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第34話 世界屈指の権力者

お世話になっております。ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。


ある晴れた日、タカラはギルドの一階でコーヒーをすすっていた。

セト、ムサシ、ブラン、テルルの4人は修行に向かい、マキは買い出しへと出かけている。

ガンテはボンじいのところへ『太陽の幼樹』に加入することになったという報告に行っている。

ロキはみんなが食べた朝食の後片付けをしている。


「タカラ君、そういえばこの前この町の権力者であるダンロッドさんの使いの方がいらしましたよ。ダンロッドさんがぜひともタカラ君に会いたいとのことです」


片付けを終えたロキがタカラのところにやって来てそう言う。


「えっダンロッドさんが!?……この町で一番の権力者が僕に何の用だろう?」


タカラは少し不安そうに言う。


「表向きはこの前のロックドラゴンの件でお礼がしたいとのことですが、実際のところはわかりません……まあ、最近頭角を現し始めている『太陽の幼樹』とつながりを持っておきたいだけだとは思いますが……」


ロキは眉間にしわを寄せながらそう言う。

情報通のロキであってもダンロッドの本当の目的はつかめていないようだ。


(はあ、ただ僕たちとつながりを持ちたいだけだと願いたいね……)


タカラはそう思いながらため息をつく。

ダンロッドとは、昔は世界最大のギルド都市「ストローグ」で有名な権力者として上り詰めた人物であり、世界的に見ても指折りの権力者である。

歳を取って最前線を退き故郷である始まりの町「コト」に帰ってきたものの、その狡猾(こうかつ)さや敏腕ぶりは健在の人物である。

味方であればとても頼りになる人物ではあるが、敵に回してしまうと厄介この上ない。

味方だと思っていたが、知らないうちにいいように利用されていたということもしょっちゅうであり、タカラやロキは関わらないのが一番いいと思っていたようである。

しかし、そんな人物から会いたいと言われてしまったのだ。

タカラがため息をついてしまうのも無理はない。


「できればこのまま関わらないで行きたかったけど、向こうから会いたいと言われたら行かないわけにはいかないよね。後でどんな事されるかわからないし……」


タカラはロキに相談する。

どうやらダンロッドのことを相当恐れているようである。


「そうですね。わざわざ向こうから使いの者を送って来てますし、会っておくのが一番いいでしょう」


ロキはそうタカラに応える。


「だよね……じゃあ、伺わせてもらうと伝えておいてもらってもいい?」


タカラはしぶしぶそう答える。


「わかりました」


ロキはそう言いながら苦笑している。

ダンロッドの使いにタカラが伺うということを伝えるとすぐに返事が返ってきた。

3日後に来てほしいとのことだ。



3日後、タカラはダンロッドの家の門の前に着く。


「なんだこれ……もはや家ではなくて城といったほうがいいんじゃないのかな?」


タカラはあまりの豪邸っぷりに、思わず口に出してそう言う。

門の入り口には門番が2人立っている。

タカラはそのうちの1人に話しかける。


「あの、今日ダンロッドさんと会う約束をしている『太陽の幼樹』のタカラです」


タカラがそう言うと、


「はい、タカラ様ですね。聞いております。どうぞ」


門番の1人がそう言い、入り口の門が開かれる。

門が開くと建物へと続く長い道があり、タカラはそこを通っていく。


(建物の中に入るのだけでも一苦労だね)


タカラはそう思いながら長い道を歩いていき、建物の入り口へと着く。

タカラが建物の入り口に着くと同時に建物の入り口が開く。

入り口が開くと、そこには一人の女性が立っており、タカラのことを出迎える。


「タカラ様、ようこそいらっしゃいました。ダンロッド様がお待ちです。どうぞこちらへ」


女性はそう言いながら、タカラをダンロッドのもとへと案内する。

タカラがその女性についていくと、ある部屋の前まで案内される。


「こちらでダンロッド様がお待ちです。どうぞお入りください」


そう言って女性が扉を開くとそこは応接室のようになっていた。

そして奥にはダンロッドが立ってタカラを出迎えている。

高身長ですらっとしており、立派なひげを蓄えている。

目は細長で鋭い目つきをしている。


「ようこそタカラ君。ダンロッドだ。会いたかったよ」


ダンロッドはそう言いながらタカラに椅子に座るように勧める。


「初めまして、ギルド『太陽の幼樹』のギルドマスターをしております、タカラです。よろしくお願いします。それと、これを……今日呼んでいただいたお礼です」


タカラはそう言ってタルトが入った袋をダンロッドに手渡す。

ショコラのお店のフルーツタルトである。


「これは?」


「私たちのギルド『太陽の幼樹』がいつもお世話になっているタルト屋のフルーツタルトです」


「わざわざ申し訳ないな」


ダンロッドはそう言いながら近くにいた使用人にタルトの袋を渡し、椅子に座る。

タカラもダンロッドが座ったのを確認してから椅子に座る。

2人が席に着くとすぐに使用人が2人分のコーヒーを持ってくる。


「改めて、今日は来てくれてありがとう。ギルド『太陽の幼樹』、もちろん存じておるとも。君たちのおかげで町は救われたようなものだからな。今日はそのお礼をしようと思ってな。おい、持ってきてくれ」


ダンロッドがそう言うと使用人が大きな箱をもってやってくる。

そして、その箱をタカラの前に置く。

そしてその箱をダンロッドが開けると、中には目を疑うほどの大金が入っている。


「全部で1億モルある。ロックドラゴンとサウザンドウルフ討伐の報酬として受け取ってくれ」


ダンロッドはそう言ってお金をタカラに差し出す。


「こんな大金……こんなもの受け取れませんよ……」


タカラはあまりの額にどうしていいかわからないという様子でそう言う。それに加えて心の中では、


(こんな大金受け取ったら向こうが何を要求してくるかわからないし……)


タカラはダンロッドが何か企んでいるのではないかと勘ぐっていた。

ダンロッドはそんなタカラの様子を見て、


「タカラ君、私が何か企んでいると疑っているのだろう?」


ダンロッドのその言葉に、タカラはドキッとする。


「なに、タカラ君のような若造の考えていることなどお見通しだよ。商談での人との駆け引きにおいて君とは経験が圧倒的に違う」


ダンロッドはタカラを見ながらそう言う。

タカラの背中に冷や汗が流れる。

タカラは今まで冒険者として何度も死線をくぐりぬけてきたが、今回は話が違う。

冒険者では味わったことのない、種類の違う恐怖を感じていた。


(さすがダンロッドさんだ。昔から積み上げてきた功績は伊達ではないね)


タカラはそう思いながらダンロッドのステータスを確認する。


ステータス

体力:B

魔力:E

パワー:A

スピード:C

知力:S

器用さ:S


スキル:<成功の火種>


(すごい……このステータスなら冒険者としても十分やっていける。いや、十分すぎるほどだ。それにスキル:<成功の火種>……これがダンロッドさんがいくつもの成功を収めてきた理由か)


ダンロッドはスキル:<成功の火種>により、どうすれば成功するのかということが本能的にわかるようだ。


(戦闘での駆け引きならまだしも、こういう駆け引きでは敵いそうにないね。これは下手に行動するよりも本音で話したほうがよさそうだね)


タカラはそう思うと、覚悟を決めるのであった。


読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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そして、コメントや感想などもお待ちしています!

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