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第81話 開戦の時

お世話になっております。ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。



「魔物が来たぞー!」


タカラが部隊長をしている第4部隊の見張り役も大きな声でそう叫ぶ。


「ついに来たか。みんな配置について!」


タカラの一言で、第4部隊所属の冒険者たちは慌ただしく動き始める。

先頭を陣取るのはガンテ達、重騎士(タンク)部隊である。

こちらに向かってくる魔物の勢いを食い止めるためだ。

みんな盾や武器を構えて魔物が来るのを待ち受けている。

その後ろには剣士や槍使いなどの近接戦闘が得意な近接部隊が集まっている。

そして、近接部隊の先頭にはセトやムサシ、コバルトの姿が見える。


「コバルト、無理に先頭に来なくてもいいんだよ?」


「……そうだぞ?」


セトとムサシが心配そうにそう言う。


「僕だって『太陽の幼樹』のメンバーなんですから、僕だけ後ろに行くなんてできませんよ!」


コバルトは前を見ながらそう言う。

それを聞いたセトとムサシがにっと笑う。


「よーし! じゃあ、『太陽の幼樹』の力、みんなに見せてあげよう!」


セトが元気よくそう言う。

そして、セトたち近接部隊の後ろには、魔導士や弓使いなどの中・遠距離が得意な魔法部隊が集まっている。

もう魔物の姿が見えているというのに、ブランはあくびをしながら、気の抜けた様子で待っている。

今はこんな感じだが、戦闘が始まればその力をいかんなく発揮してくれるだろう。

そして、魔法部隊から少し離れた後方には第4部隊本部、負傷者用のテント、そして多くの回復魔導士(ヒーラー)が待機している回復部隊がいる。


回復魔導士(ヒーラー)、準備万端です!」


テルルは気合の入った様子でそう言う。


「第4部隊、全員それぞれの配置についたようです」


ネリがタカラにそう伝える。

タカラはコクリとうなずく。

魔物の大群はどんどんこちらに近づいてきており、冒険者たちの緊張感も高まっていく。

冒険者たちが緊張した様子で魔物を待ち受けていると、


「なっ、なんだあれ!?」


そう言って冒険者たちが上空を見ながら騒ぎ始める。

上空には何やら球の形をした大きな炎の塊が2つうごめいている。

直径20メートルほどで、よく見るとバリバリと放電も見られる。

そして、その2つの炎の塊の下には、この魔法を発動させたであろう魔導士の姿が見られる。

もうおわかりであろう。

ブランである。

ブランはスキル:<並列魔法>により、風属性、炎属性、雷属性の3つの属性を組み合わせ、複合魔法を展開する。


「いくよー! “風炎雷撃破(トライ・インパクト)”!」


ブランはそう言って、こちらに向かってきていた魔物の大群に魔法を放つ。

2つの炎の塊は一直線に魔物へと向かっていき、2カ所で大爆発を発生させる。

魔法が直撃した魔物は跡形もなく焼き払われ、まわりにいた魔物はその衝撃で大きく吹き飛ばされる。

その威力は、魔物の大群の中に2つの大きな穴がぽっかりとできてしまうほどである。


「すっ……すげー」


あまりの威力に冒険者たちも唖然としている。


「魔物がひるんでるぞ! いけ!」


その様子を先頭で見ていたガンテが大きな声でそう叫ぶと、重騎士(タンク)部隊がそれに呼応するように魔物に向かって走って行く。

そして、セトたち近接部隊も大きな声をあげながら、重騎士(タンク)部隊についていく。


(ついに始まったか。みんな、頼んだよ!)


タカラはその様子を見ながら、心の中でそう思う。


最前線では勢いよく突っ込んできた魔物と先頭にいた重騎士(タンク)部隊が激しくぶつかり合う。


「くうぅ……!」


重騎士(タンク)部隊は苦しそうにしながらも、なんとか魔物の勢いを殺すことに成功する。

魔物は重騎士(タンク)部隊の盾に勢いよくぶつかり、一瞬ひるむ。


「今だ! いけ!」


珍しくムサシが大声でそう言いながら魔物に向かっていく。

ほぼ同時にセトも魔物に向かっていく。

そして、その様子を見ていた他の近接部隊もどんどん魔物に向かっていき、攻撃を加える。

魔導士や弓使いなどの中・遠距離部隊も仲間に攻撃しないように気をつけながら援護する。

そんな中、やはり圧倒的な存在感を放っていたのはセトとムサシの2人である。

ほぼ一撃で魔物を倒していき、死体の山を築いていく。


「あの二人やばいな! どうやったらあんなに倒せるんだ!?」


「さすが最近話題の『太陽の幼樹』だ! 頼りになるぜ!」


「負けてられねえ! 俺たちも続くぞ!」


「おう!」


セトとムサシの奮闘ぶりを見て、他の冒険者たちも触発されたようだ。

一昨日タカラに言われた通り、セトとムサシが第4部隊を引っ張っている。

コバルトもそれに負けまいと奮闘しているようだ。

こうして第4部隊は『太陽の幼樹』のメンバーを中心にして戦闘を有利に進めていく。



一方こちらは広域中核都市「ベーサイド」南門。

『虹音の協奏曲』のギルドマスターが部隊長を務める第1部隊の防衛場所である。

第一部隊も破竹の勢いで魔物を倒していた。

さすがはこの都市一番のギルド『虹音の協奏曲』である。

戦闘員から回復魔導士(ヒーラー)に至るまで、安定感が抜群である。

第1部隊本部と戦闘部隊、回復部隊との連携も見事なものである。

このような事態にも慣れているのだろう。

そんな中、ひときわ存在感を示していたのはやはりタクトである。

冒険者ランキング20位であり、『虹音の協奏曲』のエース的存在の実力は相当なもののようだ。


「“魅惑の(かなで)”」


タクトは魔物の攻撃をかいくぐりながらそう魔法を唱えると、まわりにいた魔物の動きが著しく鈍る。

どうやら聴覚特化の幻覚魔法のようである。


美しき終焉(ザ・フィナーレ)!」


そう言ってタクトは、美しい剣舞で動きの鈍った魔物たちを一網打尽にする。

魔法と剣の美しき融合。

これぞ魔導剣士の完成形だと言わんばかりの美しさである。


(かなりの数の魔物を倒したが、まだまだいるな。いったいどうなっているんだ……)


タクトはそう思いながら次の魔物へと向かっていく。

だが、その動きは軽やかで、息一つ乱れていない。

タクトはまだまだ余裕な様子である。


読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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