第38話 世界一の編集長
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
ある晴れた日、とある集団が世界最大のギルド都市「ストローグ」から始まりの町「コト」へと訪れていた。
《月刊ニューヒーローズ》の一団である。
タカラのギルド『太陽の幼樹』の取材のために始まりの町「コト」へと訪れたのだ。
その中には編集長と呼ばれている女性やローラの姿も見られる。
「ローラ、これからの予定は?」
編集長である女性がそう尋ねる。
「はい、今日は宿をとっているのでまずそちらに行きます。『太陽の幼樹』の取材は明日の昼からとなっております」
ローラはすかさずそう答える。
「そう、なら私は先にダンロッドさんのところへあいさつに行ってくるわ。ローラ、あなたもついてきて」
「わかりました」
ローラがそう答えると、編集長である女性はローラを連れてダンロッドのところへと向かう。
ダンロッドの邸宅まで着くと、門の前に立っている門番に話しかける。
「《月刊ニューヒーローズ》の編集長をやっております、ペンギーニと申します。ダンロッドさんはおられますか?」
ペンギーニがそう尋ねる。
「こっ、これはこれはペンギーニ様! すぐに確認してまいりますので少々お待ちください!」
門番は慌てた様子でそう言いながら邸宅のほうへと走って行く。
世界で最も読まれている雑誌の編集長という大物の突然の訪問に驚いているのであろう。
門番はすぐに帰ってくる。
「ペンギーニ様、お待たせしました。ダンロッド様に確認が取れましたので、どうぞ中にお入りください」
門番はそう言って門を開ける。
そして、ペンギーニは速やかにダンロッドのもとへと案内される。
ペンギーニが案内された部屋に入るとダンロッドが座って待っていた。
「ダンロッドさん、お久しぶりです。突然の訪問、申し訳ありません」
ペンギーニはそう言い、頭を下げる。
「ペンギーニ、久しいな。そうかしこまるな。私はもう引退した身で暇だからな、来てくれて嬉しく思う。まあ、座りなさい」
ダンロッドは気にしていないという様子でそう言う。
「ありがとうございます」
ペンギーニはそう言いながらダンロッドの対面に座る。
ローラはペンギーニから少し離れたところに立ち、2人の会話を見守っている。
ペンギーニが座ると、すぐにコーヒーが目の前に置かれる。
「今回用事でこの町を訪れることになったので挨拶にと参りました」
ペンギーニがそう言うと、
「タカラ君のギルドの取材であろう? 知っているよ」
ダンロッドはそう答える。
「さすがダンロッドさん、情報がお早いですね。その通りです」
「情報は大事だからね。この町のことはだいたい把握している」
ダンロッドは大したことないといった様子でそう言う。
「しかし、君が駆け出しのギルドの取材のためにわざわざこの町に赴くなんて珍しいじゃないか。『太陽の幼樹』に興味があるのか?」
ダンロッドがそう尋ねる。
「そんなことないですよ。昔お世話になったダンロッドさんに挨拶するために訪れたまでです」
ペンギーニはそう言いながらコーヒーを一口飲む。
「ふっ、君も嘘が下手だな。正直に言えばいいものを。私は『太陽の幼樹』に興味があってね。純粋に応援しているんだよ」
ダンロッドがそう言うと、ペンギーニは驚いたようにダンロッドの顔を見る。
(昔は自分の権力を大きくするためならどんな手段もいとわない冷酷無比な人だったのに。そんな人の口からこんな言葉が出るなんて信じられないわ。それほど『太陽の幼樹』を評価しているということかしら?)
ペンギーニはダンロッドの昔とのギャップに驚きながらそう思う。
「なんだ? 私が『太陽の幼樹』を応援することがそんなにおかしいか?」
ペンギーニの表情を見たダンロッドがそう尋ねる。
「いえ。ただダンロッドさんがそんなことを言うのは珍しいなと思いまして。少し驚いただけです」
ペンギーニはそう言うと、普通の表情に戻る。
「ふふっ、そうか。最前線を退いて、歳もとって丸くなってしまっただけだよ」
ダンロッドは笑いながらそう言う。
「ところで、『太陽の幼樹』の記事は何ページ掲載するつもりだい?」
ダンロッドが突然そのように質問する。
「まだ取材もしていないので、取材をしてから雑誌に掲載するかどうかを判断しますが、掲載するなら1ページの予定です。まだ設立して間もないギルドですし、この町での知名度は上がっているようですが世界的にみるとまだまだですので」
ペンギーニは真剣な表情でそう答える。
先ほどまでの表情とは違い、雑誌のこととなると完全に編集長の顔に切り替わっている。
「ふむ、確かにそうだが……1ページか。少ないな、4ページでどうだろう?」
ダンロッドがそう言う。
ダンロッドの突然の提案にペンギーニは唖然としている。
少し離れたところで聞いていたローラも驚きのあまり開いた口が塞がらないでいる。
「?……言っている意味が分かりませんが……確かに昔ダンロッドさんのおかげで《月刊ニューヒーローズ》の編集長まで上り詰めることができましたが、それとこれとは話が違います。《月刊ニューヒーローズ》の編集長は私です。なので雑誌のことは私が決めます」
ペンギーニはきっぱりと言い放つ。
「ふむ、何か勘違いしているようだが、昔の恩を返すために私のわがままを聞いてほしいと言っているのではない。君たちにとってそうしたほうがいいから言っているのだ。私の長年の勘がそう言っている。まさか私のスキルを忘れたわけではないだろう?」
ダンロッドは今までとは違う鋭い目つきでそう言う。
ダンロッドの鋭い目つきにペンギーニもわずかにひるむ。
(確かに……昔からダンロッドさんの言うことはほとんど間違ったことはないわ。それに、こういう話し合いになったときの威厳は昔のまま。引退してだいぶ丸くなったと思ったけど、どうやら私の勘違いのようね)
ペンギーニはそう思うと、
「わかりました。ダンロッドさんがそこまで言うのなら4ページの掲載に変更します」
ペンギーニはそう言う。
ローラは驚いたように目を見開いたまま2人の会話を見守っている。
「勝手に口出しをしてすまないね。聞き入れてもらえてよかったよ」
ダンロッドはそう言いながら笑顔を見せる。
先ほどの鋭い目つきがうそのようである。
「できればセトちゃんの写真を多めに使ってもらえるとありがたいのだが……」
会話の終わりにダンロッドがボソッとつぶやく。
「はい? なにかいいましたか?」
聞こえていなかったのか、ペンギーニはそう聞き返す。
「ゴホン!……なんでもない。これからも頑張ってくれ」
ダンロッドは大きな咳払いをしてごまかす。
「はい、ありがとうございます」
その後、少し雑談をしてペンギーニはダンロッドの邸宅を後にする。
♢
「編集長、本当によろしかったのですか? 駆け出しのギルドが4ページも掲載されるなんて前代未聞ですよ?」
宿への帰り道、ローラがペンギーニにそう尋ねる。
駆け出しのギルドであっても世界的に知名度があればあり得ない話ではないが、世界的にはそれほど有名ではない『太陽の幼樹』が世界で最も読まれている雑誌《月刊ニューヒーローズ》に4ページも掲載されるのは本来あり得ない話である。
「ダンロッドさんにあそこまで言われたらやらないわけにはいかないでしょ? それにダンロッドさんがあんなに肩入れするなんて今までなら絶対あり得ないわ。それだけ『太陽の幼樹』のことを評価しているということでもあるわ。明日会えるのが楽しみね」
ペンギーニはそう言いながら今まで以上に『太陽の幼樹』に興味を持つのであった。
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初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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