第46話 まるで親子
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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「ダントン! これ以上負けることは許されません! 調子に乗っているあいつらをさっさと黙らせて来てください!」
アカヤは『疾風の黒豹』の二番手であるダントンのほうを見ながらイライラしたようにそう言う。
ハヤトが負けて出ばなをくじかれてしまい、アカヤはイラついているようだ。
「おいおい、ギルドマスターさんよ。俺を誰だと思っているんだ? ギルド一の怪力を誇るダントン様だぜ? あんな奴ら俺がひねりつぶしてやるよ!」
ダントンは余裕そうにそう言う。
ダントンの言う通り、ダントンは『疾風の黒豹』で一番の怪力の持ち主である。
体も大柄で筋肉質であり、身長は2メートル、体重は200kgもある。
「相手はあのちっこいドワーフのようですし、心配はしていませんが……お願いしますよ」
『太陽の幼樹』陣営から出てきたガンテを見てアカヤは安心したようにそう言う。
「誰が来ようと俺の力の前では無力だ! ハヤトのバカのようにはならねえぜ!」
ダントンはそう言って前へと出て行く。
ガンテとダントンは闘技場の中央で相まみえる。
「身長差がすごいな。大丈夫か?」
「まるで親子だな」
2人が対峙すると、観客席からそのような声が聞こえてくる。
(体格差がすごいね)
タカラも2人を見てそう思いながら、ダントンのステータスを確認する。
ステータス
体力:B
魔力:D
パワー:A
スピード:E
知力:C
器用さ:D
スキル:<筋力増強>
(なるほど。ステータスも見た目通りのパワータイプだね)
タカラはダントンのステータスを見てそう思う。
「おいおい、こんな子供みたいなやつで大丈夫なのか? 『太陽の幼樹』はよほど人員が足りていないんだな。拍子抜けだぜ」
ダントンはガンテを見て残念そうにそう言う。
「まあいい。誰が来ようとひねりつぶすことには変わりないからな」
ダントンはニヤニヤしながらそう言う。
「……」
ガンテはダントンをにらむが、無言でいる。
「こいつ、言い返すこともできないくらい怯えてるぜ! ガッハッハ!」
そんなガンテを見てダントンは高らかに笑う。
「君、静かに!……それでは試合はじめ!」
審判の掛け声で試合が始まる。
ガンテは頑丈そうな鎧に身を包み、右手に盾、左手にハルバードを持っている。
対するダントンも大きな鎧を身にまとっており、両手で大剣を握っている。
「それじゃあ、遠慮なくいくぜ!」
ダントンはそう言うと大剣を振りかぶり、ものすごい勢いでガンテへと振り下ろす。
ーーガキイィィーン!
金属同士がぶつかった鈍い音が闘技場に響き渡る。
ガンテが盾でダントンの攻撃を難なく防御する。
「ほお! 俺の攻撃を一回でも防ぐとは思っていたよりやるな。意外と楽しめそうだ!」
ダントンはそう言うと、大剣を振り回し、次々とガンテに攻撃を浴びせていく。
ダントンの巨体から繰り出される攻撃は一発一発が重く、並の冒険者では盾で防いだとしてもひとたまりもないだろう。
しかし、ガンテは息一つ乱すことなく的確にダントンの攻撃を防いでいく。
(……こいつ、なんでこんなに平然としているんだ? 俺の攻撃が効いてないのか?)
最初のほうは勢いよく攻撃していたダントンであったが、ガンテがあまりにも平然と攻撃を防ぐので徐々に焦りを感じていた。
今まで何事も力で解決してきたダントンにとって、こんな経験は初めてである。
「ダントン! いったいいつまで遊んでいるのです!? そんな奴さっさとひねりつぶしてください!」
最初のほうは静かに見ていた『疾風の黒豹』陣営のアカヤもしびれを切らしたようにそう叫ぶ。
「うるせーな! わかってるよ! おらぁ!」
ダントンはそう言いながら、大剣を力いっぱい握りしめ、勢いよく振り下ろし渾身の一撃を繰り出す。
ーーガキイィィーン!
再び金属同士がぶつかった鈍い音がする。
するとなぜかその音と同時にダントンの巨体が浮き上がり、ダントンが宙に舞う。
そしてそのままダントンは勢いよく地面にたたきつけられる。
よく見るとダントンの鎧は砕けている。
「うっ……うぅ……」
ダントンはそう言いながら苦しそうにしている。
意識はあるようだが、起き上がる様子はない。
「それまで! 勝者『太陽の幼樹』、ガンテ!」
これ以上ダントンの戦闘は不可能と判断した審判は声高々にそう宣言する。
ーーワアァァー!!
審判のその一言に再び闘技場は歓声の渦に巻き込まれる。
巨体が宙に舞うというなかなか見れない光景に観客たちも興奮しているようである。
やはり小さな者が大きな者を倒すというのはロマンがあるのであろう。
「タカラ、今のって……」
セトがタカラを見ながらそう言う。
「うん、ガンテのスキル:<カウンター>だね。ガンテのパワーに加えて相手の勢いも利用しているからすごい爆発力を生んでるんだ。相手が渾身の一撃を放ってきたときに使うというタイミングも完璧だよ」
タカラはセトにそう説明する。
「……ガンテってやっぱりすごい奴だったのか」
今までの修行でガンテの実力はある程度分かっていたムサシだが、今の試合を見て改めてそう思う。
そうしていると、ガンテが『太陽の幼樹』陣営へと戻ってくる。
「……ガンテ、ナイス」
ムサシがそう言いながらガンテに拳を向ける。
「当り前だ」
ガンテはニッと笑いながらそう言い、ムサシと拳を合わせる。
ムサシもガンテを見ながらニッと笑う。
「ガンテ、お疲れ! すごかったね!」
セトもそう言いながらガンテとハイタッチをする。
ガンテも嬉しそうにうなずく。
「ガンテ、よくやったね! さすがだよ!」
タカラがそう言うと、ガンテは下を向きながらこくりとうなずく。
どうやらタカラに褒められて照れているのがばれたくないようだ。
「よーし、次はボクの番だね!」
ブランはそう言うとものすごい勢いで前へと出て行ってしまう。
自分の番が待ちきれなかったようだ。
「あっこら……まあ、みんなの活躍を見てずっとそわそわしてたし、しょうがないか」
タカラは飛び出していったブランを見ながら、苦笑いしてそう言う。
一方その頃、『疾風の黒豹』陣営では、
「これはどういうことなんですか!? いったい何が起こっているんです!?」
アカヤはハヤトの敗北に続き、ダントンまで敗北したことにひどく取り乱していた。
「よりにもよってこんなにも大勢の前で2連敗という醜態をさらすとは……こんなことでは『疾風の黒豹』が舐められてしまいます!」
アカヤは思いつめた様子でそう言う。
「タロット、次負けてしまうと『疾風の黒豹』の敗北が決定してしまいます! それだけは絶対に許されません! 『疾風の黒豹』で一番の魔導士の名に懸けて、今の悪い流れを断ち切ってください!」
アカヤは『疾風の黒豹』の三番手であるタロットに詰め寄りながらそう言う。
「ふっ、うちに任せときな。見たところ相手はガキのようだしね」
タロットは『太陽の幼樹』陣営から勢いよく出てきたブランを見ながらそう言う。
「相手も魔導士なら負ける可能性は微塵もないわね。うちはこの町で一番の魔導士なんだから」
タロットはそう言いながら前へと出て行く。
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