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ティーチャーお仕置き大作戦

「うわああっ、な、何だってんだあ? け、煙から人間の女の子が出てくるとは、一体どうなっているんだ!」

 柿淳大治は頭を抱えて、そのまま床にうずくまると、教卓の向きを変え、カードから出て来た三人の少女を遮るようにして、教卓の裏側に身を隠した。


「わ、私は法であり正義であり皇帝であり悪魔……わ、私は法であり正義であり皇帝であり悪魔……わ、私は法であり正義であり皇帝であり悪魔……」

 教卓の裏側でガタガタ震えながら柿淳大治は呪文のようにブツブツと独り言をつぶやき続けた。


「バアッ! 悪魔とはオレ様のことだぜ。ケケケケッ」

 教卓の裏に身を隠している柿淳大治の顔を真横から悪魔ちゃんが覗きこんだ。バサバサッ、とコウモリのような羽を羽ばたかせながら悪魔ちゃんは宙に浮かんでいた。


「なあ、お前も悪魔なのかあ? ならオレ様と一緒に悪い事たくさんしよーぜ。ケケケケッ」

 悪魔ちゃんはそう言うと、ベロベロッとその長く細い舌で柿淳大治の頬を舐めまわした。


「うぎゃあああっ!」

 柿淳大治は身を仰け反らせながら、教卓の裏から飛び出した。


「罪を量りし、女神アストライアーの天秤があなたを有罪だと言っております……」

 正義ちゃんが柿淳大治の目の前に立ちはだかる。正義ちゃんが左手で持つその天秤は大きく傾いていた。


「……かくなるうえは大天使ミカエル様より由来するこの剣で、あなたの罪を断つしかありませんわ!」 

 正義ちゃんはそう叫ぶと右手に持つ剣を柿淳大治の目の前で大きく振り上げた。


「うわあああ! こ、殺されるうううっ」

 柿淳大治は自分に向けて振り下ろされようとする剣を見て真横に身を逸らした。


 バサッ! 

 正義ちゃんの振るう剣が教卓を直撃した。

 教卓がバリバリッ、と音を響かせ真っ二つに引き裂かれた。


「皇帝と名乗ることができる者は、この朕をおいて他にはおらん!」

 玉座に腰かけていた皇帝ちゃんがヌウッと立ち上がった。


「そのほう、自らを皇帝と名乗るとは何事ぞ! 朕に謀反を起こす気かっ!」

 そう言うと皇帝ちゃんは右手に持つ生命の十字で柿淳大治の頭をバゴッ! と叩いた。


「痛い、痛いっ! や、やめろおっ! やめてくれえっ!」

 柿淳大治は叩かれた頭を押さえて喚くが、皇帝ちゃんはお構いなしに何度も何度も生命の十字で柿淳大治の頭を叩き続けた。


「ええい、朕に逆らうは、国家に逆らうも同義! こやつを捕らえ、牢にぶちこんでおけい!」

 皇帝ちゃんが柿淳大治を指さしてそう怒鳴った瞬間、外の廊下からザッザッザッ、と複数の人間の足音がこの教室の方に向かって進んでくる音が聞こえ始めた。


 ガラガラッ、と突然、教室の扉が開かれたと思うと、二十人はいるだろうか、モコモコとした黒いベアスキン帽を被り、赤いセーラードレスに身を包み、手に剣を構えた、近衛兵このえへいの姿をした若い少女たちが教室の中へと一斉になだれこんで来た。


「「皇帝陛下に逆らう者め、覚悟しろっ!」」

 二十人の近衛兵の少女たちが声を揃え一斉に叫び、剣の切先きっさきを柿淳大治に向けて突きつけた。


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