表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載】調律師カノン  作者: 茜カナコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/43

17.森での休息

 カノンは一日の授業を終えると、夕食までの空き時間を一人、森で過ごした。

「ああ、疲れたなあ」

 カノンは森の木にもたれかかって目を閉じた。

「エリス先生、驚いてたな……それにみんなも……」

 カノンが調律魔法を使ったとき、みんな目を丸くしていた。

「僕、特別なことだって思ってなかったけど……そうじゃないのかな」


 カノンの足元にリスが寄ってきた。カノンはリスを眺めていた。ふと、自分の寄りかかっている気が椎の木だということに気づいた。

「リスさん、ちょっと待っててね」

 カノンは椎の木に両手を当てて、優しくハミングするように呪文を唱えた。椎の木に花が咲き、実がなった。ぽとり、と落ちたドングリをカノンは拾い、リスの目の前に転がした。

「どうぞ、リスさん」

 リスはドングリを持ち上げ首をひねった後、口の中に入れた。


「ふふっ。ほっぺが膨らんでる」

 カノンが立ち上がると、リスは走り去ってしまった。

「また、ひとりぼっちになっちゃうのかな……」

 カノンが呟いたとき、遠くから声が聞こえた。

「カノン! どこにいるんだ!? 食事の時間になるぞ!」

「……ベンジャミン!?」

 カノンは声のする方向に駆けて行った。

「カノン、何してたんだ? 一人で森に入ったら危ないだろう?」

「えっと、その……」

 ベンジャミンはカノンの手を引いて、食堂へと歩きだした。


「カノンの調律魔法、すごかったぜ。あの嫌味なミランも、鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してたじゃないか。カノンはいつから調律魔法が使えたんだ?」

 カノンは一瞬躊躇したが、素直に答えることにした。

「……気づいたときには、使えてた」

「へー。じゃあ、やっぱ才能なのかな? さあ、食事に行こうぜ、みんなが待ってる」

 ベンジャミンは特に何かを気にする様子もなくカノンを食堂に引っ張っていく。


 カノンはベンジャミンの変わらない態度を見て、こころの奥でほっとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ