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アテュちゃんアチチチッ!

「うわ、放せ! 放してくれっ!」

 二人の少女にその両腕を固定され、アテュが身悶える。

「……お、お前たちはカインとアベル? な、なぜお前たちまで生きている? なぜ、お前たちまでこの世界に居るんだあああっ?」


「お前なんてラヴァーズちゃんの燃える矢で焼け死んでしまえ! ね? アベル?」


「そうだ! ラヴァーズちゃんの燃える矢で焼け死んだらいいよ! ね? カイン?」


 アテュの両脇でお互いに目を合わせて笑う二人の少女は、ボブの髪がチリヂリに焼け焦げ、その顔も身体も真っ黒なすすで覆われていた。


「アテュ様! 覚悟っ!」

 ビュンッ! と燃える矢が魔人ラヴァーズの弓から放たれた。


「ぎゃああああっ! アチッ! アチチチッ!」

 アテュの着ているゴスロリのスカートの裾に燃える矢が突き刺さり、アテュのスカートが燃えていく。


「うわっ、バカ! 消えろ! 消えろ! アチチチッ!」

 アテュが必死にスカートを手でパンパンッと叩き、火を消そうとやっきになるも、炎は瞬く間にアテュのゴスロリのドレス全体に燃え移っていった。


「くそおっ! アルカナ! 魔人ラヴァーズ! 覚えていろおっ!」

 アテュは炎に包まれながらもそう捨て台詞を吐くと、一目散に走り出した。


 アテュの向かう先の空間上に突如、黒い穴が開き、アテュは慌ててその中へと飛び込んで行くのだった。


「ウンバババ! 俺様置いて行くな! ウンバババ!」

 その目蓋を閉じている魔人タワーも、アテュが逃げたことを気配で察したのか、アテュを追いかけるようにして空間上の黒い穴の中に飛び込んで行った。



「キャアアアッ!」

 炎に包まれた魔人ラヴァーズはそのまま地面に墜落した。


「まあ! 燃えたままで、お可哀想! 火を消さないとバランスがお悪いですことよ!」

 すぐさま節制ちゃんが駆けより、手に持った聖杯カップの水を魔人ラヴァーズに注ぎ、消火に懸命になるのだった。

「私の聖杯カップの水は、星さんの水と同じ生命の水です。この水は治癒の水でもあるので火傷もたちまち治りますよ……」


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