第54話 何かの縁
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
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フライハイトの突然の申し出にタカラは目を丸くする。
(こんなに強い人がギルドに入ってくれるならもちろん嬉しいけど、なんでなんだろう?)
タカラはそう思いながらフライハイトの加入について悩んでいる。
「まあ、正直俺はギルドに入れればどこのギルドでもいいんだけどな。ほら、この世界って良くも悪くもギルドや冒険者中心の世界だろ? だからギルドに所属していれば何かと都合がいいんだよ」
真剣に悩んでいるタカラをよそに、フライハイトはのんきにそんなことを言う。
フライハイトの発言にタカラも拍子抜けといった感じだ。
(なんだか真剣に悩んでいた僕がバカみたいだ……)
タカラは呆れた顔でフライハイトを見ている。
「まあ、ここであったのも何かの縁だし、自由そうなギルドだし、それに少数精鋭っていうのがいいじゃねーか。俺はそういうの好きだぜ」
フライハイトは笑顔でそう言う。
なんだかんだでフライハイトは『太陽の幼樹』のことを気に入ってくれたのだろう。
そう感じたタカラは少し嬉しそうにする。
「俺は基本的にいろんな町をめぐりながら旅をしてるからお前らには迷惑をかけるつもりはねーよ。どうだ? 俺を入れてくれねーか?」
フライハイトはそう言いながらタカラのほうを見る。
「わかったよ。よろしくね、フライハイト」
「タカラは話が分かるやつだなー! おう、よろしくな!」
フライハイトはそう言いながら嬉しそうにブランやガンテに絡んでいる。
そんなフライハイトに対してブランやガンテは迷惑そうな顔をしている。
(ブランとガンテ嫌そうだね。でも、フライハイトは気にしてなさそうだし何とかなるか)
タカラは3人の様子を苦笑いしながら見ている。
隣町「ベーサイド」まではまだまだかかるので、タカラはフライハイトに話を聞いていくことにする。
「フライハイトは旅人って言ったけど、冒険者ではないの?」
「俺は冒険者ではないぜ。もちろん旅の途中で魔物や盗賊に襲われたりしたら戦うがな。まあ、冒険者ではないけど俺は強いぜ? そこらの冒険者よりは余裕で強いんじゃねーか?」
フライハイトは当たり前のようにそう言う。
フライハイトが自信家だからこのような発言をしたのではない。
フライハイトは今までの経験から事実を言っただけなのだ。
それは当然タカラもわかっている。
(まあ、そうだろうね。ステータスからもわかる通り、そこは疑いようがない)
タカラはそう思いながらフライハイトの発言に納得する。
(冒険者ではないってことは《月刊ニューヒーローズ》とかにも取り上げられたことはないだろうね。これだけの実力があって僕が知らなかったのも納得だ)
タカラはそう思いながら自分が感じていた疑問を解決する。
「その剣は? 冒険者じゃないにしてはすごい立派なものだと思うけど……」
「これは俺の親父の形見なんだ。親父は冒険者をしててある程度有名だったらしいからな。剣もいいものを使っていたらしい」
「そうなんだ。お父さんのことはあんまり覚えてないの?」
「ああ、まあそうだな」
フライハイトはそう一言つぶやき、それ以上は話そうとしない。
それを察したのか、タカラもそれ以上は言及しない。
その後もタカラとフライハイトはお互いの話をしながら過ごす。
道中馬車は休憩のために何度か止まりながらやっと隣町「ベーサイド」が目の前に見えるとこまでやってきた。
「わー、大きい町ですね!」
テルルが隣町「ベーサイド」をみて驚きながらそう言う。
「隣町「ベーサイド」は広域中核都市だからね。この辺では一番大きな都市だよ」
タカラがテルルにそう説明する。
ちなみに、休憩ごとに一緒の馬車に乗るメンバーを入れ替えながら隣町「ベーサイド」まで向かっている。
今はタカラ、セト、テルル、コバルト、ブランの5人で一緒の馬車に乗っている。
もう一つの馬車はフライハイト、マキ、ムサシ、ガンテの4人である。
しばらくして、タカラ達は無事に広域中核都市「ベーサイド」に到着する。
タカラはダンロッドにもらった地図を見ながら、ダンロッドから貸してもらったギルドの拠点を目指す。
町の中心地に近づくにつれてどんどん町の活気も増していく。
「わー、すごいにぎやかだね!」
「そうだね! おしゃれなお店もたくさんあるよ!」
セトとマキはそう言いながら2人ではしゃいでいる。
2人がはしゃいでいると、周りから、
「おい、あれってこの前《月刊ニューヒーローズ》のファッションコーナーの出ていた人じゃないか?」
「えっ、ファッションコーナー初登場でめっちゃ可愛いって話題になったやつか?」
「いや、だけど確かこの町の人ではないはずだぞ?」
セトとマキを見た人たちがひそひそとそんな話をしている。
始まりの町「セト」ほどではないが、どうやらこの都市でもセトとマキは話題になったようである。
しかし、他の『太陽の幼樹』のメンバーに気づいている様子はなく、『太陽の幼樹』の知名度はあまりないことがうかがえる。
「……人が多いな」
「そうですね。僕なんだか緊張しちゃいますよ」
ムサシとコバルトは人の多さに驚いている。
ブランとガンテはいつものように食べ物屋に目を奪われている。
(だいぶ街並みも変わっちゃったけど、どこか面影は感じるね)
タカラもそう思いながら周りを見渡す。
実はタカラはこの町に来るのは初めてではなく、S級パーティーを解散する前、S級パーティー『神秘の陽樹』としてこの町を拠点として活動していた時期もあるのだ。
タカラ達は街並みに目を奪われながらもダンロッドから貸してもらった家へと到着する。
「大きいですね! 三日月亭の3倍はあるんじゃないですか?」
「いや、もっとあるんじゃないですか?」
これから『太陽の幼樹』の拠点となる建物を見て、テルルとコバルトがそう話し合っている。
始まりの町「セト」にあるダンロッドの邸宅ほどではないが、確かにかなりの大きさの建物である。
「おいおい、かなり立派な建物じゃねーか。こんな建物どうやって見つけたんだ?」
フライハイトも驚きながらそう言う。
タカラ達は建物のすごさに驚きながら、ダンロッドからもらった鍵で家の中に入る。
タカラ達が家の中に入ると、一人の女性がタカラ達を出迎える。
「『太陽の幼樹』の皆様、お待ちしておりました。ダンロッド様からの命でこの家と皆様のお世話をさせていただきます、レフィーナと申します。よろしくお願いします」
レフィーナはそう言うと丁寧にお辞儀をする。
一つ一つの所作がきれいで、品が感じられる。
目鼻立ちもはっきりしており、だれが見ても美人と答えるほどの美貌である。
「初めまして。ギルド『太陽の幼樹』のギルドマスターをしています。タカラです。よろしくお願いします」
タカラは笑顔でそう言うと、レフィーナにお辞儀をする。
「お顔をお上げください。この家でわからないことや何か要望などございましたら何でもお声がけください」
レフィーナはそう言うと、後ろに下がる。
レフィーナの話が終わると、セトたちはいっせいに家の中の探索へと向かう。
これだけ広い家なので、セトたちがはしゃぐのも無理はない。
それに、これから自分たちが住む場所でもあるのでどんな家なのか気になるのであろう。
「自分のギルドの拠点がこんなに広くて立派な場所だとは嬉しい誤算だぜ」
フライハイトがタカラにそう言う。
「まあ、あんまり長居してもここから出づらくなりそうだから俺はもう行くぜ。またちょくちょく帰ってくるから、そのつもりでよろしくな!」
フライハイトはそう言うとギルドを出て行く。
(『太陽の幼樹』には自由なメンバーが多いけど、フライハイトはさらに自由人だね)
タカラはそう思いながら苦笑いする。
何はともあれ、タカラ達『太陽の幼樹』一同は無事に広域中核都市「ベーサイド」の拠点へとたどり着くのであった。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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