表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/157

あっしがお命頂戴するでやんす!

「ふん! やーだね! 今日ここで、お前をぶちのめしてやると決めたんだ!」

 アテュがフワリとその身体を宙に浮かばせた。


「13番、Deathデス、『死』のカードより、でよ! 魔人デス!」

 アテュが一枚のタロット・カードを手に叫ぶと、ボムッ! という音とともに、カードから、どす黒い煙が噴き出した。

 煙がみるみるうちに、全身黒光りの骸骨にその姿を変えていく。


「へへへへ! あっしこそは、『死』への案内人。魔人デス様でやんす!」

 骸骨は頭に黒い王冠を被り、その手には鋭い大鎌を持っている。


「アルカナ、おめえさんの命、この魔人デス様が頂戴するでやんす!」

 魔人デスが愛流華奈に向けブウウン、と大鎌を一振りする。


「きゃああああ!」

 愛流華奈は大鎌を避けようとその身をひるがえした。


「へへへへ! おめえさんのその首を胴体から切り離すまで、あっしの攻撃は止むことがないでやんす!」

 魔人デスが愛流華奈に何度も大鎌を振り続け、愛流華奈は自らの剣で大鎌の刃を受け止めるのに必死の有様であった。


「うぎゃーん!」

 その時、悲鳴をあげて、愛流華奈の目の前にドサッ、と愚者ちゃんの身体が投げ出された。


「愚者ちゃん!」

 愛流華奈が、倒れている愚者ちゃんの元へ駆け寄る。


「アル……カナ……ちゃん……アタシ……もうダメ……だ……」

 全身を傷だらけにした愚者ちゃんは息も絶え絶えにそう言うと、ふたたび気を失って、そのまま動かなくなった。


「愚者ちゃーんっ! しっかりーっ! しっかりするのよーっ!」

 愛流華奈は泣きながら愚者ちゃんの身体を揺らす。


「ムハハハッ。この魔人フール様の手にかかれば、ウェイト版の『愚者』の息の根を止めることなど赤子の手をひねるよりも容易たやすいわい!」

 緑の衣を着た大男、魔人フールが勝ち誇ったように高笑いをする。


「次はこのガキの息の根を止めるとするか!」

 魔人フールがムンズ、と清陀の制服の襟を掴みあげる。


「うわあああっ! 愛流華奈ちゃん、助けてえええっ!」

 清陀が魔人フールの手に持ち上げられ空中でその身を悶えさせている。


「清陀さーん!」

 愛流華奈が清陀を助けようと、その身を乗り出すと、

「へへへへ! あっしに背中を見せるとは隙だらけでやんすよ、アルカナ!」

と、魔人デスが大鎌を振るい背後から愛流華奈に襲いかかるのだった。


「ハハハハ。アルカナ、お前大ピンチだね!」

 アテュは宙にその身を浮かせたままケラケラと笑っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ