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あなたはまるでお母さんですわよ

「んまあっ! 海野君! 愛流華奈さんのみならず、犬耳メイドさんや花柄ワンピースさんなど数々の女の子を泣かせるとは一体どういうことですのっ!」

 青峰貴梨花が、清陀が愚者ちゃんとシエンヌに纏わりつかれて頬を赤くしている姿に、語気を強めてまくしたてる。


「……相手が愛流華奈さんのカードから出て来た女の子たちだとはいえ、こんな女たらしっぶりは勉学に勤しむ健全な高校生の姿ではありませんわ! 私、クラス委員長の青峰貴梨花は校長先生に直談判し、海野君の学園からの追放処分をあらためて要求させていただきますわ!」


「まあまあ、貴梨花さん……」

 愛流華奈が興奮する貴梨花をなだめようとする。

「……愚者ちゃんもシエンヌちゃんも皆、清陀さんのことをとても心配していたんですから、すこしは大目に見てあげてくださいね……」


「んまあっ! 愛流華奈さん! あなたはまるで海野君のお母さんみたいですわよ! そんな甘やかすようなことを言ってはなりませんわ! それに見てください! 海野君のあの変な格好は一体なんですの! まるでどこかの夢の国の王子様にでもなったつもりですの?」

 貴梨花はそう言って清陀の服装を指さした。


 清陀は、魔人ラヴァーズに着せられた、クリーム色のフード付きの幾つもの蛇の姿が刺繍されている黄色のローブを着たままの姿であった。


 そして、その頭の上には黄金の王冠を被っていた。


「これは、トートの『恋人』のカードに描かれているムーア人の王の格好ね……」

 愛流華奈が遠巻きに清陀の服装をしげしげと眺め言うのだった。



「ウンバババ! 俺様グルグル巻きに縛られて辛い! ウンバババ!」


「うるさい! お前はちょっとでも油断したらまばたきするだろうが! お前が瞬きしたらこの世界は終わりなんだからな! これくらい当然の処置だろうが!」


 その時、愛流華奈の背後から、アテュともう一人の男とが揉めているような会話が聞こえてきた。


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