第43話 完全なる阻止
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
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リーダー格の男を残して『不穏な影』の他の連中はものすごいスピードで逃げていく。
『不穏な影』の連中の行動は素早く、迷いが一切見られない。
こういう状況にも慣れているのであろう。
しかし、突然目の前に一人の男が現れ、行く手を阻まれる。
(ちっ、先回りされたか)
『不穏な影』の残りのメンバーを先導していた男がそう思いながら苦い顔をする。
「止まれ」
『不穏な影』を先導していた男がそう言い、他の連中も止まる。
「どうも初めまして。ロキと申します。みなさん逃げ足が速いようで。追いつくのに苦労しましたよ」
ロキはそう言いながらにこりと笑う。
苦労したという割には息一つ乱れていない。
「ここは俺が引き受ける。残りは二手に分かれて逃げろ」
今さっきまで『不穏な影』の残りの集団を先導していた男がそう言うと集団は二手に分かれて即座に逃げ出す。
(これでどちらかは確実に逃げ切れるだろ)
男はそう言うと剣を構えてロキと対峙する。
「立ち向かってきますか……いいでしょう。少し遊んであげます」
ロキはそう言うと、ナイフを2本取り出し両手に1本ずつ持つ。
(ナイフか。リーチはこっちのほうが有利だな。急いで勝負を決める必要はない。間合いを取りながらゆっくり時間を稼ごう)
男がそう思っていると突然後ろから手刀で首裏を攻撃される。
男が後ろを向くと、そこにはもう一人のロキが立っている。
ロキのスキル:<分身>である。
「なぜ……だ……」
男はそう言うと、そのまま気を失ってしまった。
「あっけないですね。私の言動にこうもあっさりと騙されるとは。目の前で見えていること、自分の耳で聞いたことをそのまま鵜呑みにしてはいけません。まだまだ経験が足りませんね」
ロキはそう言うと、ナイフをしまい、男を拘束する。
一方、二手に分かれた『不穏な影』の連中もそれぞれロキの分身と対峙していた。
「おい! どういうことだ!? 時間稼ぎはどうした!?」
「まさかもうやられちまったのか!?」
二手に分かれてすぐに再びロキが現れたことで『不穏な影』の連中も混乱状態である。
「ほっほっほ。みなさん、今は戦闘中ですよ。戦闘中は何事にも落ち着いて対処しないと」
ロキはそう言いながら『不穏な影』の連中を一掃する。
「残りのやつらは大したことありませんでしたね。タカラ君もやりすぎてなければいいのですが……」
ロキはそう言いながら倒れている『不穏な影』の連中を一人ずつ拘束していく。
こうして、『太陽の幼樹』のメンバー暗殺計画はタカラとロキによって瞬く間に阻止されてしまったのであった。
ロキがちょうど全員を拘束し終えたところにタカラが合流する。
タカラも男を一人拘束している。
しかし、タカラの魔法のせいで外見は黒こげの状態であり、前の面影は一切ない。
タカラの回復魔法で何とか生きながらえているといった感じである。
「ロキさん、ご苦労だったね。ロキさんがいて助かったよ」
「いえいえ、私の相手はそれほど強くなかったので全然大丈夫ですよ。それより彼らはどうしますか?」
ロキは『不穏な影』の連中を指さしながらそう言う。
「こいつらは冒険者協会に引き渡そう。夜中だけど緊急事態だし、対応してくれるはずだよ」
「たしかにそうですね」
そう言うと、タカラとロキは冒険者協会へと向かう。
冒険者協会に着き、事情を説明すると、冒険者協会の幹部の1人が対応してくれることとなった。
「タカラさん、ロキさん、この度は本当にありがとうございます。この町の脅威がまたも『太陽の幼樹』の活躍により取り除かれました。感謝してもしきれません」
冒険者協会の幹部はそう言いながら頭を下げる。
「いえいえ、僕たちの仲間の命が狙われていたんですから当たり前です。それよりも、こんな夜中に対応してくださりありがとうございます」
タカラはそう言いながら頭を下げる。
「ところで、今回の暗殺計画は『疾風の黒豹』が依頼したものということでしたが明日のギルド対抗戦は中止にしましょうか。さすがに見過ごすわけにもいかないので……」
冒険者協会の幹部が深刻な表情でそう言う。
するとタカラはすかさず、
「できれば明日のギルド対抗戦は予定通り開催してほしいです。《月刊ニューヒーローズ》で大々的に宣伝して町の人たちも楽しみにしています。それに、僕たち『太陽の幼樹』のメンバーもギルド対抗戦のために頑張ってきました。明日はどうかやらせてもらえないでしょうか?」
タカラがそう懇願すると
「まあ、タカラさんがそう言うなら私どもはいいですが……ですが冒険者協会側としても暗殺を依頼したことを見過ごすことはできませんので、ギルド対抗戦の後にはきっちりと今回の件について対応させていただきます」
「ありがとうございます。それでよろしくお願いします」
こうして、明日のギルド対抗戦は予定通り行われることとなり、タカラ達はギルドに戻るのであった。
次の日の朝、何事もなかったかのようにロキはいつも通り朝ごはんの準備をし、タカラはコーヒーを飲んでいる。
「おはよー」
そう言いながらセトたちが1階へと降りてくる。
「みんな、おはよう。よく眠れたかい?」
タカラがみんなにそう尋ねる。
「うん、ばっちりだよ!」
セトが元気よくそう言う。
「よく眠れたけど、夜中なんかすごい音しなかった?」
マキがみんなにそう尋ねる。
「……聞こえたような……聞こえなかったような……」
「さあ……私はぐっすりでした!」
ムサシもテルルもよくわからなかったようである。
ブランとガンテはいつも通りご飯に夢中である。
「まあ、気のせいじゃないかな……ほら! マキたちもブランとガンテを見習ってしっかりご飯食べるんだよ」
タカラがそう言って話を逸らす。
「それもそうね! ごめん、気のせいかも!」
マキはそう言いながらご飯を食べ始める。
「みんな、今日はついに『疾風の黒豹』とのギルド対抗戦の日だ! みんなの実力を見せつけてやろう!」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
タカラの一言にみんなが声を合わせて返事をする。
こうしてセトたちはまさか自分たちが暗殺されようとしていたなどとは夢にも思わないままギルド対抗戦へと向かうのであった。
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