表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/43

4.通知

「カノン、手紙が届いてるぞ」

 カノンは父親から手紙を受け取ると、差出人を確認した。

「父さん、魔法学校からだ」

「そうか。開けてごらん」

 父親に言われて、カノンはそっと手紙の封を開いた。

「入学式の日程が書かれてる……」


 驚いた表情のカノンに、父親は言った。

「おめでとう! カノン! 合格したんだな」

「え!?」

 父親はカノンから手紙を取り上げると、声を出して読み上げた。

「必要なものは……学校で用意します、か」

 母親も、父親の声を聞いて昼食作りを中断して台所から飛び出してきた。

「カノン、王立魔法学校に入れるなんてすごいじゃない!!」


「うん。でも……」

 カノンの金色の瞳がかすかに揺らいだ。

「僕に、魔法の才能なんてあるのかな?」

 母親はそれを聞いて、口を開いた。

「昔、冬なのに春の花をもってきてくれたことがあったでしょう? あれは魔法をつかったんじゃないの?」


「……うーん」

 カノンは一人で森に遊びに行っては、いろいろな植物や動物のリズムを聞いていたことを思い出した。

「魔法使いになれば、国の誇りである王宮魔法団に入れるかもしれないぞ!」

 父親は、カノンの入学を無邪気に喜んでいた。

「王宮魔法学校は、寮にはいらなければいけないのよね……」

 母親はさみしそうにつぶやいた。

「大丈夫だよ、お母さん。僕、休みにはきちんと帰ってくるから」

「まだ、入学式も済んでいないのに気が早いなあ」

 父親はしょんぼりとしている母親を抱きしめて、優しく背中をなでた。


 カノンはまだ、自分が王宮魔法学校に入ることが信じられず、なんども手紙を見直した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ