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のォォォっ!!!何で今世紀でも貧乏なんだよぉ!Part3


えー突然だが、此処で弟の愛らしさについて語らいたいと思う



え、そんな語らい要らない?



美少女の弟が可愛いのは当たり前?


自分で自分を美少女と言うのは痛い?三十路女クセに?



いや、ソコは許して欲しい



私は前世、リカちゃん人形と言うモノが大好きだった



あの可愛いボディーで遊ぶ事を夢に見ていた


だがしかし、ウチは究極の貧乏大家族でリカちゃん人形など夢のまた夢



ウチにはリカちゃん人形はおろかぬいぐるみ一つ買うお金の余裕すら無かった


そんなもの買う余裕が有るなら食費に回す!


持ってる玩具やぬいぐるみは死んだお婆ちゃんに買って貰ったクマのポンタ



そのポンタは幼い妹や弟によって最後はボロボロの運命を辿った


だがしかぁし、私でも、リカちゃん人形と言う遊びをした事は有る!


同級生のお金持ちの家に遊びに行った時の事だった



リカちゃん人形シリーズが目の前に現れた瞬間、私は歓喜した



手に持って着せ替えたあの日あの時!


当時の自分の服装より高級なリカちゃん人形達



色や形は違えど美少女のこの身体に転生した!と喜んだのも束の間だった



残念な事に我が家は貧乏だったのだ


そう、私は貧乏が大嫌いだ


美少女に生まれ変わっても金が無い!



そして、美少女に生まれ変わったと言うだけでは腹は膨れないし、この顔で金は稼げない


え、春を売る場所?黙らっしゃい!私は純粋ピュアなのだ



え、三十路女クセに?



煩い煩い!結婚もした事が無い私が、は、春を売るだとぉ?


寝言も寝て言え!


えー、自分の顔などこの際どうでもいい


そう、どうでも良いのだ!



やはり金だ!より良い未来の為に此処は金を稼ぐべきだ!



だが私は可愛いモノは大好きだ



自分の事はどうでも良いが可愛いモノが大好きで可愛がりたいと思って何が悪い



その筆頭である我が弟の事を語らいで何が悪い!?




我が弟は...そう、言うなれば天使なのだ



天が遣わした純粋無垢な弟は抱き締めると可愛く笑うのだ


え、長くなりそうだからもうイイ?



じゃ最後に一言



私は此処に誓う



弟、強いては明るい未来の為、頑張ると

何を頑張るかって?



そりゃ勿論...金を稼ぐのさ!


まぁ、どうやって稼ぐかはまた後で!今はマイエンジェル!



そう、天使の弟が扉の前に居るんだった!



私はニッコリ微笑み弟に近寄る


「ユーリ、どうしたの?寒いからお部屋に戻りましようか」


私は柔らかく声を落とし、弟の銀色の髪を撫でる



私とは違うエメラルドグリーンの瞳を見つめる


この瞳は父親譲りなのだ


クロウレン家特有の白に近い白銀の髪と薄紫の瞳は直系の長女にしか受け継がれないのだ



正に異世界マジック!


弟の髪は綺麗な銀色なのだ!!!


そして吸い込まれそうなエメラルドグリーン!


正に天使っ!


睫毛まで尊い!


その尊い弟が大きな瞳と幼児特有のプクプクした頬を赤くして口を開く


ああ、真っ赤な唇が恨めしい!




「姉たまの部屋から、たけび声が聞こえてウーリーは姉たまが心配で」


まだ三歳になったばかりの弟が舌足らずで喋る姿は悶絶モノで私はクーッとなる



だが此処でハァハァしたら変態の烙印を押され、かわゆい弟に嫌われるので我慢だ


そう、我慢!人間何事にも我慢が大事だ



上手く喋れない、この時この瞬間を噛み締め、脳内の弟メモリーへとインプラントする



え、キモイ?



ノンノン、弟LOVEに勝るモノは何も無い!



この天使で心優しい弟を大好きにならず何時なる!?



寒いからモコモコの格好の弟を連れ廊下に出る


弟の私室は私の部屋の向かい側だ



恐れ多くも貴族の端くれの我が家←貧乏だけど



家だけはバカでかく庭も馬鹿でかい




そう、維持費だけ年々つもりにつもり、ウチは毎年大赤字だ


その馬鹿でかい庭は一面雪景色



廊下は所々穴が空き、かわゆい弟が怪我したら大変だと言う事でテーブルの一部を切り取り補強した


天井を見上げると雨漏りで所々腐ってる


これは要修繕が必要だ


何より我が領地は水捌けが悪く作物が育ちにくい


対した名品も無く、年々若者は王都へ出て行く



このままじゃ、ウチの領地ヤバくね?が前世の私の言葉



何より一番の問題が



「さ、寒いからお布団入ってねんねしましょうね」


「セシィ、ユーリ、私の可愛いエンジェル達ぃ!」


バーンっと、開け放たれた扉から登場してドドドと走って来た我が父親



その父親もまた問題だった


顔を仄かに赤く染め、酒の匂いをプンプンさせた父がムギュっと抱き締めてくる



グエッとカエルの潰れた悲鳴をあげる私


この暑苦しい父親にかわゆい弟が潰されない様に阻止するのも私の役目だ



弟を筋肉の檻から逃がし、身代わりになると、より一層強まる包容力


「ああ、なんて可愛いんだ!父様が大好きなんだね」


父親の胸をギュウギュウと押し退かすと頬に降ってくる頬擦り爆弾



「父様、姉たまが潰れまてしまいましゅ」


そんな私を助けてくれるのも私の可愛い天使なのだ



エメラルドグリーンの瞳がユラユラと揺れ、怒りに涙を浮かべるユーリ


そんな姿もまた、かわゆい...



話しを戻すが、この父親もまた問題で


領地経営は、てんでダメ



頭まで脳筋で出来てるのか単細胞で妄想突進型の父親は黒の騎士団所属だ


人情溢れる暖かい奴と言ったら言い過ぎる



要するに経営に向かない筋肉馬鹿なのだ



人が良いあまり騙される事数回



だから借金もそれなりにね←笑い事じゃないけど、もう笑うしか出来ない



そしてその父親以上に問題なのが



「ルーク様ぁ...どこぉ」



甘ったるい声を吐き出しながら父を探す継母だった










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