1の2 女の子襲ったら犯罪だよ?
ヒロイン登場です。
ありがちですね。けど分かってて読むのもまた良いですよね。
そうして逃げている人と合流できるように走ること数十秒。僕はある路地裏まで来た。
これの一本向こう側か...行き止まりに追い詰められてるのか。
<脚力強化>
サッと屋根の上まで跳んで状況の確認。
茶髪の子と金髪の子が冒険者風の男3人に追い詰められているのを確認。
ジリジリと詰め寄る男達。
「ほら、なんで逃げんだよぉ?学園なんかほっといてさ?俺らと遊ぼうぜ?」
「ついてこれば気持ちよくしてやるぞ?」
「ギャハハ!」
な、なんとテンプレな...
「メ、メィリィ様...」
「シルビア...」
女の子2人は縮こまってる。これは完全に襲われてるな。よし。
「くっ...殺せ!です!」
とエメルがふざける。
よしエメル、あとでお仕置きだ。
アレンは屋根の上から跳び下りると危なげもなく男達と2人の間に着地。
「なんだお前は!?」
どっかのロケット団ではありませんよ。
「名乗る程度のものではない!それにしてもおじさんたちのその行為、決して許されることじゃないのわかってますよね?」
前半父上の真似しようとしたけど後半から間に合わなくなってしまった。
「あぁ?なんだと!?おい、こいつからやっちまえ!」
「「おう!」」
「死ねやぁ!」
男が大振りで殴りかかってくる。
その大振りの隙をついてすれ違いざまに足をかける。
「オゥワ!?」
と変なおじさん一号は変な声を出してズザーッと顔面を引きずって縮こまってる女の子の足元へ。
よっぽど頭を強く打ったのかその体勢のまま立ち上がらない。
女の子達は...ぼーっとこっちを見ていた。
「おおらぁ!」
「おっと」
続けざまにきた変なおじさん二号の拳を軽く避けてカウンターに「破!」とはっけいをかます。
「ぁ...」
と声もろくに発せずに撃沈。
「このガキ!!」
そう言って剣を抜いてきた。
(エメル)
(りょうか〜い)
胸ポケットのエメルと意思疎通をするとアレンは自分の指をパチンと鳴らす。
すると剣がバラバラに切り刻まれた。その余波の風でフードがとれるがアレンは気にしない。
「な!っこのぉ!!」
次は拳を振るってきたので、また避けて次はすれ違いざまに手刀で顎を打撃して脳震盪を起こさせた。
最後の1人も倒れて動かなくなった。
「ふぅ」
ガハルドさんに武術教わってて良かったー
前世の空手の心得もあったけど、大学入ってから全くやってなかったからなぁ うろ覚え。
「あ、あの〜」
金髪の女の子が話しかけてきた。
あ、存在を忘れてた。
「あ、大丈夫でしたか?お怪我は?」
「いえ...私達は何も...それより貴方は...」
「僕なら大丈夫です!あれくらいの相手ならどうってことないですよ!」
「そ...そうですか...あ、あのありがとうございました。助けて頂いて。同じ学園の生徒なのに、すごいです。」
「いえいえ、通りすがりですから。同じ学園?」
あ、この2人、王立エルセイン学園の制服着てる。あの学園の生徒さんだったのか。
すると次は茶髪の少女が尋ねてきた。
「あの、さっき冒険者の剣をバラバラにしたのって、魔法なんでしょうか?」
「え?あーあれは魔法じゃなくて精霊術です!」
「精霊術?精霊!?あの、貴方は精霊使いなんですか?」
次は金髪少女が精霊術のことを言うと食い入るように問い詰める。
「あ〜うん。そんな感じかな?エメルー」
「出てきて大丈夫なんですか?」
「うん、いいよ。」
するとピューンと勢いよくポケットから飛び出したエメル。
「「わぁ!」」
と驚く金髪少女と茶髪少女
「お姉さん方、初めまして!私はアレン様の契約精霊、エメルと申します!」
出てきたエメルは空中カーテンシーをきめて自己紹介をする。
「あ、私はメィリィと言います。あ、あのエメルさんは何を司る精霊さんなんですか?」
メィリィという少女はエメルに質問する。
「私は風を担当してますー」
その言葉にさらに食いつくように、
「え、風!?ですか!?高位精霊の!すいません、エメル様。」
「やめて下さいよ〜エメルで呼び捨てで良いですよ〜メィリィさん。それと...」
エメルはシルビアの方を見る。
「あ、私はシルビアと申します。高位精霊様。」
とシルビアはペコペコする。
「うん!シルビアさん。あと私のことは呼び捨てで構いませんよ?」
よし、エメルのお陰で場が和んだみたいだ。
そう思ってアレンは2人に声をかける。
「そう言えば歩いて登校してたんですね。」
「はい、そうなんです。馬車の車輪が壊れてしまったので...仕方なく。」
「馬車?失礼ですが、貴族の方ですか?」
馬車は基本貴族しか持っていない。一部の大商人とかは自分の馬車を持っていたりするのだけれど。そう思って質問する。
「はい、私はメィリィ・ウェン・リーウェル。リーウェル公爵家の次女です。あと隣の子はシルビア・エインス。公爵家の従者の家系の者です。」
こ、公爵!?そんな高階級のお嬢様だったのか!?
シルビアが思い出したようにスッと時計を見て青ざめた表情をして言った。
「あ、あの〜メィリィ様、お時間が...」
「あぅ、そうでした!うぅ...今から入学式は間に合いませんね...」
「入学式ということはお二人も今年入学する生徒さんなのですか?」
と、エメルは聞く。
「はい、そうなんですけど...初日から遅刻しそうですね...あ、『も』ってことは...アレンさんすみません。エメルちゃんも。巻き込んでしまって。」
申し訳なさそうにメィリィは頭を下げる。
エメルはちゃん付けで呼ばれてクネクネしてる。おい。
「いいえ!巻き込まれたなんて思ってませんよ。あと僕のことは呼び捨てで構いません。...そこでなんですが、家の馬車に乗っていきませんか?大通りに出れば脇に止まってると思うので。」
すると今度はメィリィが驚く。
「馬車!?え、えーとえーとアレン君は馬車を持っているんですか?」
「ええ、持っていますよ。余裕もありますし、二人三人増えても全然いけますよ。」
「えっと...じゃあすいませんお願いします。」
「任されました!それでは行きましょう。歩けば遅刻ですが、馬車なら余裕ですよ!」
「「はい!////」」
ん?なんか顔赤くない?気のせい?了解。
「じゃあそういうことで!...クネクネしてないで!エメル、入って!」
「...はっ!あ、りょう〜か〜いです〜。」
スポッ
そうして3人は談笑しながら歩きだした。
あ、やっべフードとれてた。ま、いっか。
それよりも馬車の道が賑やかになるぞ〜やったー!
あ、エメルにお仕置きするの忘れてた。
不意にエメルが入った胸ポケットがぶるっと揺れた気がした。
リチャード「私は何すればいいんでしょう。」
作者「また今度出番作るから許して下さい。」
リチャード「おお!それは是非お願いしたいですな!」
作者(予定ないわーどうしよ。)