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のォォォっ!!!何で今世紀でも貧乏なんだよぉ!Part2



ごきげんよう、セシリア.ル.クロウレンでございます。


本日もお日柄良く、絶好のお茶会日和でオホホ



んなわけあるかーい!



何処にお茶会出来る菓子が有る?香り高い高級茶?


HAHAHA、三回目のうっすーいTパックは有るけどね!?



ってそんな事はどうでも良くて、今現在、私は全身を写す鏡の前に突っ立ってブルブルと震えております



何故かって?



「何でなんだよっ!」



鏡に映る自分の姿に慄いてるからだ



クロウレン特有の淡い白銀の髪と薄紫の宝石の様な瞳


クロウレン家の至宝とまで言われた母に瓜二つのこの姿



伏せる瞼は儚く、その美貌は老若男女を虜に...



ってそんな事はどうでも良く!黙らっしゃい!



本当の私が何処にも無いっ!



いや、ちょっと待て、コレが偽物と言う訳では無い!コレも私で間違いない



何が言いたいかと言うと、私はどうやら転生したらしい



らしいと言うのは数秒前まで確かに私はセシリア.ル.クロウレンだった



違う!今も昔もセシリア.ル.クロウレンだけど、中の人物が違う!いや、違わない!生まれた時から私は私で、セシリア.ル.クロウレンだ



そう、純粋無垢なクロウレン家のお姫様



まぁ、お姫様とは名ばかりの貧乏貴族なんだけど



容姿と性格と身分だけで言えばお姫様だ



世間をまだ知らない箱入りのお嬢様



そう、それが私だった


金は無いが甘やかされ育ったセシリアお嬢様←まぁ、私なんだけど



おっとりした深窓のご令嬢は確かに私で間違いない



こんな般若の顔した五歳児だけど、確かにセシリア.ル.クロウレンだけど!



そう、私はまだ五歳児なのだ


中身は三十プラスの生粋の日本人女性だけどね!


そして付け加えるなら大家族の長女だったんだけどね!


そう、転生する前は私は結婚した事が無い三十路の女だった


ただ大家族の長女として生を受けた私は新米主婦より主婦らしいと思うけど!こちとら出産の経験も無かった


一度は夢に見た結婚は、生涯一度もすること無く死んだのだった



死んだ原因は分からない



そして次の生がセシリア.ル.クロウレンと言う訳だ



数分前の私は鏡の前で、はて?と考えた



私ってこんな顔だったかしら?と


五歳児ながら傾城の美女ならぬ傾城の五歳児の異名を持つル.クロウレン家の至宝←ゲフンゲフン!←自分で言って恥ずい


えー、そう思えば思うほど次から次へと疑問が浮かび



全身を見つめフルフルと震える私は次の瞬間、クワッと目を見開き叫んだのだった



「私じゃねぇ!」と



そう、見た目儚い美少女の私が顔をグシャグシャと崩し叫んだ瞬間、目に付く現状



貴族とは名ばかりの貧乏貴族



私は鏡から視線を移動させ部屋を見渡す



貴族にも関わらずこの寒い冬の季節、暖房が無い現状



ボロボロの古い家具


運良くこの世界は電気に似たモノがあって、殆どの家が夜は明るいライトの元過ごしてるのに



「蝋燭...」



今どきウチは蝋燭だった



しかも蜜蝋は高いから安い獣脂のランプ


寒いから何重にも重ね着してる私の格好は貴族令嬢のそれじゃ無い



姿形はこんなに美少女なのに実に残念だ!



私は震えながら叫ぶ



「のぉぉぉっ!」と



叫んだ瞬間、建付け悪い扉がキィィと鈍い音を響かせ、ゆっくりと開く



そしてそこから怖々顔を出したのは



「お姉たま...」


私のマイエンジェルで宝物で目に入れても痛くない弟のユーリ.ル.クロウレンだった










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