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始業式!

 うちの学校は入学式を終えたら次の日に始業式をする。昨日はお父さんとお母さんが入学式にいたけど、今日からは1人で学校だから美咲はちょっと不安そうだ。

「ここからは1人で教室まで行くんだよ。何組か覚えてる?」

「1年1組!」

「よし、じゃあ行ってきな!帰りは一緒だから教室で待ってるんだぞ。よし、行ってこい!」

「うん、お兄ちゃん!」


 昇降口から校舎に向かったのを確認してから僕は少し戻って正門前に行く。そこにはクラスの振り分けのボードと貴志たちがいた。全員笑顔だ。これはもしかして・・・

「美咲ちゃん送れた?それなら将太もクラス分け見てきたら?きっと驚くわよ?」

 桜が言うがもう分かってる。念のためボードを見に行くと・・・やっぱり同じクラスに全員固まってた。5年連続か。なにか悪意を感じるのは気のせい?

「見てきたな?今年もよろ!嬉しいぞ!でも4年の時の奴らとはけっこうばらけたな!まぁいいか!」

 瞬が何も考えてないように言うけど多分考えてない。どうせ同じクラスで嬉しいとかしか思ってないな!

「まぁいいじゃないですか。僕たちも入りましょう。すぐに始業式ですからね」

 貴志の言うとおりだ。僕たちは上履きに履き替えて3階に行く。ちなみに1,2年生は1階で3,4年生が2階。そして5,6年生が3階だ。5-3と書かれたクラスに入る。


「「「「おはよう!」」」」

 僕たちが挨拶しながら入ると先に来てたみんなが返事をする。男子は桜が同じクラスなのを見て喜び、隣にいる僕を見て睨んでくる。なんで?

「おはよう将太、ついでにその他。同じクラスになるとは運命だね・・・さぁ、一緒に体育館に行こう。エスコートするよ?」

 そう言って俺の手を握ってくるのは5年生なのに身長が170を越えてる美男子・・・に見える女の子だ。

「いりません手を離せ淫売女狐!」

「僕は女狐じゃないよ?人魚だ。さぁ、その爬虫類はほっといて僕と愛の逃避行しよう。なに、愛があれば地の果て、海の果てまで行くよ!海の果てなら僕が連れてくよ!さぁ行こう!」

「なんで将太はめんどくさい女子に好かれるんだ?すげおもろ!」

「そういう運命なんですよ、瞬。」

 説明するとこの人魚の女子はコーラル。男子みたいな恰好をしてるのは、小さいころに読んだ漫画の影響らしい。普通に女子の恰好をすれば可愛いのに・・・昔そのことを言ったら顔を真っ赤にして逃げた。怒らせたかなぁ?

「なんであいつばかり!」「呪いをかけたい!」「ユリっていいね・・・」

 騒ぎを聞きつけた他のクラスの奴らも集まってきた。恥ずかしいからやめようよー・・・


 ~♪~

「在校生の皆さんは体育館に集まってください。繰り返します。在校生の皆さんは・・・」


 放送が流れた。さて行こう。桜とコーラルはそのままでいいだろう。2人はなぜか腕相撲してる。なんで?

 体育館に行って並ぶ。しばらくすると校長先生の挨拶があり、次にクラスの担任の挨拶がある。僕のクラスは誰だろう?

「・・・では次は5年3組の担任、竜ケ崎先生。」

 げぇ!あれは・・・桜の父ちゃん!なんで娘の担任になるんだよ!?普通は無理だろ!

「5年3組の担任の竜ケ崎だ。私は厳しく指導する。たとえ娘の友達でもな!」

 挨拶と一緒に俺をにらむ桜パパ。なぜか会うといつもにらんでくるんだよな。まぁいつも桜が逆ににらんで退散させるんだけど。

「パパ恥ずかしい・・・」

 桜が落ち込んでる。コーラルが慰めてる。君たち本当は仲が良いよね?


「・・・では次に新入生の登場。みんな、拍手で迎えてあげなさい」

 拍手をして待つ。1組の美咲はたぶん1番前だ。なぜならうちの苗字は相田だからね。

 出てくるのは緊張した顔の1年生。やっぱり先頭は美咲だ。キョロキョロと周りを見ながら歩いてる。あ、僕に気付いた。というより「美咲ちゃーん!」と叫んでる桜に気付いて、その近くにいる僕に気付いた感じだけど。

 僕に手を振りながら歩いてる美咲。誘導した先生が止まり、それに遅れて気付いた美咲が慌てて止まる。転んだりしなくて良かった!

 1年生が全員整列したのを確認して校長先生が話し始める。

「新1年生のみなさん、筑波第3小学校へようこそ。在校生のみなさん、1年生を助けてあげてください。1年生は・・・」

 なんで校長先生の話は長いんだろう?美咲はもう飽きて僕の方ばかり見てる。あ、先生に怒られた。恥ずかしいなぁ。そして怒られてる美咲を見て先生を敵視してる桜。うん、見なかったことにしよう。


「ではこれにて始業式を閉会する。一同、礼!・・・ではこの後はホームルームをして下校となります。では解散!」

 始業式が終わると美咲が走って僕の方に来た。ジャンプしてきたので受け止めると8本の手足で抱き着いてくる!ちょっと重い!

「お兄ちゃん!」

「美咲、重いから降りて!」

「美咲ちゃーん!1時間ぶり~!。どう?友達できた?気になる男子はいた?」

「桜ちゃんそれは早すぎだろ?まだ登校して1時間だぞ?」

「そうですよ桜さん。それはちょっと早すぎです」

「え~?私はすぐに将太を見つけたよ?普通はそうじゃない?」

「「違う」」

「ちょっとなにこの可愛い子!紹介して!僕はコーラル。お嬢ちゃんの名前は美咲ちゃんね?」

「はい!相田美咲6歳です!よろしくお兄さん!」

「僕は女だよ。コーラルお義姉ちゃんと呼んでね!」

「はい、コーラルお姉ちゃん!」

 

 コーラルとも仲良くなれそうだ。良かったな美咲。それでなんで桜はコーラルをにらんでるんだ?

「さて、教室に戻りましょう。美咲ちゃん、教室まで道は分かる?」

「うん!貴志さん大丈夫!美咲はいい子だから!」

「僕たちも戻るから美咲も行こうね。先生の話が終わったら待っててね。じゃあみんな行こう」


 これから桜パパのホームルームか・・・なんか波乱がありそうなのは僕の考えすぎ?

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