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『最近』と『催眠』

まぁ、1話は短編とそんな変わらないので、続きも出すぜ!!


あれから、1週間、僕は3回、萌絵の健康スムージー作りの試飲をした。

1番はじめの苦過ぎたものからすれば、だいぶ、飲みやすいものになった。


ただ、萌絵はまだ上を目指すらしい。

これからも試飲を手伝うつもりだ。



そして、また萌絵からメールの誤爆があった。


今回は、


『最近、どう?』



『催眠、どう?』


という誤爆。


また今回も危険なワードで誤爆している。


でも、今回は『惚れ薬』誤爆よりはまだ現実的なワードでの誤爆だと思う。


テレビでも催眠術師が芸能人に催眠をかけて、嫌いな者を食べさせたりしているシーンは稀に見る。

実際、僕もあれが本当なら凄いと思って、少し気になってYouTubeで検索したこともある。


多分、萌絵もテレビでなんかで見て気になって、検索したんだろう。




♢♢♢



「うわぁ、今日の酸っぱ過ぎない」


数日後、第5回、健康スムージー試飲が行われた。


いつも萌絵は僕が部屋に行くと、スムージーを手渡してくれる。


今回のスムージーは色がいつもと比べて黄色すぎたので嫌な予感はしてた。

レモンの酸っぱさがきつい。


「うーん、レモンはビタミンCが豊富だし、味を隠せるからいいと思ったんだけど、もう少し量は少なくていいね。大丈夫?変な味はしなかった。なんか変に甘いとか」


「うん、それは平気。酸っぱさしかなかったから」


「うん、わかった」


出来るだけ、作ってもらったものは残さない主義の僕は牛乳を片手に今回もコップ一杯飲み切る。

牛乳のお陰でだいぶ酸っぱさが和らいでくれた。


「本当に毎回飲んでくれるよね。私は嬉しいけど。優希って何か食べれないものあったっけ」


「ピーマン、あれだけは無理」


「あー、幼稚園時代に吐いてたしね。わかった。ピーマンだけは入れないようにするよ」


「それはお願いします。それで、この後、どうする?今日は宿題もないし、勉強を教えることもないと思うんだけど、まだ5月だから、7月の期末テストもまだだし」


「優希、ちょっと、そこの椅子に座ってて」


そう言うと萌絵は自分の部屋に走っていく。


僕が言われた通り、リビングの椅子に座っていると、萌絵は5円玉の穴に糸を通したものを部屋から持ってきた。


「いくよ」


と宣言した萌絵は、僕の目の前で5円玉を左右に揺らす。


「あなたは、眠くなる。だんだん、だんだん、眠くなる」


と言いながら。


えっ、マジで催眠をかけにくるの。

しかも、催眠術の中ではもっとも簡易で古典的な方法で。


一応、目で5円玉を追っては見たけど、眠くなる感じは全くない。

うん、全く、かかる気配がない。


「眠くならない?」


「うん、全く」


萌絵が聞いてきたので正直に答えた。


「うーん、やっぱり、これじゃあダメかぁ。なら、テレビでやっていたのと同じ感じで。優希、目を閉じて」


萌絵が僕の顔の前に手のひらをかざす。


「いいですか。あなたは今から深層世界に落ちていきます。そこはなにもない静かな場所。いいですか、いまからあなたは私のカウントダウンと合図と共に落ちます」


目を閉じた僕に萌絵が僕の耳元で囁いてくる。

若干、こそばゆい。


さて、どうしようかな。

かかるわけないけど、ここでかかったフリをしようかな。

萌絵が僕にどんな催眠をかけるか気になる。


「いきますよ。3‥‥‥2‥‥‥1‥‥‥。はい、入った」


萌絵が指を鳴らすと、同時に僕は首をカクンと前に倒した。

多分、こんな感じだと思う。確証はない。


「えっ、嘘。かかった」


萌絵の驚いた声が聞こえてくる。

やっぱり、出来ると思ってなかったんだね。


さて、どんな催眠をかけるのかな。


「それじゃあ、あなたは犬になります」


あっ、普通だ。

普通の、動物になる系だ。


「あなたは犬になって、座っている私の足を舐めたくなってきます」


‥‥‥‥‥‥はっ?


「それでは、いきますよ。3‥‥‥2‥‥‥1‥‥‥」


「できるか!!!」


なんだよ、その催眠!!

なんだよ、その絵面が壊滅的にヤバイやつは。

もしかして萌絵って僕のことをそう見てるの?


「あっ、起きたんだ」


「違う。かかってない」


「あっ、やっぱりかかってなかったんだね」


「ていうか、何。あの催眠。萌絵は僕にあんなことさせたいの」


それだったら、僕は萌絵に対する印象を変えなければならないかもしれない。


「違う!違うからね!勘違いしないで。私はせっかく催眠出来たから、それなら、普段全く出来ないようなことをやりたかっただけで。普段からしたいと思ってるわけじゃないから。とっさに思いついただけだから!!」


萌絵が必死に弁明してくる。


とっさにあのシチュエーションの催眠を思いつくだけで少しヤバイと思う。


「わかったけど、なんで急に催眠なんか」


「ほら、この前、私、催眠って誤爆したでしょ。この前、惚れ薬って誤爆した時、優希が本当なんじゃないかって誤解してたから、なら、今度は本当にやってみたら、どんな反応するかなって、ちょうどテレビで催眠術の番組を偶然撮ってあったから」


「なら、僕を驚かせるためにやったの?」


「そう、それだけ。ねぇ、その番組、まだブルーレイに録画してある一緒にみよう」


「まぁ、いいけど」


その後、萌絵と一緒にその番組を見た。

内容としては男性アイドルグループのバラエティ番組の企画として〈催眠術師に催眠をかけてもらったらどうなるのか?〉みたいな内容だった。

その中に、〈犬になる〉という催眠があった。

ただ、〈足を舐める〉という催眠はなかった。


話は変わるけど、萌絵ってアイドル番組を予約して録画するぐらい、あのアイドル好きだったんだ。

初めて知った。









「催眠術はやっぱり成功しなかったけど、本来の目的は達成できたからいいかな」


DVDを取り出す。


「この番組を編集して、認識できない短い時間画像を表示して、潜在意識に情報を植え付けるサブリミナル効果で、〈萌絵が好き〉って20秒に1度出してこの言葉を優希の意識に潜り込ませることが目的だったし。上手く見る方に誘導できてよかった」

さて、読んでくださった皆々様。

心より感謝する。


さて、ブックマーク、感想、そして、下の評価の☆を☆☆☆☆☆から★★★★★にすると、作者のヤル気メーターが爆上がりするぞ!!


というか、してください。俺を応援してください。


3話は明日の午後5時過ぎに投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] ツナギも着たりしてます(続きも期待してます) 今度吊り橋効果行かない?(今度釣り行かない?) 因みに、私はイった事ないです(因みに、私は行ったこと無いです) 旨いご飯を考えるの大変そう(上手…
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