第44話 ギルド対抗戦
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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朝食を終えたタカラ達『太陽の幼樹』のメンバーはギルド対抗戦の会場である闘技場へと向かう。
今回は《月刊ニューヒーローズ》で大々的に宣伝していたこともあり、闘技場周辺はたくさんの人でにぎわっている。
闘技場を囲むように様々な出店が並んでおり、ここぞとばかりに商売をしている。
「安いよ安いよー!」
「出来立てのポテトだよー! ホクホクだよー!」
大きな声を出して客引きを行っている店もある。
「すごいですねー! こんなにお店が出てるなんて!」
テルルが興味津々といった様子でそう言う。
「私もこういうの初めてかも! 後で寄りたいなー」
セトもキョロキョロしながらそう言う。
他のメンバーもどうやら出店に興味があるようだ。
「こらこら、まずはギルド対抗戦に集中しないと。出店は帰りに寄ろう」
タカラが苦笑いしながらそう言う。
セトたちが出店に興奮しながら闘技場に向かっていると、
「あっ、『太陽の幼樹』が来たぞ! 頑張れよ!」
闘技場に向かっていたタカラ達を見つけた町の人が大きな声でそう言う。
すると、周りにいた人たちが一斉に振り向き、タカラ達の周りにあっという間に人だかりができる。
「セトちゃーん、こっち向いてー!」
「マキちゃんかわいい!」
「お前ら、応援してるぞ!」
《月刊ニューヒーローズ》の影響もあり、タカラ達が姿を見せただけでこの人気ぶりである。
特に《月刊ニューヒーローズ》のファッションコーナーに出ていたセトとマキの人気ぶりは一線を画している。
さすがは《月刊ニューヒーローズ》一番の人気コーナーである。
もちろん、純粋にセトとマキが美少女すぎるというのも原因であろう。
周りの声援に対してセトは少し恥ずかしそうにしているが、マキは笑顔で手を振り返している。
スキル:<人気者>だけあって声援への対応もお手のものである。
タカラ達は周りを囲まれながらも、人をかき分けながら闘技場へと入る。
闘技場は円形で天井はなく、段々状の客席が周りを囲んである。
広さもかなり広く、客席も多い。
軽く1万人くらいは入るのではないだろうか。
ギルド対抗戦まではまだ少し時間があるが、客席にはすでに多くの人が座っており、8割ほどが埋まっている。
「……すごい数の人だな」
ムサシは驚いたように言う。
他のメンバーもあまりの観客の多さに驚いている。
「確かに、客席がここまで人で埋まっているのは見たことがないね」
タカラもかなり驚いた様子でそう言う。
《月刊ニューヒーローズ》で『太陽の幼樹』が取り上げられ、雑誌内で『疾風の黒豹』とのギルド対抗戦についても宣伝したからであろう。
多くの人に注目してもらえ、タカラの思惑通りというわけだ。
タカラ達が立ち尽くしていると、冒険者協会の関係者がやって来て『太陽の幼樹』の控室まで案内される。
「すごい人だったね。緊張しちゃうよ」
セトは少し不安そうにそう言う。
「それだけ人気があるということだよ。ありがたいね」
タカラは笑顔でそう言う。
「人気だけじゃなくて実力もあるということを見せてやろう」
タカラがそう言うと、みんなはコクリとうなずく。
ギルド対抗戦まではまだ時間があるのでそれぞれで準備をしたり、ウォーミングアップをしたりすることになった。
セトとムサシは軽く模擬戦を行っている。
ブランは控室にあったお菓子に夢中だ。
ガンテは一人静かに座っている。
みんなが出番まで待っているとある人物が『太陽の幼樹』の控室を訪れる。
「おーすっ、お前ら。調子はどうだ?」
カインがそう言いながら『太陽の幼樹』の控室に入ってくる。
「カインさん!」
セトはそう言いながらカインのもとへと駆け寄る。
ムサシもカインのもとにやってくる。
「おう、お前ら、調子は良さそうだな。まあ、俺は何の心配もしてねえがな」
カインはそう言いながらニッと笑う。
カインは静かに座っているガンテに気づき話しかける。
「お前、ボンじいのところで会ったやつか? そうか、結局このギルドに入ったのか。その選択は正解だと思うぜ」
カインはガンテにそう言う。
ガンテはカインのことを見てはいるが返事はしない。
どうやらまだカインには慣れていないようだ。
「カイン、わざわざ来てくれてありがとう」
タカラがカインにそう言うと、
「まあ、一応俺の弟子の初の対抗戦だからな。お前のことも心配だし……」
カインはタカラを見て心配そうにそう言う。
「僕のことが? 僕は負けないよ」
「違う、そっちの心配じゃねーよ。お前がやりすぎないかの心配だよ。お前は昔からキレたら何しでかすかわからねーからな」
タカラの言葉にカインはすかさずそう返す。
「ちょっ……昔のこと掘り返さないでよ。今は『太陽の幼樹』のみんなのこともあるし、無茶なことはしないよ」
タカラは慌てながらそう言う。
「そうだといいんだがな。でも、『疾風の黒豹』のやつらもバカだよな、タカラに喧嘩売るなんてよ。俺でもそんなことしねーぜ?」
「カインは僕のこと買いかぶりすぎだよ。まあ、今回は負けるつもりは毛頭ないけどね」
「だろうな。とにかく今日は応援してるぜ。俺は観客席で見とくわ」
カインはそう言って控室を出て行く。
カインとちょうど入れ替わりで冒険者協会の関係者が控室に入ってくる。
「『太陽の幼樹』のみなさん、そろそろお時間です。出場される方は準備をお願いします」
そう言われ、ギルド対抗戦に出場する5人は戦いの場へと向かう。
「みなさん、頑張ってください!」
「負けるなんて許さないからね!」
テルルとマキが檄を飛ばす。
「行ってくるよ」
2人に対してタカラは優しい笑顔でそう答える。
タカラ達が闘技場へ出て行くと、観客席はすでに多くの見物人で埋め尽くされていた。
席に座れず立ったまま観戦しようとしている人も大勢いる。
そして、対面には『疾風の黒豹』の対抗戦のメンバー5人の姿も見える。
タカラが『疾風の黒豹』のギルドマスターであるアカヤのほうに目をやると何やら慌てている様子が見られる。
(セトたちが生きているのを見てうろたえているのか?)
アカヤの様子を見てタカラはそう予想する。
タカラの予想通り、アカヤはセトたちが何事もなかったかのように対抗戦に出てきたのを見て困惑していた。
(どういうことですか!? なぜあいつらが生きているのです!? 暗殺は失敗に終わったのでしょうか? しかし失敗に終わった場合は報告が来るという約束だったはず……)
アカヤはそう思いながら考えをめぐらす。
もちろんアカヤが企てた暗殺計画は失敗に終わり、一人も逃げることができずにタカラ達に捕まってしまったので、当然報告が来ることもない。
なので、幸か不幸か、アカヤは昨夜何が起きたのかは把握していないのだ。
(まあいいでしょう。なぜ生きているのかはわかりませんが、私たちで倒してしまえばいいだけのこと。せいぜい多くの見物人の前で恥をかけばいい!)
アカヤはすぐに頭の中を切り替える。
こうして『太陽の幼樹』と『疾風の黒豹』のギルド対抗戦が幕を開けるのであった。
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初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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