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究極のシェルター

「ハァーイ! 生命のダンスを今日も元気に踊るわよー!」

 緑色の月桂冠の輪の中で、両手でバトンを振りながら踊る裸の少女が姿を現した。


 茶髪のショートヘアーの十代後半くらいの少女だ。少女は、紫の布で大事な部分を覆いながらも、布を落とさないように器用に踊っていた。


「世界ちゃん! お願い! 皆をその輪の中に入れて守って欲しいの!」

 愛流華奈が月桂冠の輪を指さして、『世界』のカードから出て来た少女に頼む。


「もちオッケーよ、アルカナさん! 私の月桂冠は完全なる一つの『世界』! この輪の中にさえ入ればどんな危険からも守られる、まさに究極のシェルターなのよ!」

 世界ちゃんと呼ばれる少女は、バトントワリングのようにバトンを空中に投げたり回したりと軽やかな動きを見せながら愛流華奈に微笑んだ。


「うっわわーい! しぇるたーっ! しぇるたーっ!」

 はしゃぎながら愚者ちゃんが月桂冠の輪に向かって駆け出して行く。


「うっわあーっ!」

 ゴツン! と大きな音をたて、愚者ちゃんが月桂冠の輪の表面に頭をぶつけたかと思うと、そのまま仰け反るようにして後ろへ弾き飛ばされていくのだった。


「あいたたたっ! なんだかすっごい硬いバリアみたいなのにぶつかったあっ!」

 地面に尻もちをついた愚者ちゃんが半ベソになりながら言う。


「どうです? 私を包む『世界』の守りは完璧パーフェクトでしょう?」

 世界ちゃんが満足げに笑い、

「私の『世界』のトビラ、開けちゃうゾ!」

とバトンの先端で内側から月桂冠の輪を突っついた。


「さあ! 皆さんどうぞ! 私の『世界』へカモン!」

 世界ちゃんを囲む月桂冠の輪が波打ちながら、まばゆいエメラルドグリーンの輝きを発する。


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