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第97話 2人の訪問者

お世話になっております。ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。



『太陽の幼樹』が魔法都市「フースイ」へと旅立つ当日。

『太陽の幼樹』のギルドに訪れる2人の姿があった。

『虹音の協奏曲』のギルドマスターであるドーラム、そして、『漆黒の暴君』のギルドマスターであるネリだ。

2人は『太陽の幼樹』のギルドの前で偶然鉢合わせる。


「……なぜネリ殿がこんなところに? 『漆黒の暴君』ともあろう者が他のギルドに興味を持つとは到底思えないが……」


ネリを見たドーラムが嫌味っぽくネリにそう言う。


「うるせーな。お前に関係ねーだろ」


ネリはドーラムのほうを見ることなくそう言う。

2人がこうして『太陽の幼樹』に訪れた理由、それはもちろんタカラに会うためである。

『太陽の幼樹』がこの都市を出て行くと聞き、最後に一度タカラに会っておこうとやってきたのだ。

ドーラムとネリが『太陽の幼樹』のギルドの前で立っていると、偶然タカラがギルドの入り口から出てくる。


「あれ? ドーラムさん?……とネリ? どうしたんですか? そんなところに2人で突っ立って」


タカラは2人の姿を見つけて驚きながら不思議そうにそう尋ねる。

ギルドの外に出たらこの都市を代表するギルドのギルドマスター2人が立っていたのだ。

驚くのも無理もないし、疑問に思うのが当然であろう。


「い、いや、ネリ殿とはここで偶然会ったんだ。気にしないでくれ。そんなことより、『太陽の幼樹』がこの都市を出て行くと聞きましてね。最後にもう一度タカラ殿に会っておこうと思って来たんです」


ドーラムはタカラの質問にそう答える。


「俺もタカラさんに会いに来ました。突然『太陽の幼樹』がこの都市を出て行くって聞いたもんですから……」


ネリもそのように言う。

隣で聞いていたドーラムは少し驚いたようにネリを見ている。

まさかネリもタカラに会いに来たとは思わなかったのであろう。


「あっ、そうだったんですね。2人ともわざわざありがとうございます」


タカラは笑顔で2人にそう言う。


「いえいえ。しかしまた何でこの都市を出られるんですか? せっかく『太陽の幼樹』の知名度も上がって来て、『虹音の協奏曲』のライバルと呼べる存在が出てきて嬉しかったのですが……」


ドーラムが早速そうタカラに尋ねる。

やはりドーラムもそのことが気になっていたのであろう。


「おい! タカラさん達が決めたことだ! お前なんかが口出しするんじゃねえ!」


ドーラムの疑問にすかさずネリが噛みつく。

あのタカラとの出来事以降、本当にタカラのことを慕っているようだ。


「まあまあ、ネリも落ち着いて。僕は全然大丈夫だから」


タカラは苦笑いしながらネリをなだめる。

タカラのその言葉にネリは素直におとなしくなる。


「実はセトの魔法の修行のために魔法都市「フースイ」に行くことになったんです。どうやらこの前のタクト君との対決で何やら思うところがあったみたいで……」


「そうでしたか。しかし魔法都市とは……これは私たち『虹音の協奏曲』もうかうかしてられませんね」


ドーラムは魔法都市と聞いて顔つきが変わる。

ドーラムももちろん魔法都市「フースイ」のすごさを知っている。

知っているからこそ『太陽の幼樹』がそこで魔法を学んだらどうなるか、とんでもないことになるのではないかと恐れているのだ。

そして『虹音の協奏曲』の存在を脅かすほどの存在になってしまうのではないかと危惧しているのである。


「タカラ殿の行動に移す速さは私も見習わなければならないようだ。このことを聞いたらタクトもより一層修行に励むでしょう」


ドーラムはタカラにそう言う。


「僕はほとんど何もしていませんよ。ギルドメンバーが自分たちで決めたことです。僕はそっと背中を押したくらいですよ」


タカラは首を横に振りながらそう言う。


「そうですか。本当に『太陽の幼樹』にはいいメンバーが揃ってますね。だが私たちも負けるわけにはいきません。『虹音の協奏曲』にも素晴らしいメンバーがそろってますからね」


ドーラムも自信あり気にそう言う。


「この都市にはまだやり残したことがありますからね。ぜひまた会いましょう!」


「もちろん、また会える日を楽しみにしていますよ」


そう言ってタカラとドーラムは固い握手を交わす。

タカラとドーラムの話が終わると、次はネリがタカラに話しかける。


「タカラさん。タカラさん達がいない間この都市のことは任せてください。俺たちがいれば何の心配もいりません」


ネリはそう言いながら深く頭を下げている。


「うっ、うん。ありがとね、ネリ」


「いえ、タカラさんの役に立てるのであれば本望です」


ネリは真剣な表情でそう答える。

その様子を見ていたドーラムは、この2人の間で何があったんだ? と疑問に思いながらも若干引き気味で2人のやり取りを見ている。


「……タカラ殿は本当にすごい人ですね」


タカラがネリを従わせている様子を見てついそう言葉が漏れてしまうほどだ。


「2人とも、わざわざギルドまで来てくれてありがとうございます。またいつか会える日を楽しみにしています」


最後にタカラはドーラムとネリに向けてそうお礼を言う。

こうしてタカラはこの都市を出て行く前にドーラムとネリに会うことができ、無事に広域中核都市「ベーサイド」を出発するのであった。

読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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そして、コメントや感想などもお待ちしています!

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