覚えていなかったので道に迷って帰るのにかなり時間を使ってしまった。


その日から毎日筋トレと少しランニングするようにした。美容室とコンタクトは親に相談した結果、夏休みに行くことにした。ランニングと筋トレの成果だろうか少しづつ体力がついてきているように感じる。

勉強は全くしなかった。テスト期間に出された課題を適当に終わらしただけだ。

おかげさまで赤点を取り夏休みの補習が確定した。唯一の救いはクラスでの赤点は僕だということだ。

テスト返却の時に木下さんに「何点だった?」と聞かれたので答案用紙を見せたらものすごく驚いていたのとあんなに勉強しなよと言ったのにこいつは何をしてるんだという感情が隠れていた。本当に僕の自業自得だ。木下さんの反応を見て他のクラスメイトが寄ってきて僕が赤点をとったことを知ると馬鹿にしてきた。それから授業で先生が僕をあてるとクラスメイトが騒いで僕の発言に注目するようになってしまった。最悪だ。まだ空気として扱われているほうが楽でよかった。


時間は過ぎて明日から夏休みだ。終業式も終わり、帰りの会も終わり、夏休みが始まった。

帰宅しようとしたら木下さんに声をかけられた。

「自分磨き頑張ってる?」

そういえば、その後の報告全くしてなかったと思い出した。

「うん!毎日運動してるし美容室に行くこととコンタクト作るのは夏休みにする。補習のせいで美容室も眼科も行くのが遅れるけど。」

「ちゃんと行動できて偉いね、勉強はだめだったけど。」後半は少し笑っていた。「補習って明日からだよね、どこの教室でするの?」

僕は「隣の選択教室6ですることになってる。」と答えた。

木下さんは「そうなんだ。ありがとう。また明日」と答えて教室を出ていった。

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