第56話 ギルド事情
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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「いいか!? 何をするにしてもまずは情報が必要だ! タカラも昔よく自分で言ってただろ!? 何よりも大事なのは情報収集だって!」
ヒュンスは顔を赤らめながら席から立ち上がり大声でタカラにそう言う。
「わかったから落ち着いてよ」
タカラはそう言いながらヒュンスに座るよう促す。
冒険者協会でヒュンスと出会った後、そのまま一緒に飲みに行くことになったのだが、久しぶりの再会に酒が進み、このありさまである。
見ての通りヒュンスの顔はすでに真っ赤である。
「今日この都市にやってきた何も知らないタカラに優しい優しいこの俺がこの都市のギルド事情を教えてやろう!」
ヒュンスは胸を張りながらそう言う。
(ヒュンスのやつこんなに酔っちゃって……でも確かに今後この都市でやっていくためには情報収集は必要不可欠だ。ロキもいないし今後の情報収集については何か対策を考えないと……でもこの都市のギルド事情を聞けるのはありがたいね)
タカラはそう思いながらヒュンスの話に耳を傾ける。
「いいか? この都市ではたくさんのギルドがしのぎを削り合っているわけだが、なんといっても一番注目のギルドは『虹音の協奏曲』だ。あそこは実力も知名度もこの都市では頭一つ抜けている。去年の《月刊ニューヒーローズ》のギルドランキングでもこの都市で一番高い15位にランクインしている。この都市で一番といわれているギルドだな」
相変わらず真っ赤な顔ではあるが、ヒュンスは真剣にそう言う。
「ギルドランキング15位か……かなり上位だね。やっぱりメンバーもすごいの?」
「そうだな。実力ぞろいのメンバーがゴロゴロいるが、中でも一番やばいのが“魔剣の芸術家”だ。魔法と剣術の組み合わせが芸術的だと称賛されている魔導剣士だ。去年の冒険者ランキングで自身最高の20位にランクインしている強者だな」
ヒュンスはそこまで言うと、お酒をグイっと一口飲む。
(魔導剣士か。セトと一緒だね。ぜひともセトと手合わせさせたいけど、今のままでは話すことすらまず無理だろうね)
タカラはそう思う。
現在の『虹音の協奏曲』と『太陽の幼樹』では知名度も実力も差がありすぎて今のままでは相手にすらされないだろう。
(まずは僕たちの存在を知ってもらうところからだね)
ヒュンスの話を聞きながらタカラは冷静に今後の方針を決める。
「続いて注目すべきギルドは『金色の獅子』、『銀牙の大狼』、『銅皮の巨象』、『漆黒の暴君』の4大ギルドだな。『虹音の協奏曲』ほどではないが、『虹音の協奏曲』の次に名前が上がるとすればこの4つのうちのどれかだ。それくらいこの4つのギルドは実力が拮抗している」
「なるほどね」
「その下には中堅ギルドや初心者ギルドがうじゃうじゃしているわけだが、その中で知っておきたいのは『中堅ギルド同盟』の存在だな。『中堅ギルド同盟』は中堅ギルドの中でも上位に位置する8つのギルドから構成されていて、同盟を組むことで情報を共有したり、お互いの実力を高めたりして上の4つのギルドに対抗しているんだ」
「へえ、この都市にはギルド間の同盟もあるんだ」
タカラは特に驚く様子もなくそう言う。
ギルド同士が同盟を組むことは珍しいことではない。
特に広域中核都市「ベーサイド」のような大きな都市であればなおさらである。
「とまあ、とりあえずはこんな感じだな」
「僕のギルドが上を目指すための道のりは長そうだね」
タカラは笑いながらそう言うが、タカラの表情は自信たっぷりといった感じである。
「確かにそうだが、それよりもまず俺のギルドとの対抗戦があるからな? そこんところ忘れるんじゃないぞ?」
「ごめんごめん、しっかりと先輩の胸を貸してもらうよ」
タカラは笑顔で謝りながらそう言う。
「俺のギルドとの対抗戦だが形式はどうする? いつもはだいたい5対5の個人戦なんだが何か要望があるなら聞くぞ?」
「いや、僕たちもこの前その形式でやったからそれでいいよ」
タカラは即答で了承する。
「わかった。日にちは1週間後でいいか?」
「うん、いつでも大丈夫だよ」
再びタカラは即答する。
この都市の中堅ギルドがどれくらいの実力なのかというのを早く知りたいのであろう。
「よし、じゃあ冒険者協会には俺のほうからギルド対抗戦の申請を出しておくぜ」
「ありがとう、よろしく頼むよ」
その後もタカラとヒュンスは再び昔話で盛り上がりながらお酒を飲むのであった。
♢
(あー、頭が痛い。昨日飲みすぎちゃったな……)
次の日の朝、タカラは頭痛で目が覚める。
ヒュンスとかなり遅くまで飲んでいたようだ。
タカラが食卓に行くと他のメンバーがすでにご飯を食べている。
ちょうどみんな揃っているので、タカラは1週間後のギルド対抗戦について話すことにする。
「みんな、おはよう。いきなりで悪いんだけど、1週間後にギルド対抗戦をすることになったから、そのつもりでよろしくね」
タカラは席に座りながらさらっとそう告げる。
他のメンバーたちはタカラの言ったことをすぐには理解できず、ご飯を食べる手が止まる。
「えっ、タカラ今なんて言ったの?」
セトがもう一度タカラに聞き直す。
「だから、1週間後にギルド対抗戦をするからそのつもりでって……」
「なんでそんな大事なことさらっというのよ……」
セトは呆れながらそう言う。
「ごめんごめん。でもこっちに来てすぐにギルド対抗戦ができるなんてラッキーだよ。大きなモニターでみんなに観てもらえるらしいし、僕たちのことを知ってもらえるいい機会だ。みんな頑張ろうね」
タカラがそう言うと、みんなが真剣な表情でうなづく。
(みんな気合が入ってるね。いい感じだ)
みんなの表情を見ながらタカラはそう思う。
1週間の間、『太陽の幼樹』のメンバーはそれぞれで修業を行ったり、クエストをこなしたりしてギルド対抗戦に備えていた。
そして、ついにギルド対抗戦の日が訪れる。
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初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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