第31話 欠けたレイピア
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
今日は5話分投稿します。よろしくお願いします。
セトは自分の武器であるレイピアを見つめながら悩んでいた。
(どうしよう……このまま戦うわけにはいかないよね)
セトはそう思いながらレイピアの欠けた剣先を見る。
この前のロックドラゴンとの戦いでレイピアの剣先が欠けてしまったのだ。
セトにとって自分の武器が壊れるというのは初めての経験であり、どうしていいかわからず悩んでいたのだ。
(カインさんなら剣を使ってるし同じ経験したことあるかも。カインさんに相談してみよう)
セトはそう思うと、準備をしてカインの家へと向かうことにした。
カインの家に着くと、セトはドアをノックする。
「カインさん、いますか?」
するとカインがドアを開けて出てくる。
「おう、セトじゃねーか。今日は修行は休みのはずだが、どうかしたのか?」
カインはセトを見るとそう尋ねる。
寝起きだったのか、髪がぼさぼさである。
(よかった、カインさん家にいた……カインさん髪ぼさぼさだ。なんだか新鮮だな)
セトはそう思いながら、カインが家にいたことにほっとする。
今日は修行がなかったので、家にいないかもしれないと心配していたのだ。
「実はちょっと相談があるんですけど……今大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だぜ。立ち話もなんだから中に入れよ」
カインはそう言ってセトに家の中の入るよう促す。
「ありがとうございます。お邪魔します」
セトはそう言うと家の中に入る。
「あら、セトちゃんいらっしゃい。この前は大活躍だったみたいね。おつかれさま」
家の中に入ると、台所に立っていた髪の長い、きれいな女性がセトにそう声をかける。
カインの妻のサナである。
セトはカインとの修行がある日に何回も家にお邪魔したことがあったのでサナとも何度も会っている。
カインの弟子ということもあり、とてもよく可愛がってくれるのだ。
「はい、ありがとうございます! カインさんが修行してくださっているおかげです」
セトは笑顔でそう言う。
「セトちゃんが必死に頑張っているからよ。でも、カインも喜んでると思うわ」
サナはそう言いながらニコッと笑う。
(サナさんの笑顔すごい癒されるなー。それにものすごく美人だし、私もあんなふうになりたい)
セトはそう思いながらサナの笑顔を見つめる。
外見で言えばセトも相当美人であり、全くサナに負けていないのだが、セト自身はそうは思っていないようだ。
「そういえば、今日はムサシ君は一緒ではないのね」
サナが不思議そうに言う。
「今日は相談があってきたらしいぜ。なっ? セト?」
カインがそう言うと、
「はい、そうなんです……実はこの前のロックドラゴンとの戦いで武器が壊れてしまって。自分ではどうしていいかわからなくて……カインさんに聞いてみようと思って今日は来たんです」
セトはそう言ってカインにレイピアを見せる。
「……剣先が欠けたのか。確かにセトとロックドラゴンとの相性は最悪だったしな。どうせセトも無茶したんだろ。大切に扱わないと武器に嫌われるぞ」
カインはそう言いながらレイピアを見つめる。
セトはカインの言葉に落ち込んでいる。
「けどまあ、壊れてしまったもんは仕方がねえ。直してもらうしかねえな……大丈夫だ、心配すんな。いいところ知ってるし、ちゃんと直ると思うぜ」
カインはそう言いながらセトを安心させようとする。
「そうと決まればすぐに出発だ。行くぞ」
カインはそう言うと着替えて、寝癖を直し、セトを連れて家の外へと出る。
そして、目的の場所へと歩き出す。
♢
もうかなり歩いたのではないだろうか。
町のはずれのほうまで来ている。
「結構遠いですね。もしかして町の外ですか?」
セトがカインにそう尋ねる。
「いや、もう見えてるぞ」
カインはそう言う。
セトは周りをきょろきょろと見渡してみるがそれらしき建物は見えない。
セトが見つけられずに困っていると、
「ここだ」
カインはそう言って洞窟のようなところに入っていく。
周りはツルのような植物で覆われており、入り口のようなものはない。
セトが気付かないのも無理はない。
セトがよく見てみると、かろうじて看板のようなものはかかっている。
「『小人の洞窟』?」
セトは看板に書かれてある文字を読んで首をかしげる。
少し不安に思いながらカインについていくと1つの扉が現れる。
カインが扉を開き中に入ると、そこには広い空間が広がっていた。
中は薄暗く、かまどの火だけが煌々と光っている。
「おーい、ボンじい、いるかー?」
カインが大声で呼んでみる。
すると奥のほうから背の小さなドワーフが姿を現す。
「そんなに大声を出さなくても聞こえとるわい……それにしても珍しい客が来たのう。カインや、いったい何の用じゃ? お前さんは冒険者を引退したと聞いたがのう」
ボンじいがカインにそう言う。
「勝手に引退させんじゃねーよ。パーティーを解散しただけだぜ」
カインはすかさずそう言う。
「それに今日は俺じゃなくてこいつの用事だ」
カインはそう言ってセトをボンじいの前へと出す。
「はっ、はじめまして。ギルド『太陽の幼樹』のセトと申します。よろしくお願いします」
セトは緊張した様子でボンじいに自己紹介する。
「ほお、お前さんエルフか。エルフに会うのは久しぶりじゃのう。テトラ姫以来かのう。それで、エルフの嬢ちゃんがワシに何の用じゃ?」
「実は私の武器が壊れてしまって……どうしたらいいかわからなくてカインさんに相談したらここに連れてきてくれたんです」
セトはそう言ってレイピアをボンじいに見せる。
「これはレイピアじゃのう……なるほど、先が欠けておるのう。これをワシに直してほしいと……そういうことでいいのかのう?」
ボンじいはレイピアを見ながらそう尋ねる。
「おう、そういうことだ。ボンじい、どうにか頼むぜ」
「はい、お願いします!」
カインとセトがボンじいにお願いする。
「まあ、カインの頼みでもあるし、それがワシの仕事じゃからのう。そうじゃのう……直るまで一週間といったところかのう。一週間後にまた取りに来てくれのう」
ボンじいはレイピアから目を離すことなくそう言う。
「セト、よかったな。ボンじいはやりたいと思わないと仕事を受けてくれないからな。そのかわり腕は本物だ。俺が保証するぜ」
カインがほっとしたようにそう言う。
どうやらカインでもボンじいが仕事を受けてくれるかはわからなかったらしい。
「何を言うんじゃ。カインのことはかなり評価しているからのう。お前さんの頼みなら大体は聞いてやるぞう。それに……このレイピアには何かが宿っておるのう……この感じ……多分なにかの神じゃのう」
ボンじいは何気ない感じで衝撃の発言をする。
「えっ、わかるんですか!?」
セトは驚きながら勢いよくそう問う。
「なに、ただの勘じゃ。長い間武器に対して真剣に向き合ってきた長年の勘じゃのう。本当に宿っているかどうかはワシにもわからんがのう」
ボンじいはまた何気ない感じで言う。
「そうですか……」
セトは少し落ち込んだ感じでそう答える。
レイピアについて何かわかると思ったのだろう。
「だが、ボンじいがそう感じるってことは本当に宿っている可能性は高いと思うぜ。まあ、そのうちわかる時が来るんじゃねえか?」
カインがそう付け加える。
「そうですね。いつか会えることを楽しみに待ってます!」
セトはそう言うと、笑顔を見せる。
「それじゃあ、帰るか。ボンじいの邪魔をしても悪いしな」
カインがそう言う。
「はい。それではボンじいさん、よろしくお願いします」
セトはそう言い、カインと一緒に帰ろうとする。
ちょうどそのとき、
ーーガチャ。
店の扉が開き、一人の男が入ってきた。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
もしよろしければブックマークに追加、そして下の評価☆☆☆☆☆を押して応援していただけると嬉しいです。モチベーション上がります!
そして、コメントや感想などもお待ちしています!
よろしくお願いいたします。




