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第37話 町一番をめぐる戦い

お世話になっております。ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。



ここはギルド『疾風の黒豹』の拠点。

本日、『疾風の黒豹』のギルドマスターにより、『疾風の黒豹』全メンバーが呼び出されていた。

総勢50人ほどであろうか。

この町では圧倒的なギルドの人数を誇る。

さすがはこの町一番のギルドといわれているだけはある。

『疾風の黒豹』のメンバーはなぜ集められたのか分からず、ざわざわしている。


「みなさん、静粛に!」


『疾風の黒豹』のギルドマスターであるアカヤの一言でみんなが静まる。


「今日は集まってくれてありがとうございます。今回、みなさんに報告しないといけないことがあります。それは……ギルド『太陽の幼樹』とのギルド対抗戦が決まりました!」


アカヤがそう言うと、その場は一瞬シーンと静まり返る。


「うおおぉぉぉ!!」


そして、『疾風の黒豹』のギルドメンバーたちはいっせいに騒ぎ出す。


「やったぜ!」


「やっとあいつらに吠え面をかかせられるな!」


「どっちが上かはっきりとわからせてやる!」


ギルド内のあちこちでそのような声が聞こえる。

どうやら町で一番といわれている自分たちのギルドを差し置いて『太陽の幼樹』がちやほやされていたのが相当気にくわなかったのであろう。

その『太陽の幼樹』に仕返しができるとあってギルド内は大喜びである。

そして今までこの町では敵知らずであったせいか、彼らの頭の中に負けという文字は一切ない。

しかし、ギルド内が盛り上がりの熱気に包まれている中、一人だけ真逆の反応をしていた。

その人物とはコバルトである。


(『太陽の幼樹』とギルド対抗戦だって!? 普通はギルド間の親睦を深めるために行われるけど、今回は明らかに違う! 『太陽の幼樹』を辱めるためだけのものだ! 『太陽の幼樹』はこの町を救った恩人なのにそんなことしたら『疾風の黒豹』の評判がガタ落ちだ!)


コバルトは1人そう思いながら焦っている。


(それにみんなは『太陽の幼樹』の強さを知らないのか? ロックドラゴンを余裕で倒すような集団だぞ!? 勝てるわけがない!)


コバルトはさらにそのように思うと、どんどん顔が青ざめていく。

コバルトの思いとは裏腹にギルド内の盛り上がりはどんどん増していく。


(やっぱりだめだ! 命の恩人であるセトさん達に迷惑をかけるわけにはいかない! 何としても阻止しないと!)


コバルトはそう決心すると、


「ギルドマスター、ちょっと待ってください! 『太陽の幼樹』はこの町を救った恩人であり、今やこの町での人気もすごいです。ギルド間の親睦を深めるという目的でギルド対抗戦をやるならまだしも『太陽の幼樹』を(おとしい)れるようなことはすべきではありません!」


コバルトはアカヤにそう提言する。

ギルド内は一瞬にして静まり返り、みんなが(にら)むようにコバルトをみる。


「コバルト、君は『太陽の幼樹』の肩を持つのですか? そういえば君はサウザンドウルフが現れたときに『太陽の幼樹』のメンバーに助けられていましたね? 『太陽の幼樹』がみんなの前で(はずかし)めを受けるのがかわいそうになってきましたか?」


アカヤはコバルトにそう言う。


「それもありますけど……でもこんなことやるべきではありません! 『疾風の黒豹』の評判も落ちてしまいますよ!?」


「そんなことないですよ。むしろ『疾風の黒豹』のほうが強いと証明されてみんなが『疾風の黒豹』を称賛するでしょう。それに君1人の意見でギルド対抗戦をやめるわけにはいきません……それともコバルトはここにいる全員を敵に回すつもりですか?」


アカヤはそう言ってコバルトをにらむ。


「そっ、それは……」


コバルトもさすがにここにいる全員を敵に回すことはできず、黙ってしまう。


「少し水を差されてしまいましたが、やっと『太陽の幼樹』のやつらに『疾風の黒豹』の実力をわからせる時がやってきました。みなさん、今までの鬱憤(うっぷん)をここで晴らしましょう!」


アカヤがそう言うとギルド内は再び盛り上がるのであった。



一方、ギルド『太陽の幼樹』の拠点でもタカラとロキが何やら話し合っていた。


「ロキさん、実は『疾風の黒豹』のやつらとギルド対抗戦をやることになったんだ」


タカラがロキにそう伝える。


「そうでしたか。このまま終わるような奴らではないと思っていましたが、まさかギルド対抗戦を仕掛けてくるとは。『太陽の幼樹』の実力を甘く見ているようですね」


ロキがそう言うと、


「そうなんだ。だからやるからには徹底的にやらないとって思っているんだけど……この前の《月刊ニューヒーローズ》の担当者の人にもう一度連絡とってもらえない? この町一番のギルドとして取材をしてほしいと。ロックドラゴンとの戦いでこの町での知名度はかなり上がってきているからちょうどいいと思うんだよね」


タカラはニヤッと笑いながらロキにそう言う。


「わかりました。まかせてください」


ロキもニコッと笑いながらそう言う。


「どっちのギルドが上なのかってことを知ってもらうために、今回のギルド対抗戦はより多くの人に見てもらわないとね。もし《月刊ニューヒーローズ》に掲載させてもらえることになればこれ以上の宣伝はないよ」


タカラはそう言う。

『疾風の黒豹』に、どちらが上かをわからせるために利用できるものは何でも利用するという姿勢が見える。

ロキはそれを感じ取ったのか、


「スイッチが入ったときのタカラ君は本当に怖いですね」


ロキはそう言いながらも、満面の笑みでタカラのことを見ている。

どうやらロキも『疾風の黒豹』をコテンパンにしたいようである。



ここは世界最大のギルド都市「ストローグ」の中心地にある《月刊ニューヒーローズ》の本社。

その本社の、ある部屋にて一人の女性がものすごい勢いで仕事を進めている。


「編集長!」


そう言って、別の女性が部屋に入ってくる。


「どうしたの、ローラ?」


そう言いつつも、仕事をしている手は止めない。


「実は先ほどタカラさんのギルドである『太陽の幼樹』から連絡がありまして、ぜひとも『太陽の幼樹』を取材してほしいと」


ローラがそう言うと、女性は仕事をしていた手を止める。


「タカラのギルドが?……そう、思っていたより早かったわね。まあ、あの町では最近ロックドラゴンの一件もあったばかりだし、始まりの町「コト」でも『太陽の幼樹』の人気は上がってきているわ。今取材できるのはありがたいわね」


女性はそう言うとまた仕事をし始める。


「それでは『太陽の幼樹』の取材を引き受けるという方向で進めておきます」


ローラはそう言うと、一礼して部屋を出て行った。


読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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そして、コメントや感想などもお待ちしています!

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