第98話 『世界魔導推進局』
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
魔法都市「フースイ」。
そこは文字通り、世界中から魔法に関するものが集まり、魔導士の数も他の都市とは比べ物にならない。
そしてこの都市では魔導士であれば優遇され、特別な恩恵を受けることができる。
魔導士にとってはまさに楽園のような場所なのである。
タカラ達『太陽の幼樹』は数日かけて魔法都市「フースイ」へと到着した。
「やっと着いたー!」
「かなりの長旅でしたね」
セトとテルルがそう言いながら体を伸ばしている。
「お腹すいたー!」
「何か食べ物を売っているところはないか?」
ブランとガンテは相変わらず食べ物のことばかりである。
「こらこら、とりあえずダンロッドさんが貸してくれたギルドの拠点に行こうよ。レフィーナ、案内頼んだよ」
「かしこまりました」
レフィーナはそう返事をすると、みんなを先導してギルドの拠点へと案内する。
ギルドの拠点に向かって進むにつれ、徐々に人通りも多くなり、建物の数も多くなっていく。
魔法都市と言われているだけあってすれ違う人は見た目が魔導士のような人ばかりである。
「やっぱり魔導士が多いわね。もしかしてこの都市の人はみんな魔導士だったりして?」
「そう思っちゃうくらい魔導士が多いですね……そんなことよりどの人も強そうです」
マキとコバルトがすれ違う人を目で追いながらそのように話している。
そして、魔法都市「フースイ」の中心地から少し歩くと、目的のギルドの拠点へと到着する。
今回の拠点もかなりの好立地のようだ。
さすがはダンロッドといったところであろう。
「ここがこの都市での『太陽の幼樹』の拠点となります」
レフィーナがそう言って目の前の建物を指す。
広域中核都市「ベーサイド」での拠点よりも大きな建物である。
これだけ大きければこの人数でも困ることはないだろう。
「わ~! 大きな建物ですね!」
「ガウ!」
「あっ、アイネだけずるいよ!」
そう言いながら、アイネ、タイガ、ポルル、パルルの順に建物へと走って行く。
「みんな元気だね。よし、じゃあ僕たちも中に入って荷物の整理をしようか」
タカラがそう言うと、他のみんなも建物の中へと入っていく。
しばらくしてある程度荷物の整理を終えたタカラが食堂へと向かうと、他のみんながぐったりしたように座っている。
(ここまでの長旅で意外とみんな疲れていたようだね。今日はこのまま休んだほうがよさそうだ)
タカラはそう思いながらみんなのだらけた様子を見て苦笑している。
(その間に僕はもう一仕事しておくとするかな)
タカラはそう思うと外へと出かけてゆく。
♢
(ここも前とはずいぶん変わってしまったね。まあ、魔法都市は時代の最先端を行くと言われているから移り変わるのも早いし、しょうがないか)
タカラは目の前の大きな建物を見ながらそのように思う。
その建物の入り口には『世界魔導推進局』と書かれている。
『世界魔導推進局』とは、魔法に関する多くのことを研究している施設であり、世界中でここ1つしか存在しない。
魔法に関することなら右に出る者はなく、世界最先端の魔法技術を扱っているところである。
また、『世界魔導推進局』は魔法都市「フースイ」の冒険者協会のような役割も果たしている。
ただ、普通の冒険者協会と違う点は魔導士でないと在籍できないという点である。
では、魔導士以外の冒険者はこの都市では活動できないのかと言われるとそんなことはない。
魔法都市「フースイ」にも冒険者協会はいくつか存在する。
しかし、大型クエストやコスパのいいクエスト、うまみのあるクエストなんかは『世界魔導推進局』のほうに優先され、そういった意味でもこの都市では魔導士が優遇されているのだ。
とにかく、『世界魔導推進局』には多くの魔導士が在籍しており、日々魔法の研究や冒険者としてクエストをこなして生活しているのである。
そんな世界でも有名な施設にタカラは普通に入っていく。
建物の中はとてもきれいで、近未来的な作りになっている。
(建物の中も昔とは大違いだ)
タカラは建物の中の様子に驚きながらも、入ってすぐのところにあった受付へと向かう。
「すみません、『太陽の幼樹』というギルドのギルドマスターをしているタカラというものなんですけど」
タカラはそう言いながら受付嬢に話しかけると、
「タッタッタカラ様!? どうしてこんな場所に!? こんなことなら髪型もっとちゃんとしてくればよかった!」
受付嬢はタカラの顔を見て顔を赤らめながらそのように反応する。
「えっと……もしかしてどこかでお会いしましたっけ?」
タカラは困惑しながらそう尋ねると、
「いえ、会うのは今回が初めてですが、この都市でタカラ様のことを知らない人なんていませんよ? 元S級パーティー『神秘の陽樹』の支援魔導士にして個人でもS級冒険者の肩書を持つ、魔導士であれば誰もが憧れる超有名人ですよ!」
受付嬢は興奮した様子でそう力説する。
「そっ、そうですか」
タカラは受付嬢の勢いに気おされながらもそう言う。
受付嬢は依然として、キラキラした目でタカラのことを見ながら笑顔を振りまいている。
「とっ、ところで局長に会いたいのですが今から会うことができますか?」
タカラは今回ここに訪れた目的を受付嬢に告げる。
「あっ、私としたことが、まさかタカラ様に会えるとは思はず、本来の業務を忘れておりました。申し訳ありません」
受付嬢は我に返りながらそうタカラに謝る。
「普段であれば局長に会うためにはアポイントが必要不可欠ですが、タカラ様であれば何の問題もないはずです。すぐに局長に連絡するので少しお待ちください」
受付嬢はそう言うとすぐに局長に連絡する。
そして、連絡が取れるとすぐにタカラのほうへと向き直り、
「局長に連絡したところ、すぐにタカラ様を案内するように、とのことです。それではこちらへ」
受付嬢は笑顔でそう言うとタカラを『世界魔導推進局』の局長のもとへと案内する。
(アウゼルと会うのもかなり久しぶりだね。元気にしているだろうか?)
タカラはそう思いながら『世界魔導推進局』の局長のもとに訪れるのであった。
読んでくださりありがとうございます。




