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プロローグ
この世界にはこのような伝承がある。
―――目の色が左右異なり、片方の目が真っ赤で片方の目が虹色のものが現れん。
真紅の目は邪神の片目、主はあたりに怨嗟を撒かん。
虹色に光る目は女神の片目、主は輝く栄光を得ん―――
―――が何故か片方の伝承だけが闇に消え去った
――とある王国のスラム街、とある子供が捨てられた。
その子供には右目に虹色の目そして左目には赤色の目があった。
親はこの伝承を知っておりその子を布で包み、人目のない路地裏に置いていった。
その子供は幸運にも少年少女に見つけられ生き延びることができた。
彼が少年になる頃、彼は優しき少年少女たちの墓を埋めていた。
彼は恩を返せなかったことを悔やみつつ、どう生きるかまた考えた。
そして名もなき自分に名前をつけた。
人とは異なる自分に向けて
人とは異なる姿にした神に皮肉を込めて
”フウシ”と
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