第16話 緊急事態発生
お世話になっております。
ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
今日も5話ほど投稿するつもりです!
初めての魔物の溜まり場攻略から3か月が過ぎた。
4人はというと、あいかわらず修行に明け暮れる毎日である。
個々にクエストをこなしたり、みんなで魔物の溜まり場に行ったりという感じだ。
魔物の溜まり場にもかなり慣れてきており、C級相当の魔物の溜まり場であれば傷を負うこともなく攻略できるようになった。
体力、魔力の配分も上手になり、多数の魔物に対する対処も難なくこなすようになってきている。
特にセトは冒険者の貫禄のようなものが出てきた。
スキル:<剣聖>の影響であろうか。
並大抵の魔物では負けるイメージが全くわかないほどである。
(みんなほんとに強くなったね)
タカラはしみじみと思う。
数か月前までは駆け出しの初心者だったのでそう思うのも無理はない。
今日は個々にクエストをこなす予定となっている。
「行ってきまーす!」
セトはそう言って元気よくギルドを出発する。
ムサシとブランはまだ寝ているようだ。
テルルは用事があるらしく、もうすでに出発したようだ。
(とりあえず冒険者協会に行ってクエストを受注しようかな)
セトはそう思い、冒険者協会のほうへと向かう。
冒険者協会に着くと、たくさんあるクエストの中からどれを選ぶか決める。
(最近は討伐クエストが多いわね。どれにしようかな?)
セトは少し悩む。そのとき、
「大変だー! 町のすぐ近くでサウザンドウルフが出た!」
一人の男性が冒険者協会に駆け込んできて大声でそう言う。
その言葉に、冒険者協会の中が騒然とする。
サウザンドウルフとは、普段は町の南に位置しているベレス山脈の中腹に生息しているB級の魔物である。
ただし、B級の魔物の中でも上位の魔物であり、かなり獰猛な魔物である。
始まりの町「コト」の周辺でもB級の魔物が出ないわけではないが、この町の周辺で出るB級の魔物はサウザンドウルフほど獰猛ではない。
なので、出たとしても早急に対応する必要はない。
しかし、今回は早急に対処しなければ町に被害が出たり、犠牲者が出る可能性がある。
「皆さん落ち着いてください! 直ちに冒険者協会から緊急依頼クエストを出させていただきます。対応可能な冒険者の方は速やかに対応お願いします」
冒険者協会の受付嬢であるマイがその場にいた冒険者に対してそう言う。
しかし、その場にいる冒険者たちはすぐには動かずにどうするか迷っている人が多い。
冒険者として対処しなければいけないことはわかっているが、命を落とすのが怖いのだ。
それほどサウザンドウルフは冒険者にとって厄介な魔物なのだ。
そんな中、セトはすぐに冒険者協会を飛び出していた。
(一度ギルドに戻りたいけど、そんな余裕はないかも。早く行かないと犠牲者が出る可能性がある)
セトはそう思うと、スピードを上げる。
サウザンドウルフが現れたのは町の南門の近くである。
セトがたどり着くと、南門からもう少し離れたところで戦闘音が聞こえる。
(あそこね)
セトはそう思うとすぐにその場へ向かう。
すると、サウザンドウルフと数人の冒険者がすでに戦っていた。
しかし、戦っていた冒険者はボロボロの状態であり、何とか足止めをしていたという感じである。
セトが来るのが少しでも遅れていたら手遅れであっただろう。
「“風魔の暴風”!」
セトは少し離れたところから魔法を放つ。
サウザンドウルフはそれを読んでいたのか、魔法をかわして距離をとる。
その隙にセトは戦っていた冒険者たちの元へと駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
セトは心配そうにそう言う。
「あ……あぁ……なんとか」
冒険者の1人が苦しそうに言う。
話せるみたいではあるが、もう戦うのは無理そうである。
「私がサウザンドウルフの相手をするのであなたたちは逃げてください」
セトは落ち着いた様子でそう言う。
「あなた一人で!? それは無茶だ! 命を落とすぞ!?」
「いいから早く!」
珍しくセトが大きな声でそう言い放つ。
サウザンドウルフが目の前にいる状況下で、悠長にしている暇はないのだ。
「わ、わかった。応援を呼んでくる」
冒険者の1人がそう言い、他の冒険者たちを連れて町のほうへと向かっていく。
セトはサウザンドウルフと対峙する。
(実際に対峙してみるとかなり大きい……5メートル以上はあるかも。一人で倒せるかどうかわからないけど、時間を稼げばタカラ達が必ず助けに来てくれるはず!)
セトはそう思い、レイピアを構える。
それと同時に、サウザンドウルフが間合いを詰めてくる。
(速い!……でも、対処できないスピードじゃないわ)
セトはサウザンドウルフの攻撃を余裕をもってかわす。
サウザンドウルフは間髪入れず次の攻撃を繰り出してくる。
セトはまた余裕をもってかわす。
(攻撃をかわすのは問題ないわね)
セトはそう思うと、次の攻撃をかわすと同時に、レイピアでの攻撃を加える。
「ガウゥゥ……」
サウザンドウルフの後ろ脚に見事に攻撃が決まり、血を流している。
(よし! これならいける!)
セトはそう思うと、さらにスピードを上げ今度は自分から仕掛ける。
ものすごいスピードでサウザンドウルフの周りを移動し、サウザンドウルフを攪乱する。
そして、離れ際にレイピアでの攻撃を加えていく。
サウザンドウルフは完全にセトのスピードのついていくことができず、その場に立ち尽くしている。
はたから見ると、セトが速すぎてサウザンドウルフが勝手に傷を負っていっているように見えるのではないだろうか。
サウザンドウルフも抵抗しようとするが、セトの猛攻によってかなり疲労が溜まっているのだろう。
そしてついにサウザンドウルフの足が一瞬ガクッと落ちる。
(ここだ!)
セトはその隙を見逃さなかった。
「“風の鞭”!」
セトがそう唱えると、風の鞭がサウザンドウルフに絡みつき、動きを封じる。
そして、サウザンドウルフの動きが止まった瞬間、セトの渾身の突きがサウザンドウルフの心臓を貫く。
サウザンドウルフは力尽き、その場に倒れこむ。
「やった! 私一人でも倒せた!」
セトは大喜びでそう言う。
まさか一人で倒せるとは思っていなかったのであろう。
「セト! 大丈夫!?」
遠くのほうからセトの名前を呼ぶ声が聞こえる。
タカラ達である。
どうやらサウザンドウルフのことを聞きつけて応援に来たようだ。
ムサシ、ブラン、テルルも一緒である。
「みんな! 私一人で倒せたよ!」
セトは興奮気味でそう言う。
「すごいよ、セト!……でも、何より無事でよかった」
タカラはそう言うと、セトを抱きしめる。
「セト、すごいよ! お手柄だね!」
「……無事でよかった」
ブランとムサシもセトの活躍と無事を喜んでいる。
(タカラあったかい。私、頑張ってよかった)
セトはタカラの胸の中でそう思い、嬉しそうに笑うのであった。
読んでくださりありがとうございます!
初めての小説投稿ではありますが、小説化、漫画化目指して頑張ってます。
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