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第49話 ギルドマスター同士の戦い

お世話になっております。ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。



ついに最後はタカラの出番である。

タカラは杖を出し、準備をする。


「タカラ! 最後頼んだよ!」


「……頼んだ」


「面白い魔法いっぱい使ってね!」


「ギルドマスターらしいところを見せてくれ」


前に出て行こうとするタカラにセトたちが一言ずつエールを送る。


「うん、任せて」


タカラはにこりと笑い、優しくそう言う。

その一言には、優しさだけでなく力強さも感じられる。

タカラのその一言でセトたちは包まれるような安心感を感じる。

一方『疾風の黒豹』陣営からはアカヤが鬼の形相で前に出てくる。

そして、2人は闘技場の中央で距離をとって対峙する。


「……よくも私のギルドをめちゃくちゃにしてくれましたね。今さら命乞いしても無駄ですよ? これからここで後悔させてやる!」


アカヤはタカラをにらみながら、我を忘れたようにそう言う。

どうやらタカラに対する憎しみでタカラ以外見えていないようである。


「どの口が言っているんだ? 僕の仲間に手を出そうとしておいて、僕がこのまま黙っているわけないだろ? 後悔するのはお前のほうだ」


タカラは静かにそう答える。

口調は静かであるが、タカラの表情は怒りに満ちており、心なしか空気が重く感じる。

観客席の人たちもそれを感じているのか、静まり返っている。

アカヤはタカラのあまりの迫力に一瞬我に返る。


(なっ、なんという迫力……ほんとに支援魔導士ですか?……いや、あいつが支援魔導士であることは間違いないはずです! この私が支援魔導士ごときに負けるはずがない!)


アカヤはそう思うと、先ほどの勢いを取り戻す。


「支援魔導士ごときが調子に乗っていると痛い目を見ますよ! まあ、今更もう遅いですがね!」


アカヤはそう言うと審判の合図も待たないでタカラへと襲いかかる。

タカラは突然の試合開始に動揺することなく、落ち着いてスキル:<透視之眼(スケルトン・アイ)>を発動させ、アカヤのステータスを確認する。


ステータス

体力:B

魔力:D

パワー:B

スピード:B

知力:A

器用さ:B


スキル:<黒豹の息吹(いぶき)


(なんだ? 威勢がいい割にはステータスが低いね。バランスはいいがせいぜいB級冒険者といったところだぞ?)


タカラはアカヤのステータスを見てそう思っていると、


「獣人化!」


アカヤが突然そう叫ぶ。

すると、アカヤの体からどんどん黒い毛が生えてきて体も大きくなり、黒豹と人間を合わせたような姿へと変身する。

そう、これがギルド名にもある通り『疾風の()()』、そしてアカヤが“黒豹のアカヤ”という二つ名で呼ばれる理由である。

そして、変身した瞬間、アカヤのスピードが上がる。

違和感を感じたタカラがもう一度スキル:<透視之眼(スケルトン・アイ)>でアカヤのステータスを確認する。


ステータス

体力:A

魔力:C

パワー:A

スピード:A

知力:B

器用さ:C


スキル:<獣人化解除>


(ステータスが上昇してる!?……なるほど、スキル:<黒豹の息吹>で獣人化するとステータスが上がるのか)


タカラはアカヤの変化に少し驚いたものの、冷静に分析する。

アカヤはそのままスピードを上げてタカラに突っ込んでいき、タカラに噛みつこうとする。


「“永久不滅の盾(エターナル・シールド)”」


タカラがそう唱えると、大きくていかにも荘厳(そうごん)そうな盾が現れる。

アカヤは突然現れた盾に方向を変えることもせず衝突する。

大きな盾はびくともしていないが、アカヤもほぼ無傷のようだ。

生身の人間であればひとたまりもないはずだが、獣人化してステータスが上昇したことで耐久力も上がったようだ。


「素直に突っ込んでくるなんて、知能は動物並みになったようだね。そうでなくても怒りで我を忘れて冷静さを欠いていたのに」


「うるさい! ぶっ殺してやる!」


タカラがそう言うと、アカヤはタカラをにらみながらそう叫ぶ。


「冷静さを欠いては戦いには勝てないよ」


タカラはそう言うと、炎属性と水属性の魔法を発動させ、その2つの魔法を合わせる。

炎属性と水属性の複合魔法である。


「“霧霞の幻影”」


タカラがそう唱えると、闘技場全体が霧で覆われ、視界が見えなくなる。


「おいなんだこれ!? 前が見えないぞ!?」


「なんだかこわいよー!」


観客席も慌てているようだ。


「こんなもの私には効かない! 私には自慢の鼻がありますからね!」


アカヤは自慢げにそう言う。


「そこか!?」


アカヤはそう叫びながらやみくもに攻撃する。

しかし、そこにタカラはいない。


「無駄だよ。冷静さを失っている今の君には僕を捉えることはできない」


どこからともなくタカラの声が聞こえてくる。


「うるさい! 黙れぇー!」


アカヤはそう叫びながら腕を振り回す。


「お前のせいで! お前のせいで!!」


アカヤはどんどん我を失っていき、人間味を失っていく。


「哀れだね……出来ることなら同じ町のギルド同士切磋琢磨(せっさたくま)しながら上を目指したかったけど……残念だ」


タカラは悲しそうにそう言うと、最後の魔法を唱える。


「“夢喰い”」


タカラがそう唱えると、アカヤは突然苦しそうに叫びだす。


「ギイィャー! やめてくれ……やめてくれー!」


アカヤはそう言いながら、乱心状態へと(おちい)る。


「幻覚の中で一生罪を(つぐな)え」


タカラは静かにそう言う。


「ごめんなさい……ごめんなさい……」


アカヤはそうつぶやきながら元の人間の姿に戻り、パタリとその場に倒れた。

しだいに闘技場を覆っていた霧が晴れていき、徐々にタカラとアカヤの姿が浮かんでくる。

観客席にいた人たちもどうなったのかと目を凝らして見ている。

そして、霧が完全に晴れて、倒れているアカヤの姿がはっきりと目視できるようになる。


「それまで! 勝者『太陽の幼樹』、タカラ! よって今回のギルド対抗戦は5対0で『太陽の幼樹』の勝利!」


審判によってタカラの勝利、そして、『太陽の幼樹』の勝利が告げられる。

闘技場内は大きな歓声に包まれる。


「『太陽の幼樹』が『疾風の黒豹』に勝ちやがった!」


「正真正銘この町一番のギルドの誕生だー!」


「みんなすごかったよー!」


勝利した『太陽の幼樹』に多くの祝福の声がかけられる。


「やったー!」


「……当たり前だ」


「これでおいしいご飯がたくさん食べれるね!」


「やったな」


セトたちもみんなで肩を組みながら喜びを分かち合っている。

タカラも『太陽の幼樹』陣営へと戻ってくる。


「タカラお疲れ!」


セトがそう言いながらタカラに駆け寄る。

セトに続いて、他のみんなもタカラに駆け寄る。


「うん、みんなもお疲れさま。ほんとによく頑張ったね」


タカラは笑顔でそう言う。


「僕もちょっと疲れたよ。とりあえず控室に戻ろうか」


タカラはそう言うと、セトたちと一緒に控室へと戻る。

タカラ達が控室でひと段落ついていると、カインが勢いよく扉を開けて入ってくる。


「おい、タカラ! お前やりすぎだろ!」


カインは控室に入ってくるなりタカラにそう怒鳴る。


「そんなことないよ。霧で観客席からは見えないようにしたし、防音壁まで張って声も聞こえないようにしてたんだから」


タカラは悪びれた様子もなくそう言う。

どうやら、霧で視界を遮るだけでなく、魔法で防音壁を張ってアカヤの叫び声なども観客には聞こえないように配慮していたようだ。

さすがは元S級パーティーの支援魔導士、この手の魔法はお手のものである。


「そういうことじゃねーよ! 俺は相手の心配をしてんだよ!」


カインは呆れながらそう言う。


「それも大丈夫だと思うよ。今回は相手が完全に我を失っていたから幻覚魔法もきれいに決まったけど、冷静さを取り戻せばじき目が覚めるよ」


タカラは淡々とそう言う。


「はあ……まあいいか。とりあえずお前らが無事でよかったぜ。もちろんそんなに心配はしてなかったがな」


カインはそう言いながらセトたちを見回す。

そうしていると、テルルとマキが控室に駆け込んでくる。

少し遅れてロキも控室に入ってくる。


「みんな、お疲れ様! ほんとによく頑張ったね!」


マキがセトたちを見ながら泣きそうな顔でそう言う。


「もう、何でマキが泣きそうなのよ」


セトがマキを見ながらそう言う。


「マキさん、ずっとみなさんのこと心配してたんです。わかってあげてください」


テルルがみんなにそう言う。


「みんなのことが心配で心配で……うわーん!」


マキはそう言うと、大きな声で泣き出す。


「……マキが泣いた」


「あー! マキが泣いてる!」


ムサシとブランがからかうようにそう言う。


「こらこら、ムサシもブランもやめてあげなさい」


ロキが困ったように笑いながらそう言う。


「うわーん!」


マキはその様子を気に留めることなく泣き続ける。


(さっきまで戦っていたというのに本当ににぎやかなギルドだね)


タカラはみんなの様子を見てそう思いながらほほ笑むのであった。


読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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そして、コメントや感想などもお待ちしています!

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