第85話 本領発揮
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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こちらは広域中核都市「ベーサイド」西門、第2部隊本部。
「おい、状況はどうなっている?」
第2部隊の本部に到着したネリが第2部隊の部隊長である『金色の獅子』のギルドマスターに問う。
「きっ、貴様! なんでこんなところに!? この忙しい時を狙って邪魔しに来たのか!?」
『金色の獅子』のギルドマスターはネリの姿を見てそう言う。
副隊長を担っている『中堅ギルド同盟』の面々もネリの姿を確認し身構えている。
どうやらネリ達が助けに来たとは微塵も思っていないようである。
しかし、今までの『漆黒の暴君』が行ってきたことを考えればそれは仕方のないことである。
ネリ達の自業自得だ。
「今はそんなことを言っている場合じゃないだろ。俺たちは第4部隊からの応援としてきた……まあ、もしお前らに信じてもらえなくても俺たちで勝手にやるがな」
「お前たちが助けにきただと!? そんなこと信じられるか! 勝手にやってろ!」
『金色の獅子』のギルドマスターはそう言ってネリ達を突き返す。
「そうか。だが、俺たちもタカラさんの期待に応えなくてはならないからな。こっちはこっちで勝手にやらせてもらうぞ」
ネリはそう言うと、『漆黒の暴君』のメンバーを指揮し始める。
「回復魔導士は本部の近くにいる冒険者から手あたり次第回復して回れ。離脱した冒険者を少しでも復帰させて本部の防衛を最優先させろ。ここが最後の砦だからな」
「はい!」
『漆黒の暴君』の回復魔導士たちがそう返事をし、素早く行動に移す。
「魔導士、弓使い、その他の遠距離が得意な奴は左右の二手に分かれろ。左右から魔物を挟み撃ちするんだ」
ネリがそう言うと、該当する『漆黒の暴君』のメンバーが素早く二手に分かれネリの指示に従う。
「伝令役はいるか!?」
「はっ、はひ!」
ネリが大声でそう言うと、第2部隊の本部に待機していた伝令役が声を裏返しながら返事をし、急いでネリのもとにやってくる。
ネリがいくら心を入れ替えたといっても、今までのイメージがすぐになくなるわけではない。
昔からネリ達のことを知っている者たちにとってはいまだに昔の恐ろしいネリのままなのだ。
伝令役の声が裏返るのも無理はない。
しかし、ネリはそんなことを全く気にすることなく伝令役に命令を下す。
「今戦っている第2部隊の中・遠距離部隊に左右に分かれるように伝えろ。『漆黒の暴君』のやつらがいるはずだ。このまま魔物が入り乱れた状態で戦っても中・遠距離部隊はたいして役に立たないからな。行け」
「はっ、はい!」
伝令役は急いでネリの指示に従う。
「貴様! 勝手に第2部隊の者に命令するな! おとなしくしていろ!」
その様子を見ていた『金色の獅子』のギルドマスターがネリにそう言う。
しかしネリは全く相手にすることなく指示を続ける。
「残りのやつらは俺について来い。ひと暴れするぞ」
ネリはそう言うと、アイテムボックスから槍を取り出す。
「久々に暴れられるぜ!」
「しかもネリさんも一緒だ!」
「この感じ、懐かしいな! いつ以来だ?」
『漆黒の暴君』の血の気の多そうなメンバーたちはそう言いながら嬉しそうにしている。
久々に暴れられるのが嬉しいようだ。
「お前ら、腕がなまっちゃいねーだろうなー!? 行くぞ!」
「うぉおおおお!」
ネリがそう鼓舞すると、『漆黒の暴君』のメンバーは雄たけびを上げながらネリについていく。
戦意が喪失しかけていた第2部隊の冒険者たちもそれにつられてネリについていく。
「どういうことだ!? なぜみんなあんな奴についていくんだ!?」
『金色の獅子』のギルドマスターは驚いたようにそう言う。
ネリがこんなにも部隊を指揮するのが上手だとは夢にも思わなかったのだろう。
しかしネリは長年にわたり『漆黒の暴君』という荒くれ者の集団をまとめてきたのだ。
それに、今まで冒険者として積み上げてきた強さや経験がある。
普通の冒険者を一瞬にしてまとめ上げるなどネリにとっては朝飯前なのである。
ネリ達『漆黒の暴君』の参入により、第2部隊は魔物を押し返し始める。
一方セトは西門に押し寄せていた魔物の最後尾を捉えていた。
第2部隊が魔物に押し込まれていたのに対し、セトは第4部隊でかなり前に出ていたので、魔物たちの最後尾を捉える形で第2部隊の防衛場所に着いたのだ。
(もうこんなところまで……)
セトは予想以上に魔物が進行していることに焦りを感じる。
すぐさまセトは魔物の後ろから不意を突き、ものすごい勢いで魔物を倒していく。
突然後ろから襲われた魔物たちは混乱状態である。
そしてセトは一直線に第2部隊の本部を目指す。
しばらく魔物を倒しながら進んでいると、ちらほら最前線で戦っていた冒険者たちが見え始める。
(あんなにボロボロに! 早く助けないと!)
セトはそう思いながら急いで助けに向かう。
これだけ魔物に押し込まれながらも必死に戦っていた冒険者たちは心身共に疲労困憊の様子である。
セトは何組かの冒険者たちを助けることに成功するが、冒険者たちは今までずっと戦っていたのでもうすでに限界を超えている。
立っているのがやっとのようだ。
(早く本部のほうに向かいたいけど、この人たちを置いていくとまた魔物に囲まれてしまう……)
セトがそう思いながら悩んでいると、突然空から見覚えのある小鳥がたくさんセトのもとに飛んでくる。
そしてボロボロの冒険者たちの肩に小鳥がとまりさえずり始めると、冒険者たちがみるみる回復していく。
「おい、突然回復したぞ!? どういうことだ!?」
さっきまで立っているのがやっとだった冒険者たちも驚いている。
(これは……テルルの魔法だわ! テルル、タイミング完璧だよ!)
セトはそう思いながらテルルに感謝する。
そう、小鳥の正体はテルルの回復魔法である。
タカラの指示により、回復魔法を飛ばしていたのだ。
セトの言う通り、完璧なタイミングである。
そしてその時、第2部隊の本部付近から大きな雄たけびが聞こえてくる。
お気づきの通り、ネリ達である。
(きっとタカラが応援をよこしたんだ! 完全に私たちに追い風よ!)
セトはそう思うと、
「今流れは完全に私たちに来てるわよ! 私に続きなさい!」
セトはそう言うと、魔物に向かっていく。
「俺たちも行くぞ!」
セトの言葉に触発された冒険者たちも負けじとセトに続く。
ネリ達とセト達に挟み撃ちにされた魔物はどうすればよいかわからず完全に混乱状態に陥る。
そしてそこに追い打ちをかけるように左右に分かれた中・遠距離部隊が魔物に集中砲火をくらわせる。
こうしてネリ達『漆黒の暴君』やセト、テルルの回復魔法といった第4部隊の活躍により、第2部隊の緊急事態も完全に収束するのであった。
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初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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