第36話 一難去ってまた一難
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
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今日は個々での修行ではなく、みんなで魔物の溜まり場に行く予定となっている。
ガンテが新しくギルドメンバーに加わり、ガンテの実力を確かめるためである。
それだけでなく、各メンバーの成長度合いを確認するために、今日はタカラも一緒に行くようである。
タカラを含めた6人はクエストを受注するためにまずは冒険者協会へと向かう。
冒険者協会に入ると、中はいつも通り多くの人でにぎわっている。
「おい、『太陽の幼樹』だ!」
「セトちゃんかわいいー!」
「メンバー勢ぞろいだぞ。なんだかオーラがあるな」
冒険者協会内のあちこちからそのような声が聞こえてくる。
ロックドラゴンの一件でさらに注目を集めているようだ。
「『太陽の幼樹』ってこんなに有名なギルドだったのか?」
周りの冒険者の反応にガンテは驚いている。
どうやらガンテはロックドラゴンの一件のことをあまりよく知らなかったらしい。
なので、セトたちがロックドラゴンを倒したことも知らなかったようだ。
タカラ達は周りから噂されながら受付へと進む。
「あら、おはようございます、タカラさん。それに『太陽の幼樹』のみなさんも。今日はみなさんでクエストですか?」
タカラ達が受付に行くと、マイがそう言って対応してくれる。
「はい、今日はみんなで魔物の溜まり場に行こうと思ってます」
「そうですか。気を付けて行ってきてくださいね。『太陽の幼樹』のみなさんには余計な一言かもしれないですけど」
マイが笑顔でそう言う。
「そんなことないですよ。ありがとうございます」
タカラはそう言ってクエスト受注の手続きを済ます。
「それじゃあ行こうか」
タカラはみんなにそう言って出口の扉に向かおうとする。
するとちょうどそのとき、冒険者協会の扉が開き、10人程度の集団が入ってくる。
胸元には黒豹のマークがある。
ギルド『疾風の黒豹』のメンバーたちである。
「これはこれは今話題の『太陽の幼樹』のみなさんではありませんか! なんでもロックドラゴンを倒したとか! 町のみんなから噂され、さぞかしいい気分でしょう!」
集団の先頭に位置していた細身で筋肉質の男がそう言う。
どうやら『疾風の黒豹』のギルドマスターのようである。
「しかし、みんなもかわいそうですね。だまされているとは知らずに。普通に考えて、冒険者を始めて数か月の若造にロックドラゴンを倒せるわけがない。それに、ロックドラゴンの討伐にはあの有名な“剣神”カインもいたというではありませんか。どうせ“剣神”カインの手柄を譲ってもらいでもしたんでしょう。フッ、少し考えればわかるものを。だまされている奴らは本当に馬鹿な奴らですね」
『疾風の黒豹』のギルドマスターは鼻で笑いながらそう言う。
確かに、A級の魔物であるロックドラゴンは冒険者を始めて数か月で倒せるような相手ではない。
A級の魔物の恐ろしさを知っている人であればあるほど今回のような話は信じないであろう。
しかし、セトたちが倒したということは紛れもない事実であり、セトたちの才能や血のにじむような努力がそれを可能にしたのだ。
「ちょっと何言ってるんですか!? ロックドラゴンは私たちが協力して倒したんです! 適当なこと言わないでください!」
『疾風の黒豹』のギルドマスターの話に我慢ができずセトはそう反論する。
「……そうだな。今の言葉は撤回してもらわないと」
ムサシもかなり頭にきている様子である。
「おいおい、本当のことを言って何が悪い? お前らに倒せるわけねーだろ!」
「今では『疾風の黒豹』よりも上だとか言われているがそんなわけないだろ! 嘘つき野郎共に負けるわけがねー!」
セトとムサシの反論に対して、『疾風の黒豹』のギルドマスターの後ろにいた他の『疾風の黒豹』のメンバーたちもそのように野次を飛ばす。
「なんだと!?」
ムサシがイラついたようにそう叫ぶ。
「おっなんだ? やるのか?」
『疾風の黒豹』のメンバーの1人がそう言うと、剣の柄に手をかける。
それを見たムサシも刀に手をかけ身構える。
「ムサシ、やめろ!」
その瞬間、タカラがムサシにそう叫ぶ。
「ここで手を出したらお前もあいつらと同程度の人間になってしまうぞ。僕たちは世界一のギルドを目指すんだ。あんな奴ら相手にすることはない。武器から手を離せ」
タカラは静かにそう言う。
タカラにそう言われ、ムサシは刀から手を離す。
「世界一のギルドになるだと? フッ、笑わせる。あなたたちは私たちよりも弱いというのにどうやって世界一になるというのですか?」
『疾風の黒豹』のギルドマスターは呆れたようにそう言う。
「そうだ、いい機会です。ギルドとしてどちらが上かはっきりさせるためにもギルド交流戦をやりましょう」
『疾風の黒豹』のギルドマスターは続けてそう言う。
ギルド交流戦とは冒険者協会の仕切りのもと、ギルド間の交流を深めるというのが本来の目的である。
ギルドマスター同士の同意によって行われ、勝負形式もギルドマスター同士の話し合いによって決められる。
そして、ギルド対抗戦の勝敗は《月刊ニューヒーローズ》にて掲載されるギルドランキングの順位に影響することもある。
「勝負形式はギルドから5人選出して1対1の戦いを行い、3勝以上したほうの勝ちです。もちろんやりますよね?」
『疾風の黒豹』のギルドマスターはニヤニヤしながらタカラにそう問う。
自分たちが負けるとはみじんも思っていないのだろう。
「わかりました。やりましょう」
タカラは即答する。
「それと、ギルド交流戦なのですから、もちろんあなたも参加しますよね? ギルドマスター同士親睦を深めましょうよ」
『疾風の黒豹』のギルドマスターはまたもニヤニヤしながらタカラにそう言う。
(元S級パーティーだかなんだか知らないが、元S級パーティー『神秘の陽樹』で名前を聞くのはカインとトルーくらいだ。支援魔導士ごときこの私がぶっ倒してやる!)
『疾風の黒豹』のギルドマスターはタカラを見ながらそう思う。
「それでは2か月後に冒険者協会が所有している闘技場にて行うということで」
『疾風の黒豹』のギルドマスターはそう言うと冒険者協会を出て行く。
「なに、あいつら!」
「……むかつくな」
「言ってくれれば魔法でぶっ飛ばしたのに!」
「ブラン、冒険者協会の中で魔法はだめですよ」
『疾風の黒豹』のメンバーが冒険者協会を出て行った後、セトたちは口々に不満を言う。
「お前たちも結構大変そうだな」
ガンテは人ごとのようにそう言っている。
「じゃあ、気を取り直して魔物の溜まり場に行こうか」
タカラは何事もなかったかのようにそう言う。
「……タカラは悔しくないのかよ」
ムサシがそう言うがタカラは無視する。
(やるからにはどっちが上か徹底的にわからせてあげないとね)
タカラはそう決心し、不敵な笑みを浮かべる。
どうやらムサシの言葉は聞こえていないようだ。
ムサシはそのタカラの笑顔を見てぞっとするのであった。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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