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人気者の君と一人ぼっちの僕  作者: 浅井天


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歩みを止めないで

気を紛らわせるために切っていた段ボールもなくなり新しいものを貰うべきか悩んでいる。とりあえず、完成したもの渡すべきだろうと思いながらなかなか動き出せないでいる。また、何か言われるのではないだろうか、自分を傷つけることにならないだろうか。正解などない自分への問いを問い続けた。

僕は完成した段ボールを集団の方にもっていった。「切り終わりました。」誰に話しかけているのかわからない僕の声を聞いて全員が言葉のないコミュニケーションをして1人の女子が「ありがとう」と言い僕の段ボール受け取った。受け取ると同時に1人の男子が僕に「これもやっといて」と大量の段ボールを渡してきた。おそらく20枚ほどだろう重さにして5キロぐらいだろうか。かなり重いなと思いながら自分の定位置に運んで行った。そこからはひとり黙々と切り続けて減ればまた足されるという畜生道ともいえる扱いだ。

帰りの時間まで常に切り続けたがなくなることはなかった。教室に帰って帰りのホームルームをした後もなくなるまで切っとけと言われたので空き教室に戻り作業をした。すべて終わった時間は18時だった。太陽も沈もうとしていてあたりはだんだん暗くなっている。正直、かなり疲れた。ため息を漏らしながら家に帰った。休みたいな。


翌日もたくさんの作業を押し付けられ、時間を持て余していた昨日の午前中とは比べ物にはならないほどたくさんの仕事がある。その日も次の日も1人で作業をしていると一日が終わった。もう、僕以外の人は話をしているだけになった。4日目となり、劇もかなり形になってきているようで小物作成係のほとんどが劇がどのような感じなのか見に行っているので空き教室にはついに誰もいなくなってしまった。静かになったのでいいかと思いながら作業を続けていると教室の扉があいた。2人の女子が入ってきて僕に話しかけた。

「木村君ごめん、全部任せちゃって。私たちも何か手伝うよ」

「ありがとう、これ、色塗ってもらえる?」僕は2人に段ボールを差し出した。

「木村君1人でずっと作業しているよね、集中力すごいね、意外と力もありそうやし何かスポーツしてたの?」

1人でやらざるおえなかったんだよなと思いながら「集中力は全然だめだよ勉強苦手だし。スポーツは何もしてないね、毎日軽く走ってるぐらいかな」

「木村君赤点とってたもんね」2人は笑っているが馬鹿にしている様子は全くなかった。

「走ってるのすごいね、なんで走ってるの?」

「うーん、ちょっと鍛えたかったから?」

僕は腕を曲げて見せてそういったが全く腕には筋肉はなかった。

「走っても腕に筋肉はつかないでしょ、木村君面白いね。」

木下さんとの特訓の成果が出たのだろうか、すごくうれしかった。

3人で話をしているとまた空き教室に2人入ってきた。2人は最初、僕たちの光景を不思議がり警戒していたが僕と話をしていた2人が呼ぶと混ざってきた。

その日の終わりのころには木下さんと2人の女子が混ざって8人の集団になっていた。おかげで小物は完成しあとは明日のリハーサルを見届けるのみになった。


「木村君途中まで一緒に帰ろう」木下さんが帰ろうとしている僕に話しかけてきた。

「うん、いいよ」

「2人で話すの久しぶりだね。」

「だね。夏休み以来かも」

「文化祭の準備期間はずっとあの集団で話してたの?」

「いや、今日以外は1人だった。今日初めて話した」

「そうなんだ、私の知らない間に急に仲良くなったね」

僕は準備期間にあったことをすべて木下さんに話した。木下さんは相槌を打ちながら最後まで聞いてくれた。

「そんなことあったんだ。頑張ったね、今日いろんな人が話してくれたのは木村君がめげないで進み続けた結果だよ。」

「僕何もしてないよ」僕は謙虚とかではなく本心でそういった。

「前までの木村君なら学校休んだりしてたんじゃない?」

「あー確かに休んでたかも」

「休むことが逃げだとは思わないけど目の前の問題から目をそらさないで投げ出さないで作業をしている姿が人を引き寄せたのだと思うよ」

「そうなのかなー」

「なにかに全力で真剣に取り組んでいる姿はすごくかっこいいもん。私はそういう姿すごく好きだよ。今回の木村君が小物を作成するまで周りの対応や行動はひどいものだけど、結果的には木村君の評価を覆すきっかけになると思うよ。ざまーみろだね。」

簡単にかっこいいとか好きとか言うから勘違いしそうになる。

「木下さんがざまーみろって言うなんて意外過ぎる。ありがとう、今日久しぶりに話せてよかった」

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