表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
142/157

ラヴァーズの決意

「ここは世界ちゃんの輪の中だから、焼け死ぬことはないわよ。シエンヌちゃん、安心して……」

 愛流華奈は優しくシエンヌをなだめた。


「アルカナさん……やはり魔人タワーのホルスの目を侮ってはいけませんでしたね。宇宙をも破壊し尽くす劫火は、きっと永劫えいごうに燃え続け、決して消えることは無いのでしょうね……」 

 魔人ラヴァーズは愛流華奈の元に近寄ると、諦観ていかんした様子で言うのだった。


「……もう、いいのです。もう私たちは、このトートの『恋人』のカードの世界に暮らすことは望みません。カードの外の現実世界で、人間たちに紛れながら、ひっそりと暮らしていく覚悟でおります……」

 魔人ラヴァーズは、毅然とした表情で愛流華奈に言った。


 その目には、もはや一点の迷いも感じられなかった。


 唇をキュッと固く噛みしめ、断固とした決意を露わにさせながら、魔人ラヴァーズは言葉を続ける。


「アルカナさん、ご主人様。それにウェイト版のカードの皆さん。こんな私たちの為に今までありがとうございました。もう、戻りましょう。カードの外の現実世界に……」

 そう言って、魔人ラヴァーズは愛流華奈や清陀、愚者ちゃん、シエンヌたちに微笑みかけた。


「そんなあ! ラヴァーズちゃん、そんな簡単に諦めちゃっていいの?」

 清陀は哀しそうな目で魔人ラヴァーズを見つめた。


「たしかに僕は一度、ラヴァーズちゃんたちに僕たちの世界で一緒に暮らそうって言ったさ。でも、こうして諦めずにまた『恋人』のカードの世界に戻って来たんじゃないか! せっかくカードの中に戻ったのに、炎が消えていないからって諦めちゃだめだよ! きっと、何か方法があるはずだよ!」

 清陀が魔人ラヴァーズの桃色の瞳に必死に訴えかける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ