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キラキラスター解除よおン

「ぷンぷン! つまんないのン!」

 星ちゃんは不機嫌そうに唇をすぼめると、

「でも、皆が空を見上げたままなのがイケないならン、とりあえずン、あの子たちだけでも元に戻せばいいでしょン?」

と、夜空の星たちを指さし、

「キラキラスター、解除よおン!」

と叫んだ。


 その瞬間、夜空に輝いていた八芒星と、七つの伴星の輝きがパッ、と消えた。


「あら、首が! 首が元に戻ったわ!」


「おおっ、本当だ! 動く! 動くぞ! 鋼鉄のように固まっていた首が自由自在だ! やっぱりオレもまだまだ若いんだ!」


 道行く人々のホッとした声が聞こえてくる。


「わあ! 動く、動くよ! 僕の首が元通りに動くようになったよ!」

 清陀が嬉しそうな声をあげて、愛流華奈の方に駆け寄って来る。

「愛流華奈ちゃーん! 愚者ちゃんは? 愚者ちゃんは元通り元気になったのかーい?」


「まあ! 首が元通り動くようになっただけで、あんなに嬉しそうにはしゃいで。清陀さん、まるで小さい子供みたい……」

 愛流華奈は、駆け寄る清陀の姿を微笑ましく見つめた。

「はい。愚者ちゃんはちゃんと元通り元気になりましたよ。あったかいお布団で眠るんだって、カードの中に戻って行きましたよ……」


「そっかあ! 愚者ちゃん元気になったかあ! それは良かった! 僕も愚者ちゃんが無事でいてくれてすごく嬉しいよ!」

 清陀はホッとした表情で愛流華奈にそう言うと、その視線を星ちゃんの方へと向けた。


「うわ? 星ちゃん? まだいたのかい?」

 清陀の目の前で、全裸姿の金髪碧眼の少女がニコニコと微笑んでいた。

「わああ、星ちゃん! こんな所で年頃の女の子が、すっぽんぽんでいたらマズイよおっ! 早くカードの中に戻りなよおっ!」


「そうよ! この世界では道を裸で歩いていたら逮捕されちゃうのよ……もう夜空にキラキラスターも輝いていないことだし、カードの中に戻ろうね? ね、星ちゃん?」

 愛流華奈も星ちゃんを咎めるように言うのだった。


「ぷンぷン! いやーだもン! あたしは夜が明けて朝になるまでこの世界にいるんだもン!」

 星ちゃんはプクウッと唇をすぼめて愛流華奈にそう言うと、

「おっかない顔して怒るから、アルカナたンなんて嫌いだもン! あたしはこのお兄たンに遊んでもらうんだもン!」

と、清陀に抱きついた。


「うわあ! ほ、星ちゃん? どうして僕に抱きつくんだようううっ?」

 清陀が顔を真っ赤に染めて慌てふためく。


「み、道の真ん中で、は、裸の女の子と抱き合うだなんて……こ、こんなこと僕、初めてだあああっ!」

 清陀は、自らに押し付けられる、星ちゃんのふくよかな乳房の感触や、星ちゃんの肌から伝わる体温を感じて、半ば興奮気味に言うのだった。


「わぁい、あたしが抱きついたら、お兄たンが嬉しそうにしてくれて良かったン」

 星ちゃんの清陀を見つめるその頬も赤らんでいた。


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