第68話 幻獣種
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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テルルはアイネを連れて『太陽の幼樹』のギルドへと戻る。
テルルがすぐにタカラを探そうとすると、偶然玄関でタカラと鉢合わせる。
「タカラ!」
「ああ、おかえり、テルル。ちょうどテルルのこと探していたんだよ……その子は?」
タカラはテルルが連れている女の子に気づき、テルルに尋ねる。
「実はいろいろあって……この子強くなりたいらしいんですけど、『太陽の幼樹』で面倒を見てはだめですか?」
テルルがタカラの表情をうかがいながらそう尋ねる。
「面倒を見るといっても、急な話だしこの子がどんな子かまだ分かってないし……」
突然の話にタカラが困惑していると、
「はじめまして。アイネといいます。私がいじめられていたところをテルルさんが助けてくれたんです……私、強くなりたいんです。お願いです。ギルドに入れてくれませんか?」
アイネは自己紹介をし、タカラにそう頼む。
「そう言われてもなぁ……ん? その魔物は……」
タカラはアイネの横にいた白い毛並みの虎のような魔物に気づき、じっと見つめる。
「この子はタイガといいます。私が物心ついた時からずっと一緒にいる私の家族です」
アイネはタイガを持ち上げ、タカラの目の前に持ってきてそう言う。
(まっ、まだ小さいけどこの白い毛並みにこの容姿……間違いない。幻獣種の一種である白虎じゃないか! まだ子供だから可愛げがあるけど、成体はS級相当の魔物だぞ!? 大丈夫なのか!?)
アイネが連れている魔物のまさかの正体にタカラは腰を抜かしそうになる。
(しかし、白虎は強さはもちろんのこと、その見つけにくさもあってS級相当の魔物に認定されている。人前に現れることなんかめったにない。それなのに、この子にはこんなになついているなんて……)
タカラはいまだに目の前に白虎がいることを信じられないでいる。
タカラはもう一度アイネに目をやり、ステータスを確認する。
ステータス
体力:C
魔力:D
パワー:E
スピード:B
知力:A
器用さ:C
スキル:<魔物と通ずる者>
(ステータスで高いといえば知力:Aくらいか。他は普通だね。それよりもスキルのほうだ。スキル:<魔物と通ずる者>……これのおかげで白虎もこの子になついているのか? いや、スキルがあったとしても白虎が人間になつくものなのか?)
タカラはアイネのステータスを確認してもなお、白虎が人間になついていることに納得がいかないらしい。
(まあ、物心ついたときから一緒にいるといっていたし、スキル以上のつながりがこの2人の間にあるのだろうね……そう思うことにしとこう。何より、白虎は心のきれいな人の前にしか姿を現さないとも言われているし、悪い子ではなさそうだ)
タカラはそう思う。
「スキル:<魔物と通ずる者>ってあるけど、アイネはもしかして白虎……タイガと意思疎通ができるの?」
「はい、出来ます」
タカラの問いにアイネは当たり前だというように答える。
(意思疎通ができるなら思っているほど危険な存在でもないか)
タカラはそう思いながら少し安心する。
「タカラさん、私からもどうかお願いします」
テルルもそう言いながら頭を下げる。
「うん、わかった。『太陽の幼樹』はアイネとタイガのことを歓迎するよ!」
「本当ですか!? やった! やったね、タイガ!」
アイネはそう言うと嬉しそうにタイガを抱きしめる。
タイガもなんだか嬉しそうだ。
こうして『太陽の幼樹』には新たに1人と1匹が仲間になったのである。
「ところでタカラ、私のこと探してたってどういうことですか?」
「そうだった! 白虎に気を取られて忘れていたよ! 『漆黒の暴君』のことについてみんなで話し合おうと思っているんだ。みんなもう食卓に集まっているからテルルもアイネを連れて食卓に向かってくれる?」
「わかりました。アイネ、一緒に行こうね」
テルルはアイネを連れて食卓へと向かう。
食卓へ向かうとテルル以外のメンバーがすでに席に座っていた。
テルル以外のメンバーはテルルが連れて来たアイネとタイガにくぎ付けになっている。
そして、すぐにタカラがやって来て話し始める。
「やっとみんな集まったね。今日こうして集まってもらったのは『漆黒の暴君』についてだ……っとその前に新しい仲間が入ったんだ。アイネとタイガだ」
タカラがそう言うと、アイネがタイガを抱っこして起立する。
「アイネといいます。この子はタイガです。よろしくお願いします」
アイネはそう言うと一礼して席に座る。
「かわいいー!」
「後で触ってもいい?」
セトやマキの女性陣はタイガに一目ぼれのようだ。
しかし反対に、レフィーナやコバルトはタイガを見て目を見開いている。
目の前に幻獣種の白虎がいるというありえない光景にひどく驚いているのであろう。
もちろん、二人とも実物を見たことはないので、本当に白虎なのかまだ半信半疑の状態である。
なので、この後さらに驚くこととなる。
そんなみんなにかまうことなく、タカラは話を進める。
「みんなも知っている通り、今僕たちは『漆黒の暴君』ともめている。おそらくギルド対抗戦をすることになるだろう。ギルド対抗戦をすること自体は別に大したことではないんだけど、問題はそれまでに『漆黒の暴君』がこちらに対して何か仕掛けてくるかもしれないということだ。パルルとポルルがつかんだ情報では、向こうのギルドマスターは殺す以外なら何でもしていいと言っているらしい」
タカラがそう言うと、みんなは少しざわつく。
「そこで、今後は1人では出歩かないようにしてほしい。必ず誰かと行動を共にすること」
タカラは真剣な表情でそう告げる。
「そして、もし襲われた場合は戦わずに逃げること。こっちとしては騒ぎを起こすのは望んでないし、やりかえしたらあいつらと同じレベルになってしまうからね。ただ、命の危険を感じたら迷わず応戦していい。まぁでも、みんななら問題なく逃げれると思う」
タカラはそう言いながら皆を安心させるためにニコッと笑う。
「パルルとポルルには引き続き情報収集をしてもらいたいんだけど、『漆黒の暴君』とのギルド対抗戦が終わるまでは『漆黒の暴君』の動向に集中して情報収集をしてほしい。そして、可能であればそれをみんなに伝えるんだ。他のことは一切しなくていいからね」
「「うん、任せて!」」
パルルとポルルは元気よく返事をする。
「『漆黒の暴君』以外のことに関する情報は僕とレフィーナで集めるからみんなそのつもりで」
「はい!」
「おう!」
「わかった!」
みんなは各々返事をする。
みんなが返事をしたのを確認すると、タカラは魔法を唱える。
「“透明の隠れ蓑”、“気配消失”」
しかし、みんなの外見上は特に変わった様子はない。
「これは支援魔法の一つで、逃げることや隠密行動に特化した魔法だ。心の中で念じれば自然と発動するようになってるよ」
タカラはそう説明する。
「よし、準備は万端だね……なに、みんな心配することはないよ。ギルド対抗戦までの辛抱だ。ギルド対抗戦で『漆黒の暴君』をコテンパンにして、僕たちに手を出したことを後悔させてやろう!」
タカラは笑顔を見せながらそう言う。
タカラの言葉に応じるように、他のメンバーもニヤッと笑いながらうなづく。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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