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第76話 人生の転機

お世話になっております。ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。


(今日の小説の前半はネリ視点となっています)


俺は気づくとギルドの一室で寝ていた。

道端で倒れていた俺をギルドのメンバーが見つけてここまで運んでくれたらしい。

昨日、『太陽の幼樹』とギルド対抗戦をして大敗し、その恨みを晴らすため、『太陽の幼樹』のギルドマスターを殺しに行ったところまでは覚えている。

人気のない場所で『太陽の幼樹』のギルドマスターと対峙したことも覚えている。

しかし、その先のことはほとんど覚えていない。

気がついたらここにいたというわけだ。

しかし、全く覚えていないというわけではない。

『太陽の幼樹』に手を出すな、周りの人に迷惑をかけるな。

この2つだけは鮮明に覚えている。

その他の記憶は恐怖で埋め尽くされていた。

思い出そうとすると、寒気と震えが止まらなくなり、脳が思い出すことを拒否する。

思い出せるのは一つだけ、恐怖のみだ。


俺はどうやら大きな過ちを犯したらしい。

あいつには……いや、あのお方には敵対するべきではなかったのだ。

そうすればこんなことにはならなかった。

俺は今まで冒険者として何度も修羅場をくぐりぬけてきた。

死ぬような思いもしてきた。

それなりに努力や経験を積み重ね、スキルを使いこなし、ここまで上り詰めてきた。

4大ギルドのギルドマスターにだってふさわしい男だと思っている。

しかし、いまだかつてあんなに恐怖を感じたことはない。

あんなに俺のスキルが警鐘を鳴らしたこともない。

俺が何をされたのかって?

特に何をされたわけでもない。

ただにらまれただけだ。ごみを見るような冷たい目で。

そこから先の記憶はない。

この話を聞いただけではほとんどの人が信じてくれないだろう。

4大ギルドのギルドマスターがにらまれただけで戦意喪失。

しかし、本当のことなのだ。

……まぁいい、別に信じてほしいわけではない。

ただ、俺は二度とあのお方には逆らわない。

『太陽の幼樹』には手を出さない。

今までのような悪さもしない。

みんなが聞けば驚くだろうな。

どうしちまったんだ? 怖気づいたのか?

もしかしたらこんなことを言ってくるやつもいるかもしれない。

だが、誰に何を言われようが俺の考えが揺らぐことはない。

俺は命が惜しいのだ。

まだまだ長生きしたい。死にたくない。

あんな恐怖を感じるのは二度とごめんだ。

今日を人生の転機にしよう。

心を入れ替えて今後の人生を生きよう。

出来ることならあのお方の役に立てるような場所で……。



『漆黒の暴君』のギルドには多くのギルドメンバーが集まってきている。

『漆黒の暴君』のギルドマスターであるネリからメンバー全員に対して招集がかかったのだ。


「おい、今日は何で呼び出されたんだ?」


「いや、わからねえ。誰も何も聞かされてないらしい」


そんなことを言いながらネリが現れるのを待つ。

全員が集まると、ネリがみんなの前に姿を現す。


「みんな、突然集まってもらって申し訳ない。そして、昨日のギルド対抗戦、お疲れ様だったな」


ネリはまず初めに、みんなにねぎらいの言葉をかける。

すると、ギルドメンバーがざわつく。

今までネリがねぎらいの言葉をかけてくれたことなど一度もなく、いつもと違う様子のネリに困惑しているのだ。


「おいおい、ネリ? いったいどうしちまったんだ? お前らしくないぞ?」


ネリの横に立っていたリスティヒがそう言う。


「ああ、俺は心を入れ替えたんだ。今までの俺とは違う」


ネリはきっぱりとそう言う。


「みんなも聞いてくれ。昨日のギルド対抗戦では『太陽の幼樹』に敗北したわけだが、そのことについては俺はもう何とも思ってない。ただ『太陽の幼樹』のほうが俺たちよりも強かった、それだけだ。だから、今後『太陽の幼樹』にやり返す必要はない。『太陽の幼樹』に手を出すことは固く禁ずる」


ネリは迷うことなくみんなの前でそう言う。

ギルドメンバーは本当にそれでいいのかと疑問に思いながらもネリの言葉に耳を傾けている。


「それから、今までみたいに人に暴力を振ったり、他のギルドや町の人にちょっかいをかけるのもなしだ。もちろん、人を殺すのはもってのほかだ。これが守れないやつはギルドを出て行ってもらって構わない。ただし、その場合はこの俺を黙らせてから出て行け」


ギルドマスターからの突然の話に戸惑いを見せている人がほとんどであるが、だれも文句を言うやつはいない。

文句があったとしても誰もネリを黙らせるほどの実力を持っている人はいない。

それに、『漆黒の暴君』を出て行ったとしても、元『漆黒の暴君』のメンバーを受け入れてくれるギルドは数少ないであろう。

そのこともあって、だれもギルドを出て行こうとはしない。


「誰も出て行くやつはいないか。突然のことで戸惑っているやつが多いかと思うが、みんなの生活に支障が出るようなことはないと俺が保証する。だから今まで通り俺について来てくれ」


ネリはそう言うと、部屋に戻る。

ネリの後ろをリスティヒが慌てて追いかけてくる。


「おい、ネリ、どういうことだよ? 本当にお前どうしちまったんだよ!?」


リスティヒは後ろからネリを引きとめながらそう尋ねる。


「昨日、『太陽の幼樹』のギルドマスターに言われたんだ。命が惜しければそうしろとな。俺は命を失うのも、もう一度あの恐怖を体験するのも二度とごめんだ。俺があの方に逆らうことは二度とない。二度とな」


ネリはリスティヒにそう言い放つ。


「そっ、そうか。まぁ、お前がそこまで言うんなら俺はいいんだけどよ。それにしてもタカラって言ったっけか? あいつがそんなにやばい奴だなんて知らなかったぜ」


「やばいなんてもんじゃない。俺たちがどうあがいてもあの方には届かないんだって思い知らされたよ。俺たちは井の中の蛙だったんだ。お前もせいぜい気をつけろよ? むこうがその気になればいつでも殺されるぞ」


ネリにそう言われ、リスティヒはごくりと生唾を飲む。

この日を境に、広域中核都市「ベーサイド」では『漆黒の暴君』のメンバーによる迷惑行為の数々がピタリとなくなるのであった。


読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 何気ない回でしたが良いお話でした!今後太陽の幼樹の危機に誰よりも早く駆けつけてくれることを期待しています!
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