第88話 3つの噂
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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大規模都市防衛戦が無事終わり、広域中核都市「ベーサイド」では今3つの話題で盛り上がっている。
「大規模都市防衛戦、無事成功したらしいな」
「ああ。なんでも『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』の活躍がすさまじかったらしいぞ?」
「『虹音の協奏曲』はもちろんだが、『太陽の幼樹』も最近かなり来てるギルドだもんな!」
「それになんと……今回はあの『漆黒の暴君』も作戦に参加して手柄を立てたらしい!」
「なんだって!? それは本当か!?……あいつらがこの都市のために戦うなんて」
「驚きだよな!」
このように、一つ目の話題は先日の大規模都市防衛戦についてである。
どうやら大規模都市防衛戦に参加していない人々もどこのギルドが活躍したかということは知っているらしい。
噂がどんどん広まっていったのだろう。
「『漆黒の暴君』と言えば、ついこの前『金色の獅子』ともめたらしいな」
「そうなんだよ! 4大ギルド同士のギルド対抗戦なんてここ最近じゃめったに見れなくなったからな。見物人の数もすごくて大盛り上がりだったよ!」
「えっ、お前見に行けたのか!? いいなー! 俺も見たかったんだが人が多すぎて……」
「すごかったよ! かなりの接戦だったが『漆黒の暴君』が勝利を収めたよ!」
「かぁ~! あいつら悪さばかりしているのにちゃんと強いのかよ!」
「ああ。だが最近ぱたりと悪さをしなくなったらしいぞ?」
「えっそうなのか?」
とこんな感じで、2つ目の話題とは『漆黒の暴君』と『金色の獅子』のギルド対抗戦についてである。
昔、今の4大ギルドと言われている4つのギルドがまだ駆け出しだった頃はよくギルド対抗戦を行っていたが、4大ギルドと呼ばれるようになってからは4大ギルド同士のギルド対抗戦は行わなくなってしまった。
なので、久々の4大ギルド同士のギルド対抗戦とあって、かなりの盛り上がりを見せたようである。
「しかし、『漆黒の暴君』が『金色の獅子』に勝ったとなると、『漆黒の暴君』に圧勝した『太陽の幼樹』は4大ギルドのさらにその上の存在ということだよな?」
「ああ、そうだな」
「となるとやっぱり俺たちが気になるのは……」
「ああ! 『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』どっちが強いか!」
「だよな! さすがに俺は『虹音の協奏曲』のほうが強いと思うけどなー!」
「いやいや、『太陽の幼樹』だって相当強いぜ? このままの勢いで勝っちまう可能性だって十分あるさ!」
「だが『虹音の協奏曲』にはタクトをはじめ、腕のいい冒険者がわんさかいるぜ?」
「……確かに。俺もわからなくなってきた」
最後に3つ目の話題というのは、『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』、どちらが強いのかということだ。
今この都市で話題になっている3つのうち、最も白熱した議論を繰り広げているのがこの話題である。
この都市で一番のギルドは一体どっちなのか?
ギルド中心に世界が回っているこの世界において、それは非常に重要なことなのである。
そしてもちろんこの話題は『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』の両方のギルドの耳にも入っている。
こちらは『虹音の協奏曲』の拠点。
「最近『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』、どっちが強いかってすごい話題になっているらしいっすよ?」
「私たちも『太陽の幼樹』もこの前の大規模都市防衛戦ではかなり活躍したものね。みんなが気になるのも無理はないわ」
「リカコ姉さんはどっちのほうが強いと思うっすか?」
「あら、あなた野暮なこと聞くのね。そんなこと言わなくてもわかるでしょ?」
「一応っすよ。でもそうですよね。俺も同意見っす。俺たち『虹音の協奏曲』が負けるはずないっすよね!」
『虹音の協奏曲』のギルドで、男女2人がそう話している。
ちなみにこの2人は、大規模都市防衛戦で第4部隊の防衛場所にA級の魔物が2体出現したとき、タクトとともにその応援に駆け付けた内の2人である。
おそらく『虹音の協奏曲』の主要メンバーなのであろう。
「いや、それはわからないぞ? 正直言って『太陽の幼樹』は強い。なめてかかると足元をすくわれるかもな」
そう言って2人の会話に割り込む人物が一人。
『虹音の協奏曲』のエース的存在であるタクトだ。
「えー、まじっすか? タクトさんがそんなふうに思ってるなんて意外っす」
「そうね。あなたはもっと自信家だと思っていたわ」
2人は意外そうにそう言う。
「もちろん俺も『虹音の協奏曲』が負けるとは全く思っていないさ。ただ、『太陽の幼樹』はなめてかかれるような相手じゃないということだ」
タクトがそう言うと、
「全くその通りだな。『太陽の幼樹』は強いぞ。特にギルドマスターのタカラ殿。正直あの人の強さは底が知れない。そしてそんな人がギルドマスターを務めるギルドだ。油断などできるはずがない」
そう言いながら『虹音の協奏曲』のギルドマスターが3人のもとにやってくる。
「えー、ギルマスもっすか?……じゃあ俺もっす」
「あなたには自分の意見というものがないのかしら?」
「だってギルマスがそう言ってるんすよ?」
「まあ、それもそうね」
『虹音の協奏曲』の面々はかなり『太陽の幼樹』を意識しているようだ。
続いてこちらは『太陽の幼樹』。
「タカラー!」
大声でタカラの名前を呼びながら、タカラのもとに走ってくるのはパルルとポルルである。
「最近みんな『太陽の幼樹』について話してるよ! 俺たち有名人だね!」
「そうなんだ。どんなことを話してるの?」
「この前の大規模都市防衛戦の話も多いけど、一番多いのは『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』はどっちが強いのかって!」
パルルはタカラにそう言う。
(やはりか。僕もこの前の大規模都市防衛戦以降よくその話を聞くようになった。まあ、それだけ僕たちが注目されるようになったということかな……)
パルルの話を聞き、タカラはそう思う。
「タカラはどっちのほうが強いと思う?」
パルルの話を近くで聞いていたセトがタカラにそう尋ねる。
「もちろん、負けるつもりはないよ」
タカラは笑顔でそう言う。
「ただ、そう簡単には行かないっていうのが正直なところだね。特に『虹音の協奏曲』のタクト。『虹音の協奏曲』の中でもあの子は頭一つとびぬけてる。それに、タクトはどうやら魔導剣士らしいよ」
タカラはセトを見ながらそう言う。
タカラの発言にセトはぴくっと反応する。
同じ魔導剣士として意識しているのであろう。
それに、タクトは《月刊ニューヒーローズ》の冒険者ランキングで15位という実績を持っている。
実績だけで言えばタクトのほうがセトよりも圧倒的格上である。
「この都市一番のギルド『虹音の協奏曲』のエース、そして私と同じ魔導剣士……出来ることなら一度手合わせしてみたいな」
セトは誰にも聞かれないようにボソッとそう言う。
同じ魔導剣士として自分がどこまで通用するのか、試してみたいのであろう。
とにかく、タカラ達『太陽の幼樹』も全く負けるつもりはないようである。
そして、『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』はどちらのほうが強いのかという話題はこの2つのギルド対抗戦が実現するその日まで、長くこの都市で話題となるのであった。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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