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第73話 残虐極まりない男

お世話になっております。ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。



「まさか俺たちが負けるとはな……」


『漆黒の暴君』のギルドマスターであるネリは静かにそう言う。

『漆黒の暴君』の敗北が決定し、ネリは激怒するかと思いきや、意外と冷静を保っている。


「俺たちの負けは決定したが、このまま終わっていいのか? なあ、リスティヒ?」


ネリはそう言いながら一人の男にそう問いかける。

リスティヒとは『漆黒の暴君』のナンバー2的な存在であり、噂ではネリよりも残虐的な男だとされている。

縮れ毛のロン毛であり、目には生気が感じられない。


「いや、だめですね。『太陽の幼樹』には、多くの観客の前で『漆黒の暴君』に恥をかかせた責任を取ってもらわないと」


「そうだよな。そうと決まれはやることは一つだ。殺せ」


ネリは顔色一つ変えずにそう言う。


「ああ、わかってる。俺の得意分野だ」


リスティヒはそう言いながら気味の悪い笑みを浮かべる。

そしてリスティヒは、その気味の悪い笑みを保ったまま闘技場の中央へと出て行く。


「うわ、リスティヒだ……」


「とんでもない奴が出てきやがった」


「おい、だれもあいつを刺激するなよ? 目をつけられたら殺されるぞ」


観客席からはひそひそとそのような声が聞こえてくる。

どうやらリスティヒがやばい人物ということは周知の事実であるらしい。

リスティヒの登場を歓迎する人は誰一人いないが、それを口に出すものはいない。

目をつけられると殺されてしまうからだ。

闘技場には妙な静けさが訪れる。


「なんであんな奴がほっとかれているの? 冒険者協会もさっさと捕まえてしまえばいいのに」


セトがリスティヒを見ながらそう言う。


「確かにそうだね。でも、実際のところリスティヒが人を殺しているところを見た人はいないし、証拠もないらしいんだ……」


「どういうこと? じゃあ、本当は人を殺したことはなくて噂だけが独り歩きしているってこと?」


「いや、それはどうかな……」


セトの問いにタカラはそのように答える。

というのも、タカラはすでにリスティヒのステータスを確認し終えていた。


ステータス

体力:A

魔力:C

パワー:D

スピード:B

知力:A

器用さ:B


スキル:<透明化(クラルテ)


「どうもスキル:<透明化(クラルテ)>というのが怪しいね。このスキルがあれば誰にも見られずに人を殺すことは容易いはずだし」


タカラはそう告げる。


「そんな……じゃあ、ムサシが危ないんじゃ……!」


「……」


セトは急に不安そうにそう言うが、ムサシはもうすでに闘技場の中央でリスティヒと対峙している。

セトの言葉にタカラは無言である。


「それでは、試合始め!」


審判の合図で試合が開始される。


「今まで散々『漆黒の暴君』に恥かかせてくれちゃってよ~、この代償は高くつくぜ~」


リスティヒはそう言いながら相変わらず気味の悪い笑みを浮かべている。

対するムサシは表情一つ崩すことなく刀を構えている。

リスティヒも短剣を構えると、突然スゥーっと姿を消す。


「リスティヒの姿が消えたぞ!?」


「これもスキルなのか!?」


突然リスティヒの姿が消えたことに、観客席からは驚きの声が上がる。

今までリスティヒは手の内を明かすことを避けるため、ギルド対抗戦に出たことはほとんどない。

なので、リスティヒのスキルを知っている人はほとんどいないだろう。

しかし、今回手の内を明かすリスクを冒してまでギルド対抗戦に出てきたということはそれだけ本気で『太陽の幼樹』をつぶしに来ているということであろう。

ムサシは目をつむり、集中力を高める。


(……集中しろ。たとえ姿が見えなくても、相手の呼吸、足音、気配を感じるんだ)


ムサシはそう思いながら集中力を高めていく。

一方リスティヒは姿を消して、ゆっくりとムサシのほうに近寄っていく。


(どうあがこうが、お前はもう終わりなんだよ! 心配するな、すぐに殺してやる!)


リスティヒは心の中の興奮を抑えながらムサシに近づいていく。

そして、ムサシの後ろに回り込み、短剣で心臓を突き刺そうとする。


(死ね!)


リスティヒがムサシを突き刺そうとしたその時、ムサシがくるりと後ろを振り向きながら刀でリスティヒの短剣を弾き飛ばす。


「は?」


リスティヒは驚きのあまりそのような声を漏らす。

いったい何が起きたのか、なぜ自分の攻撃が防がれたのかが全く理解できていないようである。

リスティヒは姿を消すことも忘れてしまい、その場に呆然と立ち尽くしてしまう。

ムサシは立ち尽くしているリスティヒの首元に刀を当てる。


「……何をそんなに驚いているんだ? おまえの殺気がだだ()れで居場所を突き止めるのは簡単だったぞ? それに、自分のスキルを過信しすぎて修行なんかろくにしてなかったんだろ? その他もお粗末すぎだ」


ムサシは珍しく流暢(りゅうちょう)に話しながらそう言う。


「……お前がまだやるつもりなら全然付き合うぞ? ただ何回やっても結果は変わらないと思うけど」


ムサシはそう言いながら刀を鞘にしまう。

リスティヒはその場に座り込んでしまう。


「それまで! 『漆黒の暴君』側の戦意喪失とみなし、勝者、『太陽の幼樹』ムサシ!」


一部始終を見守っていた審判がそう宣言する。

すると、観客席からは割れんばかりの拍手がムサシへと送られる。

まさかの結末に思わず拍手をしてしまっているという感じである。

ムサシは何事もなかったかのようにみんなの元へと戻る。


「おつかれ、ムサシ! さすがだね!」


「……当たり前だ」


セトとムサシはそう言いながらハイタッチをする。


(結局ムサシの圧勝か……ムサシはこの短期間でさらなる高みへと上り詰めたね。本当にみんなの成長速度には驚かされるよ)


タカラはムサシを見ながらそう思う。


一方、『漆黒の暴君』サイドはというと、リスティヒが全く歯が立たず大敗するという光景を目の当たりにし、沈黙が続いていた。


(どういうことだ? 確かに修行を怠っていた部分はあるが、だとしてもリスティヒは『漆黒の暴君』のナンバー2だぞ? それをあんなにあっさりと……もしかしたら俺は『太陽の幼樹』のことを大きく見誤っていたのか?)


『漆黒の暴君』のギルドマスターであるネリはひどく困惑した様子でそう思う。

まさかリスティヒが負けるとは、それもあのような形で瞬殺されるとは思いもしなかったようである。

しかし、リスティヒが大敗をきっしたことでようやく自身の過ちに気づく。

今までは冷静を装っていたネリであるが、さすがのネリにも焦りの表情が見られる。


読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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そして、コメントや感想などもお待ちしています!

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