第90話 秘密の対決
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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あれから3日後の『虹音の協奏曲』のドーラム、タクトとの対決当日。
タカラは朝からセトを連れだして約束の場所へと向かう。
「タカラ、急にどうしたの? 何があるの?」
タカラからまだ何も聞いていないセトは不思議そうにそう尋ねる。
「ついてからのお楽しみだよ。きっとセトにとっていい経験になると思うよ」
タカラはセトの質問にそう答える。
「もう、教えてくれたっていいじゃん」
セトはそう言いつつも素直にタカラについていく。
ほどなくしてタカラとセトが約束の場所につく。
タカラはあたりを見回すがまだ人影は見当たらない。
ドーラムとタクトはまだ来ていないようだ。
そのまま2人がドーラムとタクトを待っていると、すぐにドーラムとタクトも姿を現す。
「えっ! ちょっとタカラ!? どういうこと!?」
セトは向こうから歩いてくるドーラムとタクトを見て驚いたようにタカラに尋ねる。
何も知らずにタカラについてきたが、まさか『虹音の協奏曲』のギルドマスターであるドーラムとエース的存在であるタクトに会うとは夢にも思っていなかったのだろう。
それに、タクトはセトと同じ魔導剣士である。
セトがタクトのことを意識しているのが客観的に見てもひしひしと伝わってくる。
「実は今日『虹音の協奏曲』の2人とここで会う約束をしていたんだ。この前偶然ドーラムさんと会って手合わせをお願いしたら快く引き受けてくれたんだよ。『虹音の協奏曲』のタクトと手合わせしてみたいって言ってたでしょ?」
「えっ!?……聞いてたんだ。誰にも聞かれてないと思ってたんだけど」
セトはこの前の独り言をタカラに聞かれていたと知り、恥ずかしそうにしている。
そして、今日これから『虹音の協奏曲』のエースであるタクトと手合わせをすると知り、一気に緊張している様子である。
(まさかタクトさんと手合わせできることになるなんて思ってもみなかったわ。このチャンスを無駄にするわけにはいかない。胸を借りるつもりで盗めるものは全部盗むつもりで行くわ!)
セトはそう思うと、
「タカラ、ありがとう! 私、頑張るから!」
セトは力強くそう言う。
「うん、期待してるよ」
タカラはそう言って、ほほ笑みながらセトを見つめている。
セトはドーラムとタクトの登場に驚きの反応を見せたが、対するタクトもタカラとセトの姿を見て驚きの表情を見せる。
「……ギルドマスター、これはどういうことですか? もちろんちゃんと俺を納得させるだけの理由はあるんですよね?」
タカラとセトの存在に気づいたタクトが少し怒り気味でドーラムに問う。
タクトも今日のことについてドーラムから何も聞いていなかったようだ。
「黙っていたことは謝るが、あらかじめお前に言っていたらお前は来なかっただろう? そうカリカリするな。お前だって『太陽の幼樹』に興味を持っていただろう? お前にだって得がないわけじゃあるまい」
ドーラムはそう言いながらタクトをなだめる。
「何度も言っていますが俺は別に『太陽の幼樹』のことなんて気になってませんから!」
タクトは少しむきになってそう言う。
(『太陽の幼樹』の話題を振ると毎回むきになるな。本当に『太陽の幼樹』のことが気になっているようだ。まったく、素直になればいいものを)
ドーラムはそんなことを思いながらタクトの話を聞いている。
「……まあ、今回はギルドマスターに感謝しますよ。本物の魔導剣士とはどういうものか、俺が教えてやります」
タクトはそう言うと、顔つきが変わる。
明らかに先ほどまでの表情とは違う。
完全にスイッチが入ったようである。
冒険者ランキング20位ともなると、纏う空気というのも他の冒険者とは明らかに違う。
オーラというか、威圧感というか、言葉にできない何かがタクトから感じられる。
「タカラ殿、待たせてしまってすまない。今日はよろしくお願いします」
ドーラムは笑顔でそう言い、タカラに握手を求める。
「いえいえ、こちらこそありがとうございます。今日はよろしくお願いします」
タカラはそう言ってドーラムの手を握る。
「『虹音の協奏曲』のタクトだ。よろしく」
タクトも短く自己紹介をし、セトに握手を求める。
「『太陽の幼樹』のセトです。今日はよろしくお願いします」
セトはそう言ってタクトの手を両手で握る。
「ではタカラ殿、まずはタクトとセトさんの手合わせからでよいですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
そう言ってタカラとドーラムは後ろに下がる。
「まさかタクトさんと手合わせできるなんて夢のようです。手合わせを受けてくださりありがとうございます」
セトは改めてタクトにそう言う。
「勘違いするなよ? 俺は別にお前たちとはなれ合うつもりはない。ギルドマスターに頼まれたから仕方なくここにいるだけだ」
タクトはそっけなくそう言う。
タクトは態度には出さないが、今話題の『太陽の幼樹』のメンバーでありそして同じ魔導剣士であるセトのことが気になっているのは間違いない。
だが、それをセトに知られたくはないようだ。
「すっ、すみません」
セトは申し訳なさそうにそう言う。
「……まあ、いいだろう。魔導剣士とはどういうものか、それをお前に教えてやる」
タクトはそう言うと剣を構える。
セトもタクトと距離を取り、レイピアを構える。
2人を見守るのはタカラとドーラムのみである。
そしてついに、広域中核都市「ベーサイド」で誰もが気になる対決が、タカラとドーラム以外誰にも見られることなく始まろうとしていた。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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