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第27話 A級の魔物

お世話になっております。

ヘイホーみりと申します。

この作品を選んでいただきありがとうございます。

誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。


「なに今の!?」


セトは衝撃と音にひどく動揺しながらそう言う。

コバルトは何が起こっているのかわかっていない様子で、唖然としている。

衝撃と音は町の西門のほうから聞こえてきた。


「あなたは今のことを冒険者協会に伝えてきて!」


セトはコバルトにそう言う。


「セトさんはどうするんですか!?」


「私は様子を見に行ってくる」


「そんな……一人では危ないですよ!」


「誰かが行かないと他の誰かが犠牲になってしまうかもしれない。大丈夫、私は簡単には死なないから。サウザンドウルフの時だってそうだったでしょ? だから、早く冒険者協会へ報告を!」


セトは力強く言う。


「……わかりました。気を付けてください!」


コバルトはそう言うと振り返り冒険者協会へと走り出す。

コバルトは悔しそうに歯を食いしばる。


(僕にもっと力があれば。セトさんと一緒に戦えるくらいの力があれば!)


コバルトはそう思いながら、冒険者協会へと急ぐ。

残念だが、今のコバルトにはそれくらいしかできることがない。


セトは町の西門を通過し、衝撃と音のあったほうへと向かう。

そして、その正体を突き止める。


「あれは……ロックドラゴン!?」


セトは大きなドラゴンの姿を目にとらえる。

岩のような体をしており、体長は20メートル以上ありそうである。

かなりの勢いで着地したのであろう。

地面がクレーターのようにへこんでいる。

セトはロックドラゴンの目の前に立つと、迷うことなくレイピアを抜く。



一方その頃、町の南門のほうでも異変が起きていた。

なんと南門の近くでもロックドラゴンが現れたのである。


「ロックドラゴンだ! ロックドラゴンが現れたぞー!」


南門から少し離れたところにいるロックドラゴンを見つけた町の住民が大声で叫ぶ。

すると、南門の近くにいた人たちは慌てていっせいに逃げ出す。

そんな中、大勢の人の流れとは反対方向に向かう人物が2人。

タカラとカインである。


「やっとお出ましだ。待ちくたびれたぜ」


カインは嬉しそうにそう言う。


「カイン、嬉しがってる暇はないよ。町に被害を出さないようにしないと」


「わかってるって」


カインはすかさずそう言う。


「あーあ、すごい暴れてらぁ」


ロックドラゴンが目視できる距離に来たカインはそう言う。

タカラとカインはロックドラゴンとの戦闘のための準備に入る。

そのとき、タカラがあることに気づく。


「……あれは?」


ロックドラゴンの右斜め後ろの方向で大きな砂ぼこりが起こっている。

そして、その砂ぼこりはどんどん町に近づいてきていた。


「あれは……サウザンドウルフの群れか!?」


タカラは砂ぼこりの正体を突き止めてそう言う。


「あの数のサウザンドウルフが町のほうに行ったら町は崩壊してしまう。カイン、僕はサウザンドウルフの対処に行くよ」


タカラは落ち着いた様子でそう言う。


「おう。頑張れよ」


カインはタカラのほうを見ずにそう言う。

どうやらタカラの心配は少しもしていないようだ。

それに、カインはロックドラゴンから目を離さない。

完全にロックドラゴンにロックオンしたようだ。


(カインったら完全にやる気だね。まあ、ビートにあんなこと言われたらそうなるか)


タカラはそう思うとサウザンドウルフのほうへと急いで向かう。


「しかし、俺とタカラがそれぞれ対応に迫られるとなると、もう一匹A級の魔物が出てきたらやばいな。この町に対応できる奴なんていねーぞ」


カインは少し焦る。

ロックドラゴンはA級の魔物であり、よほどのことがない限りベレス山脈から動くことはない。

なので、始まりの町「コト」では今回のような緊急事態を除いて、A級の魔物が来ることなどほとんどないのだ。

しかも、普段はおとなしい性格のロックドラゴンであるが、今回は自分の住処であるベレス山脈を追い出されたようで、ひどく怒っている様子だ。


「……いや、対応できる奴らはいるか。忘れてたぜ」


カインはそう言ってニヤッと笑う。

そして、不安がなくなったとわかった瞬間、剣を構えてものすごいスピードでロックドラゴンへと向かっていく。



一方、再び西門。

ロックドラゴンと対峙しているセトはロックドラゴンとにらみ合う。

お互いに距離を保ったまま様子を見ている。


(このまま時間を稼げたらいいけど……)


セトはそう思っていたが、ロックドラゴンはしびれを切らしたのか、セトのほうに突進してくる。


(来た!)


セトはロックドラゴンの攻撃を何とかかわす。


(突進のスピードは遅いと思ったけど、体が大きいから今よりもスピードを下げたらよけきれなくなる。もう少しスピードを上げよう)


セトは冷静に相手の分析する。

カインとの修行の中で学んだことの一つである。

勝つためにはまず相手の情報を得る必要がある。

そして、戦いながら相手の長所や短所を冷静に見極めるのだ。

セトはスピードを上げ、ロックドラゴンの攻撃をかわしていき、レイピアで攻撃を加える。


ーーガキィン!


剣と岩が交わったような鈍い音がする。


(固い!)


セトはそう思うと、いったんロックドラゴンから距離をとる。

攻撃を加えたところを凝視するが、大したダメージは与えられていないようである。


(でも、私が戦っていないと町のほうに行ってしまうかもしれない。それだけは絶対阻止しないと)


セトはそう思うと、目にもとまらぬ速さでロックドラゴンへと向かっていく。

あまりの速さにロックドラゴンは全く反応できていない。

その間に、セトは次々と攻撃を加えていく。

しばらくの間、セトがスピードで圧倒する展開が続く。

すると、遠くのほうから何やら声が聞こえてくる。


「おーい! セトさーん!」


声の主はコバルトである。

後ろには何人かの冒険者も連れている。

冒険者協会へ報告した後、その場にいた冒険者を引き連れてすぐにやってきたようである。

町一番のギルド『疾風の黒豹』のメンバーの声掛けということもあり、他の冒険者も文句を言わずについてきてくれたようだ。

しかし、その冒険者たちもロックドラゴンを見て、来たことを後悔する。


「おっおい! あれはロックドラゴンじゃないか! こんなの聞いてないぞ!」


「あんなのに敵うわけない!」


冒険者たちはいっせいに騒ぎ出す。


「でも見ろよ! 誰かすでに戦っている様子だぞ!」


冒険者の1人がそう言うと他の冒険者たちが目を凝らす。

すると、かろうじて人の姿を確認することができる。

セトのスピードが速すぎて注意して見ないと確認できないのだ。


「本当だ! しかもロックドラゴンを圧倒しているぞ! これは俺たちがいなくても勝てるんじゃないか?」


その一言に、他の冒険者たちの顔が明るくなる。

そんな中、コバルトの表情は暗いままである。


(本当にセトさんが圧倒してればいいんだけど……)


コバルトは何もすることができず、心配そうにセトとロックドラゴンの戦いを見守る。

戦いの次元が違いすぎて戦闘に加わるとセトの邪魔になるとわかっているのである。

そんな中セトは、ロックドラゴンに対して攻めあぐねていた。


(私の攻撃では大したダメージは与えられない。私の武器とも相性が悪いし……せめて私にもっとパワーがあれば……)


セトの武器であるレイピアは突き主体の武器であるためロックドラゴン相手では相性が悪いのだ。

セトはそう思いながら悔しそうに歯を食いしばる。

そのとき、セトが移動した先にタイミング悪くロックドラゴンのしっぽが向かってくる。


(しまった! よけきれない!)


セトがとっさにレイピアで受けようとしたそのとき、ある男が流れるような動きでセトとロックドラゴンの戦いに割って入り、ロックドラゴンに一太刀を浴びせる。

その攻撃の強さのあまり、攻撃が当たった部分にひびが入る。

セトが今まで大したダメージを与えることができなかった相手に初めて大きなダメージを与える。


「ギャウゥゥゥゥ!」


ロックドラゴンは大きな声で叫び、大きくのけぞる。

それにより、セトもしっぽの攻撃から逃れる。


「ムサシ!」


セトは戦いに割って入った男のほうを見ながら言う。

そこにはムサシの姿があった。

ムサシが応援に駆け付けたのだ。


「ムサシ、ありがとう!」


「……みんなでこいつを倒すぞ」


ムサシはロックドラゴンから目を離さずにそう言う。

ムサシからそう言われセトが周りを見渡すと、そこにはブランとテルルの姿も見える。


「よし、いくよー!」


「みなさん、回復は任せてください!」


ブランとテルルも気合十分である。

こうして、ロックドラゴンの目の前にギルド『太陽の幼樹』の4人組が集結したのである。


読んでくださりありがとうございます!

初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。

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モチベーション上がります!

そして、コメントや感想などもお待ちしています!

よろしくお願いいたします。

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