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懺悔する貴梨花

 吊るされた女ちゃんがそう説明をすると、

「そ、そうなんだよ! 青峰さんが僕を変態生徒だ、退学処分だと、皆に言いふらすから、僕も困っていたんだよ。青峰さんは、入学以来、こんなふうにずっと僕の悪口をあることないこと皆に言いふらすからさあ……」

 清陀が困った表情で、吊るされた女ちゃんに訴えはじめた。


「……でも、八方ふさがりのところに現われた救世主って誰だろう……もしかして、愛流華奈ちゃんのこと……?」

 清陀はそう言って、愛流華奈の方を振り向いた。


「さあ……どうなんでしょうね……」

 愛流華奈は首を傾げながら、清陀にニコッと微笑んだ。


「う、海野君……わ、私はあなたのことを想えば想うほど、あなたにどう接していいのか分からず、ついつい冷たく接するほか無かったのですわ……あなたが悪魔ちゃんという子の生おっぱいを触ったり、愛流華奈さんと抱き合ったりした時は、私は燃えたぎる嫉妬の炎でこの身を焼き焦がしそうになりましたの……傷心のあまり、あなたのことを、とんだ鬼畜で大変態なんだと思い込もうとしてこの身を落ち着かせることで精一杯で、気が付いたら退学処分だなんだと自分でも訳の分からないうちに叫び出していて……海野君のことを想うあまり私のハートが混乱しきってしまったのですわ……」

 青峰貴梨花は大粒の涙を流しながら、清陀の元へと歩み寄ると、まるで懺悔をするかのように清陀の前にひざまずいて、その両手を合わせた。


「……どうか、どうか、私のこれまでの過ちをお許しください……お願いです、海野君……どうか、どうか、許してください……」

 青峰貴梨花は清陀に向かって泣きながら許しを乞うのだった。


「わああ……青峰さん、そんなに謝らないでよおおおっ……まるで僕が青峰さんのことを有罪か無罪か裁く人みたいじゃないかあ……ぼ、僕は正義ちゃんじゃないんだよ……」

 清陀は自分の目の前に突然、ひざまずいた貴梨花の姿に動揺した。


「キャハハハハッ! もう『未来』のカードに描かれている出来事が始まったみたいだねー」

 死神ちゃんが高笑いをしながら、カードの置いてあるテーブルクロスに右手を向け、指をクイッと自分の方へ折り曲げた。


 テーブルクロスの右端に置いてある『死神』のカードがフワリと宙に浮きあがると、『死神』のカードが吸い寄せられるようにして死神ちゃんのところへと飛んで行った。


「ホラ、見てみー。死神に向かって、神父が両手を合わせて泣きついているように見えるでしょー?」

 死神ちゃんが手に持った『死神』のカードを、清陀や貴梨花の方に向けてかざした。


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