第64話 厄介者の集団
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
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コバルトはギルドに戻るとすぐにタカラのもとに向かう。
「タカラさん!」
「コバルト、そんなに慌ててどうしたんだい?」
息を切らしているコバルトを見てタカラは不思議そうに尋ねる。
「……タカラさん、すみません。『漆黒の暴君』ともめてしまいました……」
コバルトは申し訳なさそうにそう言う。
「どういうことかな? 詳しく聞かせてくれるかい?」
タカラがそう言うと、コバルトは先ほどの出来事の一部始終をタカラに話す。
「そうか、そんなことが……」
タカラは深刻そうにそう言う。
「タカラさん、本当にすみません。タカラさんから『漆黒の暴君』には気をつけるよう忠告を受けていたのに……」
「コバルトは悪くないよ。自分が正しいと思ったことを貫いたんでしょ? むしろよくやったよ。誰にでもできることじゃない」
タカラは笑顔でそう言う。
「それにしても、『漆黒の暴君』はうわさに聞いていた通りだね。でもこうなってしまった以上『漆黒の暴君』との衝突は避けられそうにないか……」
タカラがそう言うと、コバルトは不安そうな顔をする。
そんなコバルトの表情を見たタカラがすかさず声をかける。
「大丈夫、心配することはないよ。コバルトには僕たちがついてる。本当に敵に回してはいけないのは『太陽の幼樹』だということを思い知らせてやろう」
タカラはそう言うとニコッとコバルトに笑いかける。
タカラの言葉と表情にコバルトは安心した様子を見せる。
「タカラさん、ありがとうございます! ちょっと安心しました。これからブランと約束してるんで行ってきます!」
コバルトはそう言って走って行く。
一人残されたタカラは1人で考え込む。
(せっかくランドルさんに忠告してもらったのに申し訳ないね……でもコバルトがやったことは人として素晴らしい行動だ。コバルトは全く悪くない。『漆黒の暴君』だか何だか知らないけど、僕たちを敵に回したことを後悔させてやる)
タカラはそう思いながら不敵な笑みを浮かべる。
一方その頃、『漆黒の暴君』でも、先ほどのコバルトとのもめごとに関して、3人の男がギルドマスターに報告していた。
「頭ー! 聞いてください! さっき俺たちともめごとになって『漆黒の暴君』にたてつくやつがいたんです! ぶっ潰してやりましょう!」
「なんだよ、騒がしいなぁ。そんな奴らその場でお前らでやっちまえばよかったじゃねーか」
頭と呼ばれている『漆黒の暴君』のギルドマスターのネリがだるそうにそう言う。
「それが、向こうも冒険者だったんですよ。周りにも大勢の人がいたし、万が一冒険者協会にばれたらめんどくさいんで、その場では手が出せなかったです」
3人のうちの1人がそう言った瞬間、ネリの表情が一変する。
「へぇ、それでお前ら『漆黒の暴君』にたてついてきたやつに何もせずに帰ってきたのか?」
「そっ、それは……」
ネリにそう言われ、3人の男は顔を青ざめさせる。
「俺はいつも言ってるよな? なめられたまま帰ってくるなって。お前ら忘れたのか?」
「もっ、申し訳ありません! 許してください!」
3人の男たちはそう言いながらひどくおびえている。
「まあ、いい。今日はすこぶる機嫌がいいから特別に許してやるよ。ただし次はねーぞ?」
「はい! ありがとうございます!」
3人の男はそう言いながら何度も頭を下げる。
「それで、『漆黒の暴君』にたてついた奴はどこのどいつなんだ?」
「はい、おそらく『太陽の幼樹』というギルドの者です。闘技場でギルド対抗戦を行っているのを何度か見たことがあります」
3人のうちの1人がそう言う。
「へぇ、今話題の『太陽の幼樹』か。ちょうどいい。あいつら最近調子に乗ってるから気に食わなかったんだ。お前らよくやったじゃねーか」
先ほどの怒っていた態度がうそのようにネリは3人をほめる。
「ただ、相手のことを何も知らずに仕掛けるのはバカのすることだ。『中堅ギルド同盟』を倒すくらいの実力はあるらしいしな。『太陽の幼樹』メンバー全員に見張りをつけて行動を監視させろ。まずは向こうの情報を集めるんだ」
ネリはそう言う。そして続けて、
「ある程度情報が集まったらこっちから仕掛けていく。行動パターンを分析して、人気のないところで一人ずつ襲え。殺しさえしなければ何をしてもいい。ただしばれないようにやれよ? 『太陽の幼樹』の戦力を削るんだ。そして、弱ったところをギルド対抗戦で叩く」
リスティヒはそう言いながら不敵な笑みを浮かべる。
こう見えて情報の重要性を理解しており、頭の回転が速く、狡猾で、そして何より勝つためなら手段を択ばない。
それが『漆黒の暴君』のギルドマスター、ネリという男である。
『太陽の幼樹』は本当に厄介な相手に目をつけられてしまったのである。
しかし、タカラも情報収集の重要性は十分理解している。
むしろ、情報収集という面では『太陽の幼樹』のほうが優れているだろう。
その日の夜、いつものようにタカラが食堂で食事をとっていると、パルルとポルルがタカラのもとへ元気に走ってくる。
「タカラー、聞いて聞いてー!」
「どうしたの? また面白い話でもあった?」
「うん! なんかね、『漆黒の暴君』っていう人たちが何か悪いこと考えてたよ! 『太陽の幼樹』のメンバーに監視をつけて、情報が集まったら人気のないところで襲えって! 殺す以外なら何でもしていいって!」
パルルがそう言うと、タカラは深刻な表情をする。
(やはり『漆黒の暴君』は危険だね。命までは取られないにしても、何をされるかわからない。みんなの身に危険が及ぶことには変わりない。すぐにみんなを集めて対策を考えよう)
タカラはパルルから話を聞いてすぐにそう決断する。
「パルル、ポルル、ありがとう。また2人に救われたよ」
タカラはパルルとポルルに微笑みながらそう言う。
「でも、あんまり危険なことはしちゃだめだよ? 危ないと思ったらすぐに逃げるんだ。絶対に無理をしたらだめだよ? 僕と約束してくれる?」
タカラはパルルとポルルを抱きしめながら、心配そうにそう言う。
「「うん、わかった!」」
パルルとポルルは口をそろえてそう言う。
タカラの心配とは裏腹に、パルルとポルルはタカラに抱きしめられて嬉しそうである。
またしてもパルルとポルルの活躍により『漆黒の暴君』の会話がタカラ達に筒抜けになるのであった。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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