『べっぴん』と『便秘』
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〈2度あることは3度ある〉
世の中にはこんなことわざも存在する。
だから、萌絵から3度目の誤爆が来てもなにも不思議に思わなかった。
それは、僕が久しぶりにぐったりと疲れ、昼寝をしてしまったことで、夕食がカップラーメンとなってしまった日。
その晩、一緒に金曜ロードショーを観た、萌絵からのメールが
『あの、ヒロイン役の女優さん、便秘だったね』
いや、知らない。
彼女が便秘なのか知っているのは彼女自身ぐらいしかいない。
ただの一般人の僕にはわかるわけがない。
結局、本当は
『あの、ヒロイン役の女優さん、べっぴんだったね』
だった。
萌絵が悩んでるのなら、助けてあげたいのはやまやまなんだけど、便秘関連は相談しづらいよね。
知らなかったことにします。
♢♢♢
「ねぇ、起きて、もう、7時半だよ!登校時間、8時半まででしょ!」
身体を上下に揺らされて、目を覚ます。
まだ睡魔が襲ってくるけど、ゆっくりと体を起こす。
「ふぁぁぁ、おはよう、萌絵。なんでいるの?」
制服姿になっている萌絵。
「おはよう、優希。優希を起こしに来たの。学校のある水曜日なのに優希の部屋から7時半過ぎても音沙汰がないから」
「7時半?」
枕の横にスマートフォンで時間を確認する。
スマートフォンの画面には7時40分としっかり書かれていた。
「うぉぉぉ、マジか!!」
完璧な寝坊だ!!
いつもは余裕もって学校に登校するために6時半には起きて、この時間に部屋を出ているのに。
両親、いないのに久しぶりにやらかした!
「優希、朝ごはん、どうするの?昨日の残りとかないの?」
「ないです」
「ちなみに昨日の晩ご飯は?」
「ベーコンを入れたカルボナーラ、市販のやつです」
「それは残せないね」
僕は料理が苦手な方で、『お湯に3分入れるだけ』みたいな商品を多投する。
時々、萌絵にご馳走になっているけど、残念、昨日はスパゲッティーを茹でて、ベーコンだけ炒めて、かけるやつはお湯で3分のカルボナーラの日だった。
「とりあえず、そんなに食べる時間はないけど、1枚トースト作っとくから、優希は着替たりして準備しておいて」
「ありがとう。別に先に高校行ってもいいんだよ」
「大丈夫。8時に出れば、歩いてもギリギリ間に合うでしょ。間に合わなそうなら、走ればいいし」
萌絵がキッチンへと走っていく。
萌絵の優しさを無駄にしないように僕も用意を急いだ。
「できたよ」
学校にいくための準備が整った時、萌絵が僕を呼んだ。
テーブルの上にはコーンスープと蜂蜜のかかったトーストが1枚、置いてある。
「コーンスープは置いてあったレトルトので、トーストにマーガリン塗る時間がもったいなかったから蜂蜜かけたんだけど、大丈夫?」
「うん、ありがとう」
実際にはマーガリン塗る時間がなかったなら、そのまま渡して欲しかったけど、せっかく萌絵が手伝ってくれたんだし、黙っておこう。
テレビに出ている時間は7時52分。
この時間なら8時までには食べ切れる。
勢いよく食べ進め、7時58分には食べ終わった。
「よし、行こう」
「うん」
急いで、教科書の入ったバックを背負って、部屋を出ようとしたその途端、急激にお腹に激痛がはしる。
「ご、ごめん。ちょっと」
急いで、トイレにかけこんで、出てきたものの状態に絶望した。
腹、壊した。
「どうしたの、大丈夫?」
萌絵の心配そうな声が扉の向こうから聞こえる。
「ご、ごめん。腹、壊した」
「とりあえず、水と下痢止めを持ってくるね」
あー、駄目だ。
お腹痛いのが止まらない。
「これ、水と下痢止め」
萌絵が扉の隙間から薬を渡してくれる。
「ありがとう」
もらった薬を飲んだけど、それですぐ治るほど甘くはない。
「とりあえず、萌絵は先に行って」
多分、この状況から脱するのにはまだ時間を要する。
萌絵が待ってたら、萌絵まで遅れる。
「うん、そうするけど。優希、ベーコンの焼きがあまかったんじゃない?優希、これまでも2回、肉の焼き加減のミスでお腹壊してたし」
「うん、多分、そうだと思う」
しっかりと火が通ったと思っていた食材が火が通ってなかったことが、度々ある。
何度、火が通ってないジャガイモを食べたことか。
「優希、今度から優希の両親がいないときは、時々じゃなくて、いつも私の家で食べれば。私は優希よりは料理できるし。優希、毎回は私に申し訳ないって言ってだけど、1人分増やすぐらいなら平気だよ」
「うん、そうしようかな」
あんな簡単な料理工程でこんな結果になるんだったら、僕は料理をしない方がいいと思う。
「じゃあ、今日からだからね。忘れないでね。それじゃあ、お先」
玄関のドアが開閉した音がする。
あー、腹痛い。
「これで、優希といる時間が増やせるね」
コーンスープを作ったお湯に入れた便秘薬の瓶を自動販売機の横のゴミ箱に捨てた。
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