第29話 S級冒険者
お世話になっております。ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
今日はもう1話分投稿します。よろしくお願いします。
その頃カインはロックドラゴンとの戦いを繰り広げていた。
ーーキンキンキン!
カインはロックドラゴンの攻撃を完璧に防いでいる。
しかし、ロックドラゴンも無傷であり、ダメージを受けている様子はない。
これはカインの攻撃がロックドラゴンに通じていないのではなく、カインが攻撃を繰り出していないのだ。
はたから見ている人はカインが防戦一方であると勘違いするであろう。
(町からだいぶ離れたし、そろそろ大丈夫か?)
ロックドラゴンの攻撃を防ぎながらカインはそう思う。
最初にロックドラゴンと戦い始めたところから町とは反対方向にかなり移動している。
カインは万が一でも町に被害が出ないようにロックドラゴンと戦いながらロックドラゴンを誘導していたのだ。
しかし、ロックドラゴンはA級の魔物であり、戦いながら誘導するなど並大抵のことではない。
カインだからできる芸当なのだ。
ーーキンキンキンキンキン!
ロックドラゴンの攻撃がだんだん激しさを増していく。
なかなかカインに攻撃を当てることができずイラついているのであろうか。
「ギャオオォ…………」
なかなか攻撃を当てることができないことにしびれを切らしたロックドラゴンが大きな咆哮をあげようとする。
しかし、ロックドラゴンの咆哮は途中でさえぎられる。
ーードサッ。
気が付くと、ロックドラゴンの頭が首から切り離されており、地面へと落ちる。
「うるせぇよ」
カインはそう言うと、剣に付いた血を払い、剣をしまう。
どうやらロックドラゴンの咆哮が終わる前にカインの一撃によってロックドラゴンの頭が切り落とされたようだ。
「久しぶりの実戦でテンションが上がっていたが拍子抜けだな。まあ、町に被害はないからいいか」
カインはそう言うと町に戻るのであった。
「おーい、カイン!」
カインがロックドラゴンを倒し終えて町へ向かっていると、後ろのほうからカインを呼ぶ声が聞こえてくる。
カインが振り返るとタカラがこっちに向かって走ってくる。
「おう、タカラか。サウザンドウルフは倒したのか?」
「うん、ばっちりだよ。あとで素材取りに戻らないとだけどね」
「そんなもんいらねえだろ。お金なら持ってるだろ?」
「僕はギルドを立ち上げたし、ギルドの資金はいくらあってもいいからね」
タカラは笑顔で答える。
「そうか。なら俺が倒したロックドラゴンの素材ももらっておけよ」
「じゃあ、遠慮なく」
2人はそう言いながら冒険者協会へと向かう。
タカラとカインが冒険者協会に着くとそこにはセトたちの姿もあった。
タカラ達が冒険者協会に着く少し前にセトたちも到着していたようだ。
「タカラ! カインさん!」
セトがタカラとカインの姿を見つけ走ってくる。
ムサシ、ブラン、テルルもタカラ達のもとに走ってくる。
「やあ、セト。それにみんなも。町の外が騒がしいようだったけど大丈夫だった?」
タカラがみんなに問う。
「うん、みんなでロックドラゴンを倒したよ! ちょうど今その報告をしていたところ!」
セトは嬉しそうに言う。
「ロックドラゴンを!?……カインが倒したやつ以外にもう一頭いたなんて……それをセトたちが倒しただって!? すごいじゃないか! よくやったね!」
タカラはロックドラゴンがもう一頭いたことに驚いていたが、それをセトたちが倒したことにさらに驚きながら言う。
(最近はカインのもとで修業していたからどれほど強くなったかわからなかったけど、そんなにも強くなっているなんて。本当によくやったよ!)
タカラは嬉しそうにそう思う。
「まあ、俺と修行しているんだから当たり前だな。相手によって相性はあるが、セトとムサシは1人でもA級の魔物と渡り合えるだけの力はあると思うぜ」
カインは、俺はわかっていたと言わんばかりに自慢げに言う。
「まあ、俺とタカラは他の魔物の対応をしていたからな。他にロックドラゴンに対応できる奴はいなかったし、今回はお前たちに助けられたぜ。よくやったな!」
カインはそう言いながら、4人の頭にポンポンと手をのせて褒める。
セトたちもカインとタカラに褒められて嬉しそうだ。
そうしていると、冒険者協会の幹部の1人が6人の前へとやってくる。
「カインさん、タカラさん、そして『太陽の幼樹』のメンバーのみなさん、今回は町を守ってくださり本当にありがとうございました。みなさんがいなければ今頃この町はどうなっていたことか……想像するだけで恐ろしく思います」
そう言うと、冒険者協会の幹部の1人は深々と頭を下げる。
「頭を上げてください。もともとそういう計画でしたし、僕たちはみなさんの役に立てて嬉しい限りです。また町に何かあったときは協力していきましょう」
みんなを代表してタカラがそう言う。
「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。今回の報酬ですが、額もかなり大きくなると思いますのでまた後日お渡しします。冒険者協会の調べではこれ以上この町に魔物が襲ってくることはないとのことですが、念のためもう少し警戒をよろしくお願いします」
「はい、わかりました」
タカラがそう言うと、冒険者協会の幹部は一礼して奥へと戻っていった。
「よし、みんなもうひと踏ん張りだ! 最後まで気を抜かないように頑張るよ!」
「「「「はい!」」」」
タカラがそう言うと4人は元気よく返事をする。
こうして6人は町の警戒へと戻るのであった。
♢
一方その頃、ベレス山脈では、
「あーあ、疲れた」
ビートはそう言いながら、地面へと座り込む。
その横には大きな龍の首が横たわっている。
「やっぱりS級ともなると手ごわいな。防具もボロボロだぜ。また直してもらいに行かねーと」
ビートは自分の防具を見ながらそうつぶやく。
確かに防具はボロボロであり、ビートは満身創痍だ。
しかし、大前提として、そもそもS級の魔物に2人で挑戦すること自体がどうかしている。
さらに、それを討伐するとなるとなおさらである。
つまり、ビート達が異常なのだ。
「ビートさん、お疲れ様です。S級の魔物を一人で倒すなんて、やっぱりビートさんはさすがですね」
冒険者協会での会議でビートの後ろに立っていた若い男が言う。
「いや、俺だけじゃなくてお前もいるだろ? お前の回復魔法と支援魔法がなかったら討伐できていなかっただろうからな。助かったぜ」
「いえいえ、僕は大したことしてませんから」
若い男は謙虚にそう言う。
「ほんとにお前は謙虚だなー。だからギルドのやつらになめられるんだよ。さっさとS級冒険者になっちまえよ」
「ははっ、僕は支援魔導士ですよ? S級冒険者になんてなれませんよ」
「またそれかよ……まあ、お前がいいならいいけど」
ビートはそう言うと、呆れたそぶりを見せる。
ビートは思っていないことは言わない性格だ。
この若い男が本当にS級冒険者になれると思っているのであろう。
「疲れたしさっさと帰ろうぜ、ホロロ」
「はい、そうですね、ビートさん」
そう言って二人は帰りの準備を始める。
こうしてベレス山脈での一件は無事終わりを迎えたのである。
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