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心の声(桃花)

作者: 狼花

  あ〜 いいお湯だった〜

一日の終わりのお風呂はどうしてこんなに気持ちいいのだろう。

頭拭いて、体拭いて、バスタオル巻いてリビングの扇風機へと向かう。


 風が気持ちいい♫

リビングの椅子に座り扇風機を占領。

「桃花、きちんとパジャマを着てから出なさい!!」

ああ、出たお母さんのお小言だ。

「だって、暑いもん」

今の私に共感してくれる人は絶対いる!!!!!

「だからってバスタオルで出ないでよ。みっともない」

「少し休憩してるだけだよ」

「休憩ってなんの?」

「パジャマを着る休憩」

「そんなものに休息はいらない。着てから出る!!

  ん?あんた、まさか体ちゃんと拭かなかった?」

お母さんが足元を見て顔をしかめた。

「拭いたよ」

「じゃあ、なんで床が濡れてるの?」

・・・なんで濡れるてるんだろね?あたしはちゃんと拭いたのに・・・

あ、わかった。

「結露だよ」

謎は解けた、スッキリスッキリ。

「あんた、本気で言ってるなら観察力が乏しいと言わざるを得ないんだけど」

「え、違うの?」

それはそうと。いつも一言多い。

「風呂場から今あんたが座っているところまでが水浸しなのよ」

私は椅子から立ち上がってお風呂場からここにくるまでの道を確認する

・・・なるほど、、確かに・・・

「立ち上がったついでにパジャマ着てきなさい」

「はーい」

体も冷えたし、ちょうどいい。


 パジャマを着てお風呂場を後にすると 

お母さんが水浸しになった廊下を拭いていた。

・・・・

言い換えると

私が水浸しにしたところをお母さんが拭いている

「・・・なんか、召使いができた感じ」

「桃花、あんた今なんて言った」

しまった。つい心の声が・・・まずい

お母さんは笑顔だった

・・・怒ってる時のお母さんの笑顔はまずい・・・

「さすが桃花、自分の立場をかえりみないその発言。さすが私の娘」

よかった、なんか知んないけど褒められた。

と、思ったのはつかの間だった。


「なら、私はあんたに「自分の立場」を教えないといけないわね」

えっ、どゆこと?

「ちょうど、疲れててマッサージもして欲しかったし

 ゴミ捨てや掃除も疲れて苦労してたの」

・・・ごめんなさい、少し理解が追いつきません・・・

「だから、今日はあんたに私の身の回りの世話を頼むわ」

げっ、そう言うこと。


 「やだな、お母さん七野家は自分のことは自分でがモットーじゃん」

あはは、と形だけ笑っておく私たち。

顔は笑っているが心の中は般若の母と蛇に睨まれたカエルのような私

「そうね。でも母親を召使い呼ばわりした子にはきちんと

 召使いがどう言うものか体験させないと」

この後寝るまでの数時間、母にこき使われました。



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