第47話 町一番の魔導士
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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タロットとブランは闘技場の中央で距離を置いて対峙する。
ブランはワクワクした表情を見せている。
「ブラーン、頑張ってー!」
「ブラン、こっち向いてー!」
観客席からはブランに対して女性からの黄色い声援が届く。
意外にも、ブランの女性人気は高いようだ。
しかし、ブランはというとそんなことはお構いなしといった様子である。
一方タロットは、見た目は気の強そうな女性という感じであり、恰好も露出の多い恰好をしていて、とても魔導士には見えない。
しかし、アカヤの言う通り、正真正銘『疾風の黒豹』で一番の魔導士である。
「タロットー! やっちまえー!」
観客席にいる『疾風の黒豹』のメンバーからも多くの声援が飛んでいる。
ギルドメンバーからの信頼も厚いのであろう。
タカラはすかさずタロットのステータスを確認する。
ステータス
体力:B
魔力:A
パワー:E
スピード:B
知力:B
器用さ:A
スキル:<魔力効率最適化>
(へえ、かなり優秀な魔導士だね。この町では間違いなくトップクラスの魔導士だろう)
タカラはタロットのステータスを見てそう思う。
見た目に反して、タカラが目を見張るほどの魔導士のようだ。
スキル:<魔力効率最適化>により魔法を発動する際の魔力効率も最適化されている。
このスキルのおかげで、少ない魔力でより強力な魔法が使えるのだ。
「それでは、試合始め!」
審判の掛け声により試合が始まる。
「2連敗でもう後がない! それに、ガキに負けるわけにはいかないからね。手加減なしで行かせてもらうわよ!」
タロットはそう言って魔法を発動させる。
「“火球連弾”!」
タロットの目の前にこぶしほどの大きさの火球が現れ、次々にブランのほうへと向かっていく。
「“逆巻く水壁”」
ブランがそう唱えると、ブランの周りにたくさんの水が出現し、螺旋を描きながらブランの周りを覆っていく。
火球はブランの周りを覆っている水にぶつかり相殺される。
「“逆巻く水龍”」
続けてブランがそう唱えるとブランの周りを覆っていた螺旋状の水がみるみるうちに水龍へと姿を変え、ものすごい勢いでタロットのほうへと向かっていく。
「“土盾の守り人”!」
ブランの攻撃に対してタロットはすかさずそう唱える。
すると、地面から大きな盾を持ったゴーレムが姿を現し、向かってくる水龍を受け止める。
しかし、水龍の勢いは完全には収まらず、ゴーレムはじりじりと後退していく。
(思っていたよりもずっと魔法の威力が強い! こんなガキがこんなに強い魔法を使えるなんて!)
タロットはそう思いながら苦しそうな表情を見せる。
「いいねいいね! 楽しいね! どんどん行くよ!」
ブランは楽しそうにそう言う。
魔法での応酬を楽しんでいるようである。
「すげー!」
ハイレベルな魔法の応酬に観客席からも感嘆の声が漏れる。
このまま膠着状態に陥るかと思いきや、ブランが仕掛ける。
「“紫電の牢獄”!」
ブランがそう唱えるとタロットの周りに電気の檻が現れる。
(なっ!? すでに魔法を発動しているのに、さらに魔法を発動させるだと!?)
思ってもいなかった事態にタロットの反応が遅れてしまう。
まさかブランがスキル:<並列魔法>持ちだとは夢にも思わなかったのであろう。
その結果、タロットは電気の檻に閉じ込められてしまい、身動きが取れなくなってしまう。
(くそ! まさかここまでの魔導士だったなんて! ガキだと思って完全になめていた!)
タロットは唇をかみながらそう思う。
そうしているうちに、水龍を受け止めていたゴーレムが限界を迎え、ゴーレムが破壊されてしまう。
そしてそのまま水龍がタロットのほうへと向かってくる。
(なっ、何とかしないと!)
タロットはそう思い、急いで魔法を唱えようとするが、時すでに遅し。
水龍がタロットを飲み込み、電気の檻からの電気が水龍を通って、タロットは感電する。
「キャー!」
タロットはそう叫ぶと、感電によって気を失ってしまう。
「そこまで! 勝者『太陽の幼樹』、ブラン!」
審判が高々にそう宣言する。
観客席から歓声が起こる。
「えっ、もうおしまい? まだまだ足りないよ!」
ブランはそう言いながら駄々をこねている。
ブランはまだまだやりたかったようである。
(水と電気という相性をよく考えたいい試合だったね。複合魔法に頼ることなくタロットを抑え込むなんて……ブランも順調に成長しているね)
タカラはほほ笑みながらそう思う。
「やった! これで3連勝! ギルド対抗戦の勝利は確定したね!」
セトが嬉しそうにそう言い、ムサシとガンテとハイタッチをしている。
みんなが喜んでいると、審判に『太陽の幼樹』陣営に戻るように促されたブランが渋々帰ってくる。
「ブラン、お疲れ様。いい戦いだったよ!」
タカラがブランをほめる。
「まだやりたかったのに……」
ブランはタカラの言葉には反応せず、試合が終わってしまったことにショックを受けている。
「……元気出せよ」
「そうだよブラン、帰ったらきっとロキがごちそう作ってくれてるはずよ!」
ムサシとセトがブランを励ます。
「ごちそう!? ほんとに!? 楽しみだね!」
ブランはセトのごちそうという言葉を聞いて、一気に元気を取り戻す。
どうやらブランの興味はこの後のごちそうに移ったようである。
アカヤにも負けないほどの切り替えの速さである。
一方でアカヤはというと、タロットの敗北で『疾風の黒豹』の負けが確定してしまい、放心状態となっていた。
「ま、まさか……『疾風の黒豹』が負けてしまうなんて……もう終わりだ……」
アカヤはそう言いながらその場に崩れ落ちる。
まさか設立して間もないギルドに負けるとは微塵も思っていなかったのであろう。
「おい、アカヤ、諦めるにはまだ早いぜ。まだ俺とお前の試合が残っているだろ?」
放心状態のアカヤにある男性が話しかける。
『疾風の黒豹』のエース的存在であるビスマスだ。
「俺の相手はおそらくエルフのセト、そしてアカヤの相手はギルドマスターのタカラだ。どちらも『太陽の幼樹』の中心人物でこの町での知名度も高い。その二人を倒せば『疾風の黒豹』の面目は保てるぜ」
ビスマスはアカヤにそう言う。
「それにこのままやられっぱなしでは終われねー。調子に乗っているあいつらにやり返さないと気が済まねーからな。せいぜいいたぶってやる」
ビスマスはそう言いながら不敵な笑みを浮かべる。
「そ、そうですね。あの2人を倒せば周りのやつらも『疾風の黒豹』のほうが優れていると考え直すでしょう」
アカヤは冷静さを取り戻す。
「ビスマス、頼みましたよ。さすがにあなたが負けることはないでしょう」
「当り前だろ。他のやつらはふがいなかったが、俺はやつらとは違う。俺は『疾風の黒豹』のエースだ。あいつらとは背負ってるもんが違う」
そう言ってビスマスは前へと出て行く。
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初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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