第63話 コバルトの一日
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
今日は久々の休日である。
今までずっとギルド対抗戦の毎日だったので、みんな体を休めるようにとタカラが休日をくれたのである。
せっかくの休日にもかかわらず、コバルトはいつも通り朝早くに起きて食卓に行く。
「コバルト様、おはようございます」
「レフィーナさん、おはようございます」
コバルトはレフィーナに挨拶をして席に座る。
コバルトが席に座ると、いつものようにレフィーナが手際よく朝食の準備をする。
コバルトが朝食を食べていると、ムサシが食卓へとやってくる。
「……おはよう」
「おはよう、ムサシ。今日はどうするの?」
「……とりあえず座禅組んで、刀振りに行こうかな……コバルトも来る?」
「うん、じゃあ僕も行こうかな」
「……わかった。座禅終わったらまた声かける」
ムサシはそう言うと、朝食を食べずに行ってしまう。
最近はギルド対抗戦が終わった後もムサシやセトと剣の練習をしていたので、ムサシは今日も声をかけてくれたのであろう。
(休日なのに今日も修行をするのか。ムサシはすごいな。僕も頑張らないと)
コバルトはそう思いながら食べるペースを上げる。
すると、次にブランが食卓へやってくる。
「おはよー! レフィーナ、ご飯!」
ブランは食卓に入ってくるなり、大きな声でそう言う。
レフィーナはすかさず朝食をブランのもとに持ってくる。
そして、ブランは勢いよく食べ始める。
「おはよう、ブラン。今日はどうするの?」
「今日は魔法の研究をするんだ! コバルトも一緒にする?」
「うん、ムサシとの剣の修行が終わったら行くよ」
「わかった! 待ってるね!」
そう言うとブランはまた勢いよくご飯を食べ始める。
コバルトは剣の修行だけでなく、タカラ、ブラン、セト、テルルと魔法の修行も続けている。
『疾風の黒豹』に所属していた時は支援魔導士だったので、支援魔法しか使っていなかったが、今は攻撃魔法も練習している。
さすがはスキル:<オールラウンダー>持ちである。
(ブランも休日なのに魔法の研究をするのか。どうりで『太陽の幼樹』は強いわけだよ)
コバルトはそう思いながら感心する。
(ムサシはまだ来なさそうだし、先に剣でも振っておこうかな)
朝食を食べ終えたコバルトは剣を振るために外に出る。
外に出ると、セトが先に修行をしていた。
(セトもこんなに朝早くから修行してたんだ……)
コバルトはそう思いながらセトの華麗な剣技にしばらく見とれる。
すると、セトがコバルトに気づき声をかける。
「あっ、コバルトも来てたんだね! コバルトも修行?」
「うっ、うん。そうだよ」
コバルトはそう言いながらセトと一緒に剣を振る。
しばらくするとムサシもやって来て3人で剣を振ったり、模擬戦をしたりして過ごす。
「それにしても、コバルトはこの短期間で本当に強くなったよね!」
「……そうだな。ギルド対抗戦でも全勝だし」
「そんなことないよ。2人に比べたらまだまだだよ」
コバルトは2人に褒められて恥ずかしそうにしながらそう言う。
コバルトは謙遜しているが、ギルド対抗戦で毎日のように実践を積み重ね、自分よりも格上のセトやムサシと毎日のように修行をしているおかげで、格段にレベルアップしていた。
すでにB級冒険者ほどの実力は余裕であるだろう。
クエストによってはA級相当のクエストも達成できるのではないだろうか。
「この後はどうするの?」
セトが2人にそう尋ねる。
「……俺は刀の手入れかな」
「僕はブランと魔法の研究をする約束をしてるんだ……まあ、ブランがやっていることにはついていけないだろうから自分の魔法の修行をすることになりそうだけど」
「そっか。コバルト、がんばってね!」
「う、うん。ありがとう」
コバルトは顔を赤くさせながらそう言う。
そんなコバルトを見てムサシはにやにや笑っている。
コバルトは昼食を食べて、ブランが魔法の研究をしている草原へと向かう。
ブランがいる草原に行くためには都市の外に出なければならない。
ここからかなり離れているので、コバルトは走ってブランのもとに向かう。
コバルトがブランのもとに向かっていると、突然大きな怒鳴り声が聞こえてくる。
コバルトが怒鳴り声のほうに向かうと、3人の男と1人の女性が何やら言い争いになっている。
男のほうは3人とも剣や防具を身に着けており、冒険者と予測できる。
女性のほうは飲食店の従業員のようだ。
「おい! これはどういうことだ! 食べ物の中に虫が入ってるじゃねーか! どうしてくれるんだ!」
「いっ、いえそんなはずはありません! それに私はあなたが自分で入れているところをはっきりと見ました!」
「なんだと!? ちゃんと証拠があって言ってるんだろうなぁ!? 証拠もないのにそんなこと言ってたらただじゃおかねーぞ!?」
「証拠はないですけど……私ははっきりと見ました!」
「ほらみろ、証拠なんてないんだろ? お前は証拠もないのに俺たちを疑ったんだ。当然罪を償ってくれるよなあ!?」
一人の男がそう叫びながら机を蹴り飛ばし、剣に手をかける。
「キャー!」
周りからは悲鳴が上がりみんながその場を離れる。
それを見たコバルトはすかさず間に入る。
正義感の強いコバルトはいてもたってもいられなかったのであろう。
「ちょっと待ってください! それはさすがにやりすぎではないですか!?」
「なんだお前? 突然出しゃばりやがって。お前は関係ねーだろ!」
「確かに偶然通りかかっただけですが、それにしてもこの状況は見過ごせません!」
コバルトは力強くそう言う。
「正義を気取りやがって……おまえ、見たところ冒険者のようだが、俺たちが4大ギルドの『漆黒の暴君』とわかっててやっているのか?」
3人のうちの1人がそう言う。
(『漆黒の暴君』だって!? タカラさんが気をつけろと言っていたギルドじゃないか! よりによって『漆黒の暴君』のもめごとに出くわすなんて……)
コバルトはそう思いながら顔をゆがめる。
「どうやらその表情を見ると、俺たちが『漆黒の暴君』だと知らずに出しゃばってきたようだな。冒険者協会管理下以外での冒険者同士の戦闘はご法度だし、今すぐにここから立ち去るならお前だけ見逃してやってもいいんだぜ?」
男がニヤニヤしながらそう言う。
女性の従業員はすがるような目でコバルトを見ている。
(くそっ!……でもこのままこいつらに好き勝手させるわけにはいかない! タカラさん、みんな、ごめんなさい!)
コバルトはそう思うと腹をくくる。
「あなたたちが『漆黒の暴君』だろうが何だろうが関係ありません! この状況を見過ごすことはできないですから!」
「『漆黒の暴君』にたてつくということでいいんだな? 俺は忠告したぜ? 今後お前たちの身になにが起きても後悔するなよ? 『漆黒の暴君』にたてつくということはそういうことだ」
男が不敵な笑みを浮かべながらそう言う。
コバルトは唾をごくんと飲む。
「おまえ、ギルドに入ってるんだろ? ギルド同士であればギルド対抗戦で合法的にお前をつぶしてやれるからな。くれぐれも逃げるんじゃねーぞ? 逃げたらどうなるかわかってるだろうなぁ?」
男はそう言って笑いながら、女性の従業員のほうを見る。
コバルトがギルド対抗戦を断れば女性に危害を加えるということであろう。
「お前をボコボコにできる日を楽しみに待ってるぜ」
そう言って『漆黒の暴君』の3人はその場から去っていく。
『漆黒の暴君』の3人がその場からいなくなると、女性の従業員がコバルトに駆け寄ってくる。
「あの……ありがとうございました!」
女性はそう言って深々と頭を下げる。
「全然大丈夫ですよ。あなたにけががなくてよかったです」
コバルトは笑顔でそう言う。
しかし内心では、
(まずいことになったな。とりあえずタカラさんに報告しないと)
コバルトはそう思うと、ブランに申し訳ないと思いながらタカラに報告するために一度ギルドに戻るのであった。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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