1の4 大騒ぎの入学式②
アレン「」
作者「アレン君、どうしたのかな?」
アレン「ピーッ します!覚悟ぉ!」
作者「え、ごめんってイヤァーーッ!」(汚い悲鳴)
さ、さぁ楽しんでいきましょー、
「さぁ、ホームルームを始めるぞー。」
先生が教室へ入ってきた。若い男の先生だ。
ガヤガヤしていた生徒達はすぐに静かになり、席に着く。
「では、生徒のみんな!おはよう!私がこのクラスを持つ、グラント・ガーランドだ!一年間よろしく頼む!」
「やった!グラント先生ですって!」
「よっし!このクラスは楽しくなるぞ!」
周りの声を聞くにどうやらグラント先生はとても良い先生のようだ。僕としても話しやすい先生は非常に有り難いな〜
「この学園は知っての通り、家柄と学力と実技でA〜Eに分けられている。みんなは一番上のAクラスだ!おめでとう。」
どうやらクラス分けはある程度決まりがあるらしい。
「メィリィ、そうだったの?」
「ええ、知らなかったのですか?あ、このパンフレットにかいてありますので読んでみて下さい。」
「あ、わざわざありがとう。有り難く見せてもらいますね。」
そうしてアレンは学園のパンフレットを開く。
ふむふむなるほど、伯爵・辺境伯以上の階級は一定の点数が取れればもれなくAクラスなのか。平民でも上位の点数があればAクラスにもなれる...と。
...おっ入試は筆記だけじゃなくて魔法と剣の実技もあったのか。大変だな...
Aクラスから20人、30人、30人、50人、50人とクラスごとに人数も違うのか。
意外とちゃんと決まりが作ってあるんだな。
...名誉校長、ルシウス・ウェン・エルセイン...は、どうでもいいや!
(エメル、エメル、ほら大好きな初めての知識だよ。学園の概要。)
(やったー!です。ご主人様、片目を共有しても?)
(いいよ、左目を使ってね。)
するとアレンの左目が緑色に染まる。
エメルがアレンの目と自分の目を繋げてパンフレットを見ているのだ。
(30秒で覚えれます!)
(わかった。よろしくね。)
「...で、あってドラゴンは...ん?あぁわかりました。すぐに。」
自分の現役の頃の話に没頭していたグラント先生は教室の外からサインを出す教員に気づくと話をやめて真剣な顔になった。
「みんなも薄々感づいていると思うが、えーそこの...アレン君の隣の席が空いていると思う。」
そういえばここの席が空いたままだったな。
誰が来るんだろうか。
「そこには、セフィリア第三王女殿下がいらっしゃる。今そこで準備しておられる。みんなしっかりと迎えて欲しい。」
この国の王女殿下!?隣に!?一体どんなお方なんだろう。
「...では、王女殿下、どうぞ。」
「失礼しまひゅ!」ガッ
あ、噛んだ。
入ってきた少女は可愛げのある整った顔立ちで、クリーム色の髪をして、背丈も平均より少し低いくらいの女の子だった。制服ではなく、白を基調としたドレスを身につけている。
パチパチパチパチとクラスの中は大きな拍手でいっぱいになる。
僕もそれに従い、拍手を...
あれ?どこかで見たことあるような...いや、王女殿下と?そんなはずは...
セフィリア?セフィ...ア...
は!!
「フィア!?!?」ガタッ
その行動に教室中はシーンと静まり返る。
グラント先生はやらかしやがったと顔を青ざめさせて頭を抱え、クラスメイトはポカン...とする。メィリィはアタフタしていて、シルビアにいたっては涙目で首を振っていた。ブンブンブンブン。
王女殿下...フィアは驚いた表情をして...
「ア、アレン様ぁ!!」パァ
と笑顔で飛びこんできた、机越しに。
どんな身体能力してんねん。王女様。ドレスですよ。貴方。
「うぼぁ!」
バタッと王女様のラグビー選手顔負けのタックルを受けてぶっ倒れる。
「「「「「「「ええええ!?」」」」」」」
おめでとう、クラスが初めて一つになった瞬間です。
ポンポンポンポン
ん?
「ご主人様...もう...ダメ...ですぅ...」
エメルぅぅぅ!!!
メディィィック!
「アレン様ぁ!ずっとお会いしたかったですぅ!」
スリスリと頬ずりをするフィア。
「フィア...嬉しいけど、苦しい...です...エメルが潰れる...」
ポンポンと肩を叩く。
「あ!ごめんなさい!エメルさんいらっしゃったんですね。」
「...ギリ、セーフッ...です...きゅう...」パタッ
「...おい、今どっから声したんだ?」
「わからないけどなんかあそこから聞こえた気が...」
おっとヤバイヤバイ
アレンはとりあえず半分ポケットから飛び出たエメルをしまってフィアに向き直る。
「フィア、エルセインの王女様だったの!?」
「は、はい、私は最近何度かアレン様を王城でお見かけしたんですが...何しろ授業中で部屋から出られなかったのです...アレンさんからすれば7歳の時が最後なので知らなくて当然ですよね...」
そう、あれは僕が7歳の頃、家の庭や部屋で一緒に遊んだりしたんだっけ。
今しっかり見ると確かにあの時の面影がある。いや、あんまり変わってない。
背丈も成長したけど顔立ちはほんの少しだけしか変わってない。まさに今と昔のいいとこ取りをしたような感じだ。
「それにしてもこの学園にいらっしゃるなんて...アレン様も一層カッコよくなられて...皇子様?////」
あぁ貴方は知ってるんですね。当然か。
性格も少し成長したな。あんなに泣き虫だったのになぁ...他にも色々成長したんだろう。どことは言わないけど、まぁ程よく年頃を思わせる大きさに育ってる。成長を最もよく感じるなぁ...ゲフンゲフン。
「あ〜あの〜自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?」
目の前で起こった訳の分からない事態にグラント先生はフィアになんとか声をかける。
「あ、すいません///」
フィアは顔を赤くして立ち上がって教壇に立つ。
「エルセイン王国第三王女、セフィリア・ウェン・エルセインです。これから一年間、よろしくお願いします!」
スッと優雅にカーテンシーをする。
クラスメイト達は戸惑いながらもパチパチパチパチとまた大きな拍手をする。
なんて良いクラスなんだ...グスッ、
「えぇ〜っとセフィリア王女殿下の お席はあそこになります。アレン君の隣です。」
「先生、ありがとうございます!学園内では敬語は不要です。クラスメイトのみなさんも、それでお願いします。」
そう言ってフィアは席に着いた。
そうは言ってもなぁ...とそう思うクラスメイトとグラントであった。
そして終始メィリィとシルビアは固まっていた。
この騒動の後、王女殿下が抱きついたイケメンがいる!ということでメィリィ、シルビア、フィアの3人のファンクラブは当たり前の社会現象として、アレン様を崇める会やアレン様のメイドになり隊とか、さらにはどの会にするか迷った生徒達が学園名物の四人を見守る会が全学年共通でできたのはまた別の話である。
ちゃっかりその話を聞いた王様と皇帝が秘密裏に入会しちゃうのは誰も夢にも思わない。
シルビア「やられちゃいましたね。王女殿下に先手を取られてしまいました。」
メィリィ「シ、シルビア?大丈夫?」
シルビア「メィリィ様、ご自分の気持ちに正直に、あ、」ステン
メィリィ「シルビアーッ!」