第15話 魔物の溜まり場
お世話になっております。
ヘイホーみりと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字、おかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
明日も可能であれば5話投稿する予定です!
魔物の溜まり場。
それは言葉通り、世界中に存在する魔物の溜まり場である。
魔物は世界中、様々な場所に存在するが、中でもひときわ魔物が溜まりやすい場所がある。
詳しい原因は不明だが、人々はそれを魔物の溜まり場と呼ぶ。
魔物の溜まり場の形式は様々であり、普通に森の中にあったり、洞窟、魔法陣の転移先にあったりなんかもする。
もちろん、まだ見つけられていない魔物の溜まり場もいくつも存在する。
始まりの町「コト」の周辺にも魔物の溜まり場はいくつか存在するが、今日はその中の一つである魔物の溜まり場に行く予定である。
今日は初めての魔物の溜まり場ということもあり、タカラも4人と一緒に魔物の溜まり場に同行するつもりである。
歩いて2時間くらい経ったであろうか。
やっと今回の目的である魔物の溜まり場の入り口にたどり着く。
見た目は大きな洞窟といった感じだ。
「さあ、今回の魔物の溜まり場に着いたよ。ここはC級の魔物が主で、ボスの魔物は存在しない。C級の魔物なら大丈夫と思うかもしれないけど、魔物の溜まり場では魔物の数が多い。その辺を気を付けながら進むんだよ。ちなみに僕は手出ししないつもりだからね」
魔物の溜まり場に入る前にタカラはそう忠告する。
タカラの言葉に4人の表情が引き締まる。
「フォーメーションはセトとムサシが前衛、ブランが中衛、テルルが後衛だ」
タカラがそう言う。
「緊張するね」
「そうですね」
セトとテルルがそう言う。
「……」
何も言わないが、ムサシもかなり緊張している様子だ。
「早く行こうよ!」
ブランは逆にワクワクしている様子だ。
「3人とも緊張することはないよ。みんなの実力なら大丈夫だ。自信をもって」
タカラはブランをよそ目に、3人を落ち着かせるため、そう言葉をかける。
「じゃあ行こうか」
タカラの合図で5人は魔物の溜まり場へと入る。
進んでいくにつれ洞窟の入り口から差し込んでいた光が届かなくなっていき、どんどん暗くなっていく。
「“太陽の暖光”」
タカラがそう唱えると小さな太陽のようなものが出現し、あたりを照らす。
それは小さく、しかし力強く輝いており、温かみを感じ、落ち着きが増すような感覚になる。
「すごーい! 私もやりたい! “太陽の暖光”」
セトは目を輝かせながらそう言い、魔法を唱える。
すると、小さな太陽のようなものが現れる。
ブランも同じようにまねをしている。
「私たちのギルド名にも太陽が入ってるし、この魔法好きかも!」
セトは嬉しそうに言う。
それを聞いていたムサシが、
「……タカラ……その魔法俺にもできるかな?」
ムサシはタカラに尋ねる。
タカラはムサシのほうを向き、
「この魔法はそんなに魔力を使わないから、ムサシでも出来ると思うよ」
タカラはニコッと笑いながら言う。
「頭の中にイメージして、それを具現化するように……」
タカラはムサシにアドバイスする。
「……こうかな?」
ムサシは何回か繰り返すが、なかなか魔法は発動しない。
「……俺には無理か……」
ムサシは残念そうにそう言う。すると、
「ムサシ、もう一度。もう一度頭の中にイメージして。そしてそのイメージに『太陽の幼樹』での思い出も付け足すんだ」
タカラはそう言う。
(『太陽の幼樹』での思い出……しんどいこともたくさんあったけどみんなと切磋琢磨して、タカラにもたくさんほめてもらって……帰ったらロキとマキが温かく迎えてくれて、みんなで一緒にご飯を食べて……)
ムサシがそのように思い出すと、ムサシの目の前にパッと小さな太陽のようなものが現れる。
魔法が成功したのだ。
「……やった!」
ムサシはとても嬉しそうにそう言う。
「やったね、ムサシ!」
「上出来だよ!」
「やりましたね!」
セト、ブラン、テルルも一緒になって喜んでいる。
(魔力、器用さ、どちらもステータスはEだけど、ムサシの想像力が上回ったね。よかったよかった)
タカラも嬉しそうな顔でそう思う。
「さあ、みんな気を引き締めて。そろそろ魔物が出てくるよ」
タカラはそう注意する。
すると、奥からわらわらと大きなクモのような魔物が姿を現す。
「タタラントだ。みんな位置について!」
タカラがそう言うと、みんなはすぐに戦闘態勢になる。
(ま、魔物が出てきた……みんなと魔物倒すの初めてだし、上手にできるかな?……迷惑だけはかけないようにしないと)
テルルは1人そう思う。
ギルドには入ったものの、いきなり魔物の溜まり場に連れてこられ、初めて一緒に戦う仲間と連携しながら魔物を倒すことに不安を感じているようだ。
しかし、テルルの不安とは裏腹に、魔物はセトとムサシによって一瞬で片付けられてしまう。
「これならなんとか行けそうね」
「……そうだな」
セトとムサシはそのように話している。
「ボクにも魔法使わせてよ!」
ブランはそう言いながら駄々をこねている。
(すごい……あの数のタタラントを一瞬で……冒険者になったばっかりだって言ってたけど、ここまで強いなんて……さすが元S級パーティーの人が設立したギルドのギルドメンバーだわ……これ私いらないんじゃ……)
テルルはあまりの出来事に驚いている。
(私もせめて足を引っ張らないようにしないと)
テルルはそう思い、もう一度気を引き締める。
その後も、セトとムサシ、ブランによって魔物は倒されていき、順調に進んでいたのだが、少しずつ前衛の二人に疲れが見え始める。
「ずっと集中していなきゃいけないのがこんなにもつらいなんて思わなかった……」
「……たしかに」
セトとムサシは呼吸を乱しながらそう言う。
(これが今までのクエストと魔物の溜まり場の大きな違いだ。魔物の溜まり場では魔物が多く、常に注意していなければならない。セトとムサシは前衛で特につらいだろうけど、今が踏ん張り時だ)
タカラはそう思いながら心の中でみんなを応援する。
それでも何とか魔物を倒しながら進んでいた5人であったが、ここでムサシが魔物からの攻撃を食らってしまう。
「ムサシ!」
セトはムサシのことを心配しながらも残りの魔物を倒すことに専念する。
そして魔物を倒し終えると、すぐにムサシのもとへと駆け寄る。
「テルル、回復魔法を!」
「はい!」
テルルはすぐに回復魔法を使う。
「……ありがとう。大丈夫そう」
ムサシはそう言い、2人のほうを見る。
回復魔法のおかげで、まだ戦うことはできそうだ。
(ここからが正念場だ)
タカラはそう思いながら4人を見守っている。
少し進むとまた魔物が現れた。
ブラッドバッドだ。
コウモリのようなC級の魔物であり、十数匹ほどで襲ってくる。
「“雷槍時雨”!」
ブランがすかさず魔法を唱えると、いくつもの雷の槍がブラッドバッドめがけて飛んでいく。
しかし、数匹のブラッドバッドが魔法をかいくぐり、ムサシとセトのもとへと襲い掛かる。
(早く倒してムサシのもとに行かないと)
セトはそう思いつつ、ブラッドバッドと戦いながら、ムサシのほうにも気を配る。
(……ムサシ、徐々にだけど動きが良くなってる?)
セトはそう疑問に思う。
確かに、少しずつではあるが、ムサシの動きが良くなっているのだ。
同時にムサシも自分の変化に気づく。
(なんだか動きやすくなってるな)
ムサシはそう思うと、ブラッドバッドを倒しきる。
戦闘を終え、セトとムサシはタカラ達の元へと戻る。
「ねえ、ムサシの動きがよくなってたんだけど、タカラなにかしたの?」
セトがそう尋ねる。
「いいや、僕は何もしてないよ。テルルのスキル:<持続回復>だと思う。ねっ、テルル?」
「そうみたいです」
テルルも詳しくはわかっていないようだが、そう言う。
(まあそれだけじゃない気がするけど……みんなを混乱させないためにも、今回はそういうことにしとこう)
タカラはそう思う。
タカラは他にも何か要因があると疑っているようであるが、よくわかっていないような感じだ。
何はともあれ、その後も魔物を倒し続け、無事に魔物の溜まり場の出口へとたどり着く。
「みんな、お疲れ様! 本当によく頑張ったね! これなら次からは僕がいなくても行けそうだね」
タカラはそう言い、みんなをねぎらう。
「お腹すいたー」
ブランはいつものように言う。
ブラン以外は疲れ果てている様子だ。
(冒険者を始めて2か月ほどで魔物の溜まり場を攻略してしまうとは……本当によく頑張ったね)
タカラはそう思い、みんなの成長ぶりをしかと感じるのであった。
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