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人気者の君と一人ぼっちの僕  作者: 浅井天


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22/28

変わらなければよかった

文化祭が終わってもう2か月が経って11月下旬になった。

地球温暖化といわれている今日もさすがにこの時期になると寒い。

みんな厚めの服を着るようになっている。朝が寒くて起きられないという人が大勢表れて教室は遅刻する人や今日何分で用意したという自慢合戦のようになっている。

夏よりも冬の季節の方が好きだという人が大勢いるだろう。確かに冬の方が景色がきれいでロマンティックに感じる。イルミネーションも星空もすごくきれいでこれを誰かと一緒に見たいと思ってしまう。

そんな美しい季節だというのに僕の学校生活の裏側は非常に醜く惨いものになってた。


この2か月はかなり地獄だった。

西村君が元の覇気をなくし教室で空気となってしまってから今まで虎の威を借る狐だった人たちが僕に強くあたってくるようになった。放課後には僕の周りにハイエナのように群がり力を振るってくる。

もちろん痣ができるが寒い季節ということもあって全身長袖長ズボンなので他の人に見られるということはなかった。ハイエナが要求してくるのは西村君に謝ってもとに戻せということだったがその要求をかなえることはできなかった。

1か月経ったあたりで一度謝ったことがあったが西村君から返ってきた言葉は「もう気にしてない」だった。よって、謝るという要求はかなえることができたがもとに戻すという要求をかなえることは不可能だった。そのことを伝えてもハイエナの要求は終わることはなく1か月間僕は無理難題を押し付けられいるのである。


問題に対して一人で立ち向かうことがかっこいいのだと考えていたが大勢のハイエナに対峙した時僕はもう立ち向かうことをやめ、現状を受け入れていた。もう、このまま自分の高校生活が終わってもいいと思うようになっていた。一時は木下さんに出会って自分を変えて学校生活を楽しもうと思ったこともあったがそれは夢のまた夢で拓海や石川さん、森岡さんとも仲良くなって変わったんだって確信を持つことができて自分にも自信がついたのに。自分のことを少しはすきになれたのに。

ちょっと、舞い上がって調子乗って強くなれた気がして西村君に反抗してしまったのが良くなかった。


1人で学校生活を過ごしているままで終わるべきだったんだ。

ひとりぼっちのままで、何も語る内容のない学校生活を過ごしているべきだった。


校舎の端に存在し生徒が使用することがない教室にいるハイエナと僕。入り口には多くの段ボールがおかれていて誰も入ろうとしないこの教室。鍵もかけられておらずこの教室が存在することを誰もが忘れているかのような。

僕とハイエナしか利用することがないであろうこの教室の扉が開いた。

開けたのは数人の先生だと気づいたのはハイエナの反応をみた後だった。

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