第69話 我慢の限界
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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(おかしい……あれから2週間もたつのになぜまだ何も連絡がないんだ?)
『漆黒の暴君』のギルドマスターであるネリは違和感を感じる。
コバルトと『漆黒の暴君』がもめた日からすでに2週間が経過しているが、部下たちからはいまだに何の連絡もない。
(今まで2週間も連絡がなかったことはなかった……何か予測していなかった事態でも起きているのか?)
今までこんなことはなかったのでさすがにおかしいと思っているようだ。
「おい! 誰かいるか!?」
ネリは大声で近くにいる者を呼ぶ。
「は、はい! なんでしょう?」
「なんでしょうじゃねーだろ。『太陽の幼樹』のことはどうなってんだ? 俺が命令してからそれっきり連絡一つもねーじゃねーか! どうなってんだ?」
ネリは少しいらつきながらもそう尋ねる。
「そ、それが……最初のほうは『太陽の幼樹』のやつらの動向をしっかりと追えていたのですが、ある日を境に全く動向がつかめなくなりまして……今では姿を見つけることさえも困難な状況です。まるでこっちの動きを完全に把握しているかのように……」
「はぁ? そんなわけねーだろ! 『漆黒の暴君』ともあろう者が情けねえ! お前らの頑張りが足りねえんじゃねーのか!? それに『太陽の幼樹』は少人数のギルドだ。こっちの動向をすべて把握するには人が足りねえはずだ。こっちの動向がつかめるわけがねえ」
ネリはそんなことがあるはずがないといった様子である。
「それと、もう一つあるのですが……」
「なんだ? 言ってみろ」
「実は運よく『太陽の幼樹』のメンバーを見つけて人気の少ないとこまで誘導できたことがあったのですが、角を曲がったところで突然姿を消したんです。気配も完全に消えていました……」
「そんなことあるわけねーだろ! 言い訳するのもたいがいにしろ! さっさと見つけて適当に痛めつけて戦力を減らしてこい!」
「ひっ、ひぃ! 申し訳ありません! 急いで行ってきます!」
そう言うとネリから逃げるようにギルドを出て行く。
(くそっ! 何がどうなっているんだ!?)
今まで経験したことのない状況にネリも困惑しているようだ。
しかし、そんなネリをあざ笑うかのように、『太陽の幼樹』が『漆黒の暴君』の目の前に姿を現すことはなく、結局ネリの耳に『太陽の幼樹』の情報が入ることはなかった。
♢
「くそっ! もう我慢ならねー! ここまでコケにされたのは初めてだ!」
自分の思い通りにならず我慢の限界を迎えたのか、ネリはひどく憤慨している。
あれからさらに日数がたったが、『太陽の幼樹』の足取りはつかめず、それどころか『漆黒の暴君』には『太陽の幼樹』の情報集めや奇襲することに関して諦めの雰囲気が漂っていた。
「あいつらを見つけられないなら確実に俺たちの目の前に出てくる方法でぶちのめせばいいだけだ! お前ら、ギルド対抗戦の準備をしろ! 俺たちは4大ギルドの一角の『漆黒の暴君』だ! 何も恐れるものなんかねー!」
冷静で狡猾さが売りのネリであるが、今回ばかりは怒りで冷静さを欠いているようである。
こうして『漆黒の暴君』は『太陽の幼樹』の戦力を何一つ削れないまま『太陽の幼樹』とのギルド対抗戦を行うことを決意してしまうのである。
♢
「タカラ様、先ほど冒険者協会から連絡がありまして、『漆黒の暴君』から『太陽の幼樹』へギルド対抗戦の申請があったとのことです」
食卓でコーヒーを飲んでいたタカラに、レフィーナがそう報告する。
『漆黒の暴君』が『太陽の幼樹』にギルド対抗戦の申請を出しに来たらすぐ連絡を入れてもらうよう、冒険者協会「ベーサイド」支部支部長のランドルに頼んでいたのだ。
「ついに来た! よし、思った通りだ」
どうやらタカラは『漆黒の暴君』がしびれを切らしてギルド対抗戦を申し込んでくることを予想していたようだ。
つまり、すべてタカラの思い通りということである。
「ギルド対抗戦なら間に冒険者協会が入るし、『漆黒の暴君』も変なことはできないはずだ。そうなってしまえばこっちのものだよ」
タカラはそう言うと『漆黒の暴君』からのギルド対抗戦の申請を受けるため、準備をして冒険者協会へと向かう。
こうしてついに『太陽の幼樹』と『漆黒の暴君』のギルド対抗戦が行われることとなったのである。
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